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『武侠七公主』を観る

2010年03月01日 | 中華圏映画
 今回は古装片ブーム真っ只中に製作された香港娯楽映画の巨匠、バリー・ウォン監督(共同監督・陳國新)の『武侠七公主』(93)を紹介。
 実はこの映画、一年ほど前に動画共有サイトからダウンロード→DVD作成したまま長い事ほったらかしにしてあったもの。予備知識で大体はどんな映画かは知っていたのだが、いざ実物を観てみると…大傑作でした!


 物語は中国武林界を守るため傷ついた剣侠・天極の代わりに妻である独狐貞と旅で知り合った6人の女性が奥義「玄天玉女剣」を会得し、日本の豊臣秀吉の命を受け来襲した柳生と対決するというもの。

              

 こう書いちゃうと普通の(というのもなんだが)武侠片のように感じるが、現物はというと、これがくっだらないギャグ満載のコメディ武侠映画なのだ。一応記した物語に向かって各々がバカやりながら進んでいくといった感じ。ギャグパート要員としてディッキー・チョンン・マンタという面々がいるが、主演クラスの女優陣もちゃんと笑いを取るシーンがキチンと作られていて、特に普段こんなことはすまいと思われるミシェール・ヨーなんかがバカ演技をやってくれるので、不意打ち気味で笑える。

              

 あと武侠映画でおなじみの武器や名称を使ったギャグ(血滴子とか食ったら白骨化してしまうという「白骨陰陽飯」)なんかも出てくるので、武侠片を知っている人ならばクスリとさせられるだろう。残念ながら日本では(かなり入ってきてるとはいえ)それほど武侠映画に関するトリビアに馴染みがないので、香港人ほど笑えないのが悔しい。題名自体もかつてチャン・ポージュ(陳寶珠)ジョセフィーン・シャオ(蕭芳芳)ファン・ポーポー(馮寶寶)他当時のアイドル女優が揃って出演した武侠片『七公主』からの拝借だし、やっぱりハードルが高いかな?

              

 武侠片の肝である剣戟シーンは、チン・シウトンが担当(武術指導:ディオン・ラム(林迪安)、馬玉成)。冒頭から彼のデビュー作である『妖刀斬首剣』を思わせるような日本剣士(でも衣装は中華風)VS中国剣侠の軽功を駆使した空中戦で度肝を抜き、最終決戦では悪魔的な強さを持つ柳生に対し、《七公主》は集団で飛ぶ・斬り付ける・そしてロボットアニメよろしく“合体”するというこれ以上ないハイパーバトルを繰り広げるのだ!ワイヤー&早回しによりこの剣戟シーンは実写映画というよりはむしろアニメに近い感覚。シウトン監督、アンタ凄すぎるよ…


 古装片ブームの一番熱かった1993年だからこそ作りえたこのエンターティンメント大作、もし観る機会があれば是非お試しあれ。あまりの凄さ(とアホらしさ)に呆気に取られること必至ですよ。

              


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