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水瓶

ファンタジーや日々のこと

横浜人形の家・追悼特別企画 『後藤由香子展 ~時空を超えた愛の贈り物~』

2018-02-18 13:32:15 | 横浜人形の家

節分もすぎましたが冬将軍がこれでもかとラストスパート。
花粉の尖兵もすでにやって来て、何もそんなにがんばらなくてもいいのに。
へっくしょん!

昨日は横浜人形の家の追悼特別企画 『後藤由香子展 ~時空を超えた愛の贈り物~』に行って来ました。
この時期に雛人形の展示は恒例なんですが、今回は急逝された人形作家・後藤由香子さんの追悼企画とのことでした。
以前見た展示でも、ひときわ印象に残るおひなさまを作られる方でした。

おひなさまの顔が少しずつ変わってゆく様子が見てとれるように思いましたので、
今回は特におひなさまの顔にスポットを当ててみました。
本当にひとりひとりお顔が違うんですよ!


































上二つのブルーのおひなさまは、殿姫ぞろいの人形としては最後になる「MANA」という作品だそうです。

人形づくりに使われた道具や、指示したものなどの展示もありました。
小さな花や小鳥のひとつひとつ、本当に細かい所までていねいに書き込まれたメモなど、
採算度外視で打ち込んでいらした様子がよくわかります。

後藤さんは1969年生まれで、私とは一つちがい。
先日は有賀さつきさんが亡くなられ、近い年の女性の死を知り、
まるで何かの問いを突きつけられるように思い、
柄になく今までになく、特別に感じ入る所がありました。
ご冥福をお祈りいたします。

これからこういう機会がどんどん増えていくんだろなあ。。。












なんとなく、伝統的な顔から現代風の顔へ変わってゆく感じがするのですがどう思われますか?
どちらがいいと選べるものでもないんですが。

人形の家に飾られている古今東西たくさんの、素朴なものから贅を尽くしたものまで、
なんらかの願いが込められ、祈るように作られてきたのが人形なんだと、あらためて思いました。
以下は、後藤由香子さんが生前に作られた詩だそうです。


生きること 生きているということ

命は光を持っている。
優しい光、悲しい光。

いろいろな光が混じり合って
その人の光になる。
その人だけの光になる。

時を重ねた分だけ
湧き出てくる光がある。
滲み出てくる光がある

生きること 生きているということ

それは、まわりの誰かに光を与え、光をもらうこと

誰と同じでもない光の結晶を
自分だけが出会う人たちと大切に育んでいくこと

誰のものでもない 自分だけの光で支え合っていくこと

自分にしかない光で


















現物を見ると一目瞭然なのですが、人形そのものや衣装だけでなく、
調度や装飾などの細かい所まで大変に熱を込めておられ、
全体が醸し出す雰囲気も大変独特のものがあります。

人形作家・後藤由香子さんの雛人形の展示は4月8日まで。
どうぞ足を運ばれて、現物をごらんになってみてください。



横浜人形の家・清水真理展/Daydream~夢の世界へ

2017-12-10 20:09:20 | 横浜人形の家
目を閉じた顔。開いた顔。


昨日は横浜人形の家に行ってきました。お目当ては清水真理さんの人形展。
かなり前から森のなかまが行きたいと言っていました。
私は、、、うーん、今日はちょっと他のところ見て待ってようかなあなどと思ってたのですが、特別料金もなく、
展示室に入ってしまえば瞬時に圧倒されてしまいました。


(去年行った展示の記事はこちらです。)


今回私が一番気に入ったのは、角の生えた頭の二つあるこの女の子です。
去年は見なかったので新作でしょうか。









作り物の瞳、なんですよね。なぜこんなにも表情を感じられるのか。












今回森のなかまが一番気に入ったのはこの子だそうです。馬に乗ってるのがポイントなんでしょうか。






この真ん中の女の子はアンジェリカという名前だそうです。一番大きかったかな?
ちゃんとひとりひとり名前があるそうです。












清水真理さんの人形はグロテスクさも大きな特徴の一つで、
これが私がストレートに「見に行きたい!!」という気持ちにならない理由の一つではあるんですが、
同時にとても大きな魅力でもあります。
とても強く魅きつけられるものって、そういう要素ありませんか?両面性。














清水真理展「Daydream~夢の世界へ」は1月14日まで。
人形たちがつくりだす妖しく不思議な世界に、ちょっとだけ足を踏み入れてみませんか?



粧ひ・平田郷陽

2017-10-29 11:04:10 | 横浜人形の家

モデルは誰?と言われても・・・


夕ご飯までの雨宿りがてら、年間パスポートで入った横浜人形の家。
人のいないコーナーのベンチで休んでいたら目の前にこのなまめかしい姿。
少し休んだ後に、ちょっとカメラを取り出したら思わずかなりの枚数を撮ってしまいました。




創作人形「粧ひ」(よそおい) 平田郷陽 昭和6年(1931年)
大きさは、実寸の1/2といったところでしょうか。なんと木彫り!です。
間近で見ても木とは信じられない肌のやわらかさ。指で押せばひっこみそうなのに。。




平田郷陽が昭和30年人間国宝に選ばれるほどのすぐれた技術は、
生き人形の制作で知られる父の初代郷陽から受け継いだものである。
二代目郷陽を継いだ後、昭和2年には日米の親善のために制作された答礼人形のコンクールが行われ、
郷陽の人形が審査で1位となったことも作家としての地位を高めた。
本作品は、当時人形作りを職業とする作家が結成した「白沢(はくたく)会」の展覧会に出品された。
この時期、郷陽は写実的な人体の表現を追求しており、その代表作としてこの「粧ひ」や「髪」がある。

(説明文より)








郷陽は人形に心が宿るように願いながら人形の制作に打ち込んだという。
まさにそれが人形の迫真の表情・手の動きなどに現れている。






まるでギリシャ神話のピュグマリオーンのようですね。
前にしていると、本当に間近に人がいるかのような緊張感があります。
見れば見るほど、おそろしいほど。。

横浜人形の家 & 世界ネコ歩き写真展

2017-01-29 11:26:44 | 横浜人形の家
いつもはさっと通り過ぎてしまう常設展の人形たち、よく見てみれば、こんなにいい顔してたんですね。

先週末、横浜人形の家の年間パスポートを作りました。
これで通りすがりにちょっとだけのぞくなんてこともできるようになります。
(ただし常設展のみで企画展示などは別料金になります。)
さっそく昨日行ってみたんですが、いつもは企画展などに押されがちだったけど、
見慣れた常設展のお人形さんたちをじっくり見られました。

と、その前にこちら日本大通り駅放送ライブラリーの8階でやっていた、世界ネコ歩きの写真展へ。


こちらは撮影が許されているのは、入り口の大きなパネルのみ。
このニャンコの横に立って撮影できるようになっています。だいたいヒグマサイズです。


岩合さん直筆の絵らしいです。さすが、絵もお上手!

入場無料のせいだけでもないと思いますが、会場内とてもにぎわっていました。
老若男女、家族連れから年配の男性お一人さままでと、本当にいろんな人たちが来ていて、なんと猫のふところの広いことよ。
グッズ売り場で写真集をゲット。


大さん橋の近くでネコ歩きのまねっこ。

そして人形の家へ。今日は常設展の人形たち特集です。


アフリカの男の子。この人形好きなんですよね。


こちらはモンゴルの人形。こけしのようです。


二階の御所人形展示場にある御所人形。椅子に座って休んでる時に、ふと目が行ったのがこの鶴亀人形たちでした。


いつもさっと流し見するだけだったけど、こうして見てみるといい顔してるなあ……


頭に鶴をのせている子。


亀をのせている子。そしてトップの写真が真ん中に立つ行者っぽい子です。


酉年ですしね。コケッコー


先日コーナーで特集されていたクロースドール。


布製なので陰影のつき方もやわらかい。


このミニチュア動物たちの行進、説明見忘れたんですけれど、よくよく見てみると二匹ずつになっているようで、
ひょっとしてノアの箱船に乗り込む所だったりして。今度行ったら確かめてみよう。


この花籠を持ったフクロウもお気に入り。

ひな人形展もすでに始まっていたのですが、それは次に来た時に。
もう一月もおわりですよ。早いですねえ。。。

横浜人形の家・清水真理展

2016-12-25 17:44:19 | 横浜人形の家
横浜人形の家で展示中の人形作家・清水真理さんの人形たち。
けっこう人が来ていて、男の子が「やばい、やばい」といいながら熱心に見たりしていました。
今回は写真にコメントつけるのやめました。なんつっていいかわからんし………。
おおむね下にスクロールするほどやばくなってます(私観)。





































いかがでしたでしょうか。一見ふつうに見える美少女人形にも死の匂い漂う、悪夢と狂気の顕現。
なんか十代に色々あってしんどかった時期に、ここにあるお人形さんみたいな悪夢をよく見たことがありました。

年を取って良かったなと思うことの一つに、色々な欲求が衰え弱まって来たっていうのがあります。
欲望が強いほどそれが満たされないとつらいししんどいし、そのせいでバカなことをしたりもするもんね。。
でもほとんどの人は、たとえ十代前半や小学生でも、そのまま現実の行為に移してしまってはいけない性質の欲望もあるということを、
ちゃんと知っているし、区別しているものだと思います。
そういうたちの悪い、けれど強い欲望を抑えようとするから、つらいし、苦しくもあるんですよね。

でもこういう、世間的には忌まれがちな傾向をも持つ創作物って、そういった欲望のどろどろとした派生物が、
ある種の美しさを伴った物に昇華されているようで、そういう物に接すると、しんどさが少しおさまるというか、
楽になる気はするんですよね。悪しきフィクションしかり。そういうなぐさめ方もあるのだ。

さあ、あなたもこのやばい空気を、悪夢の美少女たちと同じ空間で味わってみませんか?
2月12日までやっているそうです。