里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

山菜の季節到来で王様タラの芽と女王コシアブラ

2024年04月23日 | 山菜

里山の春の恵みは山菜です。
天然のもの栽培のもの多々ありますが、先駆けとなるのはコゴミ。今年は4月半ばから採れ始めました。


それからほどなくタラの芽が採れ始めました。
我が家で4月20日前から採れれば早い年です。今年は例年より1週間ほど早く、昨年より僅かに遅い程度。
4月になってから連日気温が高く急に進んだようです。
何と言っても山菜の王様と言われるのがタラの芽。タラの芽が採れるようになれば山菜の季節到来です。
これが採れ始めの時のタラの芽。


タラの芽も系統や環境条件によって採れる時期に違いがあります。
日当たりが良い所の痩せたタラノキは早く採れます。ですから特別早いのはあまりボリュームのない場合が多い。
この辺りの里山にはタラノキはごく普通にありますが、採るのはごく近くだけ。歩き回って採るようなことはしません。
我が家では元々自生していたタラノキを刈り払いや剪定などの手入れをし、自然に増殖させています。
ここは比較的早くから採れます。これは4月半ば過ぎの採り始めのもの。


この場所の多くは採り終わっています。
採るタイミングとしてはこのくらい。


3月くらいに店で売られるトレイ入りのタラの芽はハウスで伏せ込み栽培したものです。
伏せ込み栽培では枝を短く切って着いている芽を全て吹かせます。そのためごく小さくボリュームはありません。
天然のタラの芽は大概一番上の頂芽だけを採ります。
したがって、ボリューム十分で本来の野趣に富んだタラの芽が味わえます。
こちらは自生していたタラノキを管理し最も群生化させた所です。


ここは篠竹が群生化しているところでもありますが、青味が濃くやや遅い系統のタラノキです。
丁度採り頃になってきました。


この系統は当地では通称モチタラ。青くて見栄えが良くトゲが少ないため良系統とされます。


3年ほど前、根こそぎ盗られてしまったことから、以来少し早めに採るようになってしまいました。


2系統を比べてみます。やや小振りのものですが、違いは分ると思います。
右が先に採れた赤みのある系統で、左が通称モチタラ。


こちらは誰が言い出したのか山菜の女王と言われるコシアブラ。


本来ならコシアブラの芽と言うべきところですが、面白いことに単にコシアブラで新芽のことを指しています。
そもそも当地方では一部の人以外コシアブラを食する習慣はありませんでした。
むしろ昔から「削り花の木」として知られており、今でも春の彼岸用に造花を作っている方がおられます。
やはり山形県で食材として重宝されているという情報が当地方にも波及したのだろうと思います。
当地ではタラノキほど多くはないもののコシアブラの木はごく普通に見られます。


コシアブラはナラやクリなど雑木に混じって林の中に生えており、ちょっと見には分りにくい。
タラノキと同じウコギ科の植物でありながら放置すればこのような高木になります。


コシアブラの高木1本には沢山の新芽が着きます。


切られた木からはわき芽が吹き出すので採るのが容易です。


高木なら1本採れば十分な量が採れます。


タラの芽は味や香りと言ったものは殆ど感じませんが、コシアブラには独特の味と香りがあります。
右がタラの芽、左がコシアブラ。


ボリュームで言えばタラの芽にはかないません。食べ応えが違います。
しかし、小生は香り大好き人間なのでコシアブラも大好物。
やはりこの時期は、定番の天ぷらや素揚げで山菜の王様と女王を同時に味わいたい。