初日にホテルに着いた頃は、もう真っ暗。とても大きなホテルで、棟が分かれているため中は迷路のごとし。一度部屋に入り、夕食がとれるレストランまで行くのに迷うこと2、3度。慣れるまでちょっと時間が必要だった。食事はバイキング。子供たちの元気な声の中で済ませたが、美味しかった。翌朝、出発前にホテル中庭の写真を一枚。これでホテルの雰囲気は分かるはずだ。綺麗なホテルだ。
さて2日目は、少し白い噴煙をあげている浅間山を車窓に見ながら松本市を目指した。途中、高原キャベツ畑の中を抜け、六文銭の本拠地・真田を抜け、上田から高速に乗り、千曲川を横切り、姨捨SAで小休止。「姨捨」の看板文字を期待したが、「OBASUTE」の文字のみ。「姨捨」の看板があれば、みんながその前で写真を撮るはずだ。隣には「爺捨」があったりして・・・。見晴らしが良かった。SAのすぐ下には、いっぱい実を付けたリンゴの木。そして、遠くには長野市内まで見渡せた。地図案内板には長野・善光寺もあった。歴史好きならば、「川中島古戦場跡」など、なかなか興味をそそられる所だ。「姥捨」で思い出したのは、今村昌平監督の「楢山節考」。主役に緒形拳と歌手の坂本スミ子が演じたが、坂本スミ子は、主役を演じるのは今後ないだろうからと、前歯4本を抜いて撮影に臨んだそうだ。1983年作だから、もう40年前の作品だ。プロ魂すごい。
次に目指すは、松本市内の古くからあるお味噌屋さん。ここで少し早めの昼食も取ることになっていた。着くとすぐに味噌蔵へ。大きな味噌樽が並ぶ前の説明では、天然醸造はもう1%とか。松本の話ではなく、日本中での話だ。一年経つと二年目の樽に、もう一年経つと三年目の樽に移すのだという。「力持ちが数人で樽を持ち上げ、次の樽へどっこいしょと移し替えるのだ」と笑わせる。そんなことはできない。なにせ樽の大きさは背丈以上だ。何トンかあるはずだ。実際は、職人たちがスコップでひとすくいずつ移し替えるのだ。樽は杉樽。その樽の周りを、竹で編んだ大きな輪で締めてある。一部には金属で締められているものもあったが、もう職人がほとんどいないのだという。でもこれを引き継いで行きたいのだという。そのため、日本中から職人が集まって、作ったという新しい樽が一つあった。それほど、もう職人がいないのだ。これだけで高級車が買えるほどの値段だそうだ。樽を移すごとにお味噌の色は黒みを増していくという。そして、三年目の黒いお味噌が出来上がるのだ。
さて、待ちに待った昼食。蔵の中での昼食だ。これが美味しかった。写真を撮っておけばいいのに、お箸が先に出て、写真無し。ちょっと大きなお味噌汁風のほか色々。とても美味しかった。なので、三年味噌のほかに、ゴボウの味噌漬けときゅうりの味噌漬けをお土産に買った。食レポ無しだが、これで美味しかったことが少しは分かるだろう。