水瓶

ファンタジーや日々のこと

大船フラワーセンターその4 芝生広場のナデシコ

2014-05-31 09:15:16 | 大船フラワーセンター
広場の花壇に、沢山のナデシコがきれいに咲いていました。
大和撫子というと、お茶にお花に楚々とした、みたいなイメージがありましたが、
実際に花を見ると、活発でイキがいい、かわいらしい感じ。
大人しいというより、陽気でにぎやかな感じですね。
そういえば「ナデシコ」って、ちょっとラテン系のような響きがしませんか?


芝生広場はこんな感じ。気持ちいいけど、直射日光が照りつけて、芝生の真ん中にい続けられませんでした。。


ずらっと並んだナデシコ。どれも鮮やかな色です。真っ赤なナデシコもあるんですね。
上にのびたツルはスイートピー。


ナデシコは写真映りのいい花だと思います。ぼけがいい感じに出やすいのかな…?


光をばしっと受け止める花びら。太陽さん、おいで~♪


左は暗紫色のヤグルマギク、右は…???と調べたら、これもムギナデシコというそうです。
面白い具合にラインが入ってるんですよね。


これがわからない……ウメ型の小さめの花で葉っぱはスギナのよう。


花びらの形がちょっと違うけど、上の花の色違いかな?かわいいんです。


クレマチス。庭先でよく見かけますね。
母が実家の庭に植えたら、紫のはずが白い花が咲いたそうです。土によって変わる???


緑に映える赤いポピー。


これぐらいの大きさで、他の花に囲まれてるのがちょうどいい感じかも。


ナデシコやポピーは、春から初夏ぐらいでしょうか。
早春の花は早春らしく、初夏近くの花はそれらしく。
それぞれちゃんと合う色形してるんですから、面白いですね。

今日で五月も終わりかあ。。しかし、暑くなりましたね・・・

カゴの森(つづき)

2014-05-30 08:30:57 | 彼方の地図(連作)
その夜アローは、耳慣れない小さな物音に気づいて目をさましました。他のみんなはぐっすり眠っているようです。雨はやんでいましたが、ジジッ、ジジッという、ごくかすかな音だけが、静まりかえった夜の森に響いていました。虫の声ではありません。アローは起き上がると、なるべく足音をたてないように歩きながら、葉っぱの服を着た少年を探しました。少年は昼間と同じように、少し離れた木にもたれて立っていました。

「寝ないのかい?」

「うん。オレ、あんまり寝なくても平気なんだよ。それに今夜は、この森にいる最後の夜になると思うから」

「___そうか。出ることに決めたかい。私もその方がいいと思う。君がずっとここにいたのなら、離れがたいだろうがね」

少年は目をふせたまま、アローに答えませんでしたが、突然、不思議な話を始めました。

「この音さ、雨上がりに、木が水を吸い上げる音なんだよ。この森、あんたたちがカゴの森と呼んでるこの森はさ、本当は、一本の木なんだ」

温かい気候と湿った黒い土を好むカゴの木は、気に入った土地で、花もつけず実もつけず、ただ地中の根だけをたよりに広がっていました。新しい木は、のびた根の先から育ちました。ですから、地面の上では何本もの別の木のように見えますけれど、少年の言うように、たった一本の木なのです。バーバリオンが王様になるよりももっともっと昔、カゴの森はずっと遠くまで広がっていましたが、だんだんと狭くなって、今ある大きさになったのでした。他の地方にもカゴの木の森はあったのですが、今残っているのはここだけです。新しい木や草が増えたせいもあるかも知れません。カゴの木は、薄明の大陸にあまたある植物の中でも、とても古くからある木でした。

「君はずいぶんとカゴの木についてくわしいんだね。バーバリオンもあまり知らないようだったのに。そんなに遠い昔のことを、誰か教えてくれる人がいるのかい?」

少年の話を一通り聞いて、アローは感心したように言いました。

「だってオレは、この森から分かれたばかりだもの。根っこが切れたと思ったら、いつのまにかこんな体になってたんだ」

アローは以前に会った、奇妙な人たちのことを思い出しました。森の中に小さな、村ともいえないような村をつくり、まるで植物のように太陽の光や雨を浴びてたたずむ人々。彼らはもともとは木や草で、何かをきっかけに動けたり話せるようになった人々で、緑の人と呼ばれていました。そういえばどことなく雰囲気が似ています。アローが以前にあった緑の人々はもっとのんびりしていて、ずっと植物らしかったのですけれど。

「こんな風になったの、この森では、オレが初めてなんじゃないかなあ___灰色のせいじゃないかと思うんだ。カゴの木の根が伸びるには、時間がかかる。それに、すぐ近くまで他の木が強く根を張ってるから、カゴの木には、もうこれ以上根をのばすことができないんだ。このままだと灰色に追いつかれて、この森全部のまれてしまうだろう?だから___」

少年の言葉は自信なさげに途切れました。少年が灰色から遠く離れた別のどこかへ行ったとしても、そこでまたもとのカゴの木に戻れるかどうかは、わからないのです。緑の人々は、そのまま人間のようになることもあれば、草木に戻ることもあるようでしたが、どうしたらどっちになるのかは、よくわからないのでした。カゴの森が、少年がどっちになることを望んでいるのかも、少年にはわかりませんでした。

「でもそうして君が、この森から離れて動ける体になったのなら、やはりここから旅立つのがいいんだろう。その後のことは、今から考えてもしかたあるまい」

森から分かれたばかりだというこの少年が、すでにかなり人間らしいのは、それだけ森が危機感を感じていたからなのかも知れません。少年は、ついこの間まで自分がその一部だった木の根を、何かのはずみで戻れないかとでもいうように裸足でもてあそんでいましたが、ふと思いついたように、アローに向き直って言いました。

「___オレ、この森が生まれた時からの、記憶っていうのかな。あるんだ。すごくごちゃごちゃしてとりとめがないけど。あんたにそれを、うまく伝えられたらいいんだけどな___そうだ。ちょっと手を出してみて」

アローは、少年に握手を求めるように手を差し出しました。すると少年はアローの手を軽く握って、もたれていた木にいっそう深く寄りかかりました。すると木は大きくしなって、ジッ、ジッ、という音がはっきり聞こえるようになり、やがてザーザーと、流れる水音になりました。そのままじっと耳を傾けていると、今度はその水が、光って見えて来ました。カゴの木を、いえ、カゴの森を流れる水が光っているのです。その光は、幹から枝の一本一本、枝についた葉の一枚一枚の葉脈すべてに行き渡り、見えないはずの、地下で無数に枝分かれしたひげ根の一本一本までが、細い細い光の糸になって、森中に網目をはりめぐらせているのです。光る水は、ちらついたり点滅したりしながら、ごくゆっくりと脈打つように網目を流れ、たえず循環していました。それは、この大陸がまだ真っ暗だった頃に、初めてあらわれた光と同じものでした。その頃にはこの世界全体で、一つのカゴの森のようだったのです。そうしてその時から今もまだ続く、長い夜明け前にあるのでした。

「カゴの森とは、このことだったんだな。もしかしたら昔は人間にも、この光の森が見えたのかも知れないな」

「でもオレ、森から分かれて初めて、こうして光って見えるようになったんだ」

少年とアローは手をつないだまま、夜が明けるまで、森の体をゆっくりと流れ続ける光の水を眺めていました。

カゴの森

2014-05-29 08:50:24 | 彼方の地図(連作)
沼を発った翌日の午後のことです。急に強い風が吹き出して、暗い雲が集まって来ました。遠くからゴロゴロと雷鳴も聞こえ、だんだん近づいて来るようでした。そしてとうとう、ぽつ、ぽつ、と、大粒の雨が降り始めると、ポランにフードをかぶせながらアローが言いました。

「どこか雨宿りできる所を探した方が良さそうだ。ここはさえぎるものがないから、この風ではテントが吹き飛ばされてしまうだろう」

「ここからもう少し行った所に、雨宿りできそうな森がある。急ごう」

バーバリオンはそう言って先頭に立つと、湿地帯の南の端にある、小さな森へとみんなを案内しました。一見何のへんてつもない、どこにでもあるような森でしたが、よく見ると、少し変わった木々が生えているようでした。細くてしなやかな幹から上に突き出た枝が分かれ、枝の先には、これまた細長い剣のような形をした、明るい緑色の葉が沢山生えていました。葉先は鋭く、気をつけないと指を切ってしまいそうです。

「珍しい木だなあ。竹に似てるが、節もないし、葉も竹よりずっと多いようだ」

「カゴの木というんだ。名前を知っている者もあまりいないがね。私の知る限りでは、カゴの木の森があるのは、この大陸でもここだけだよ」

ティティはおそるおそる葉に近づいて匂いをかいだりしていましたが、すぐにポランの後ろに隠れてしまいました。ポランはといえば、いつも通りのぼんやりした表情で、すべすべした木肌をものめずらしそうにさわっています。カゴの木は間をあまり空けずに生え、葉も密に茂って重なり合っているので、この森の中にいる限りは、雨はほとんど下に落ちて来ず、かなりの雨風でも充分にしのぐことができました。上の葉を激しく打ちつけるザッザッという雨音は聞こえますが、雨だれはみんな外の方へと流れて行くようでした。アローがポランと一緒に木をさわりながら言いました。

「なんでカゴの木と呼ばれるんだろう?よくしなって、カゴを作る材料には良さそうだが」

「こんな辺ぴな所にしか生えていないなら、カゴを作るには不便だろう。今はわからなくなっているが、何か別の理由があったのかも知らんね___嵐は夜まで続きそうだから、今日はもうここで休むことにしよう。ここから船乗りたちが使っている道に出るまで、雨宿りをするのにここよりいい場所はないよ」

バーバリオンはそう言うと、大きな体をごろりと地面に横たえました。四人が思い思いの場所で森の様子を眺めていると、じきにすぐそばから、まるで細い笛が鳴るような小さな声が聞こえました。

「あんたたち、どこから来たんだい?」

声のした方を見ると、十二、三歳ぐらいの、カゴの木の葉を綴ったらしい衣服に身を包んだ男の子が、少し大きめの木にもたれて立っていました。バーバリオンが驚いて言いました。

「人がいるなんて思わなかったよ。私たちは沼地から来たんだ。君はどこから来たんだい?」

「オレはずっとここにいるよ」

葉っぱの服といい、一人でこんな場所にいることといい、どうやら普通の人間の子どもではないようでした。

「一人でここに住んでるのかい?」

「一人じゃないよ。これからどこへ行くんだい?」

「海へさ」

「海にはもっと灰色が広がってるって、ほんとかい?」

アローは船乗りの話から、海にはもっと灰色が広がっているらしいことを知っていましたが、今この少年に、はっきりとそう言うのはためらわれました。

「さあ、どうだろう。これからそれを確かめに行くんだ」

「この森が、あの灰色からどれぐらいの間無事でいられるか、あんたたちならわかるかい?」

「わからない。このままなら一年か、二年か___」

灰色の場所が広がるのを止めるために、ポランを海へ連れて行こうとしていることも、アローは言いませんでした。どうしてか聞かれても、あいまいな理由しか答えることができませんし、アロー自身もまだ半信半疑の状態で、いたずらに期待を持たせるのは、残酷に思えたからです。バーバリオンも同じように考えたのか、何も言わないでいました。答えを聞いた少年は、しばらくうつむいていましたが、ふっと森の天井を見上げてぽつりとつぶやきました。

「オレにここを出ろって言うんだな」

そしてそれっきり、黙り込んでしまいました。(つづく)

大船フラワーセンターその3 森の小径

2014-05-28 08:15:38 | 大船フラワーセンター
バラ園を抜けて「森の小径」へ。ちゃんと名前がついてるのであります。
あー、、なんか花いっぱい見た後に緑見ると新鮮だ……


名札がなかったのですが、イワガラミという花じゃないかと思います。
アジサイのなかまのようです。


ハナイカダ。葉っぱの上のポツの所に花が咲く珍しい花です。これはまだつぼみのよう。
覚えやすい上に、風流な名前ですね。


ウツギ。今頃あちこちで見かけます。白い花が風でパラパラと落ちる風情がいいんだよなあ。。。
あ、おからの卯の花の卯は、ウツギなんですよね。なるほどなるほど!


ハルジオンにちょっと似てるんですけど、この紫。何の花だろう?謎です。
いい色ですね。


何の木かわからないけど、陽に透ける葉っぱがきれいなので。。


ラビットアイブルーベリー。ブルーベリーの品種らしいです。ウサギの目?
きっとこれからブルーに色づいていくんですね。


クロヒメアジサイ。うちの近所でも、アジサイのつぼみが大きくなって来ました。

バラももちろんきれいでしたが、バラで満腹になった後の緑はまるで太田胃散のようなさわやかさ。
消化不良がどんどんこなれてくぞー。
花いっぱいもいいけれど、緑に埋もれた中に花を見つけると、すごく嬉しいんですよね

大船フラワーセンターその2 バラ・薔薇・ばら

2014-05-27 08:56:16 | 大船フラワーセンター
バラ、バラ、バラ。バラの洪水!

大船フラワーセンターのバラは、大きい花でも牡丹ほどはなく、私は好みでした。
しかし太陽ギラギラ……暑い。。。写真撮るにはなんだけど、風があるのがまだ救いですが。。


バラ園のあちらこちらに、絵を描いてる人たちがいました。
見ながら描くのはいいですね。でもちょっと暑そう。。。


いい色合い♪


野バラ系でしょうか。小さめの花で、こんな風につぼみがシュッシュッと
沢山出てるのが燭台のようで、好きなのであります。


この朱色は日光が強いと飛んでしまう、きれいだけど難しい色です。
名前はサラバンド、だったかな?


花びらが少しめくれるように咲くバラです。
最初はしおれかけた花なのかと思いましたが、これが持ち味なんですね。


森のなかまがいたく気に入ったバレリーナというバラ。うん、かわいいね。


きれいなバラにはトゲがある。能あるタカは爪隠す。頭隠して尻隠さず。


この辺りで頭の中の特設ステージに布施明がマイクを持って登場し、「君は薔薇より美しい」を歌い始めます。
久しっぶりねと~ き~み~が~わ~らう~ぅ♪


片手を上げてろうろうと歌いあげる布施明。

あ~あぁっ君はあぁ~~~♪ 変わったあーーーーー♪



・・・あっ、そうだ。せっかくだからバラをバックに森のなかまに写真を撮ってもらおう。
「なんかすごいくたびれた顔してるよ。。。」
うん。くたびれた………

水分補給して正気を取り戻します。


このバラは赤いハナミズキに似てますね。プロペラのような花びらです。


強い陽射しをものともせずふんわり感をかもし出す白バラ。


う~ん、なんとも上品な色合いたたずまい。



港が見える丘公園とここと、今年の春はバラをたっぷり満喫できました。
でも午前の光はやっぱりムリだったか……
バラは今がピーク。五月いっぱいは楽しめそうです。
日に日に暑くなって来てますので、バラ園に行かれる方は水分補給も忘れずに!

この後は森の小径へ。短い距離ですが、緑で大分頭が冷えました