カフンカフーンした空気にもめげず、久しぶりの週末のお出かけ。ああ目がしばしばする……
神奈川県立歴史博物館の石展へ。しぶい!けどかなり力の入った企画でした。
写真は神奈川県立歴史博物館。この建物は旧横浜正金銀行で、こうして通りの奥にふっと見えればすぐそうとわかるんです。
設計したのは日本人だそう。古色もついて、なかなかいい建物ですよね。
くりりんとした青空を背景に梅。もうはやピークのよう。
沈丁花の香りも漂う土曜日は陽射しがぼかぽかとあたたかく。
森のなかまは別の何やらに行くのでみなとみらい駅で下ります。待ち合わせ時間を決めて別行動。私は次の馬車道駅へ。
馬車道駅の構内ではちょっと気になる展示。建築専門学校の生徒さんたちの構想モデルのようです。
眺めてたら、「よかったら気に入ったものの番号を書いてください」と紙を渡されました。
建築なんてよくわからないけどいいのかなと思いつつ、、、
でもみんなよくできてましたよ。作るの大変だったでしょうね。
色んなコンセプトの都市や住宅街のモデルがありました。写真に選んだのは水辺の暮らしのもの。
水運、海運の話にはまってるので。。。
歴史博物館内は原則撮影禁止ですが、エントランスロビーはOKとのことでした。
これは受付近くに飾ってある高村光雲の舞獅子。鬼気迫る迫力!
目力あります。といっても、目の真ん中には穴が空いてるんです。かぶる人が中からのぞけるようにですね。
石展の展示の概要をかいつまむと、神奈川産の色んな石や、古代の石による制作物、石で作られた像や板碑、
石工の道具、ジオパークについての説明、近代建築について、などなど。
ボランティアの解説員の方のお話を聞きながら、興味深く見られました。
神奈川産の石では根府川石や七沢石が有名だそうで、触れる石があったのでさわりました。
グラインダーという道具で磨くと、ほんと驚くぐらいつるっつるになるんですね。
古代の斧の復元模型があって、縄文時代の斧は、刃先になる楕円形の平たい石が木の柄に縄でくくりつけられているんですが、
弥生時代になると、柄に穴を空けて石を通す形になっています。よくできてるなあ。
もっとも金属製の刃ほど鋭いものではないので、木を切るというより、幹をけずっていて倒すという感じだったようです。
その斧を使って倒してみた木の切り株も展示してあって、ビーバーがかじり倒した木みたいでした。
また古代では、槍や鏃の先には黒曜石がよく使われていたようです。
黒曜石というのはガラス質なんだそうで、ピカピカ光ってよく目立ちました。
のちにこれが鉄に変わるわけで、鉄になるとまた大きく時代が変わるというか。
(そういえばアイヌ文化は鉄器文化と言われるぐらいなんだそうですが、
その鉄のほとんどを本州の和人からの輸入に頼っていたそうで、シャクシャインの戦いで松前藩への叛乱が鎮圧された後には、
鉄の輸入を制限されたり鉄の質を悪くされたりして、生命線を握られた形になってしまったそうです。
うーん、こんな風に立ち回られるとたまらんですね。。)
ほか、古代の石で作られた装身具や、調理のための焚き火まわりに置かれた石、木の実などをすりつぶすのに使われた石など。
実際に人手が加わった石、人に使われていた石って、千年以上たってもわかるもんなんだなあとしみじみ。
でも古代の、ていねいに磨きあげられた小さな釣り針を見てたら、
なんか森のなかまのDNAをひしひしと感じるようでちょっとおかしくなってしまい。。。
こういうもんいっしょけんめい磨く人って、大昔からいたんだろなあ。
時代は下って、豊臣秀吉による小田原城攻めのために、たった四十日で作られた石垣の一夜城(一夜じゃないじゃん!)
というのがあったそうなんですが、この城は戦のための砦とか要塞のようなものだそうです。
その頃の砦は土塁と堀によるものがほとんどで、石を使ったものは新しかったそうなんですが、
かなり効果を上げたようで、戦国大名は石工衆を配下に従えることがとても重要になったそうです。
そういえば会津は二本松の霞ヶ城でも、蒲生氏郷だったかな、石垣を組む工人たちを関西の方から連れて来たそうで、
今は天守閣は失われていますが、土台にみごとな石垣が残っていました。
石展を見終わって、待ち合わせ時間にはまだ少しあったので、常設展の方を回ります。
これが思ってたよりも見応えがあって、近代の方は時間に追われて駆け足になってしまいました。
そういえば常設展は見たことなかったっけ。。。
埴輪や土器って、時々見るとほんとに面白いですね。
つぼの形も色々で、縄文時代にはすでにかなりしっかりした形の注ぎ口のものがあったり、
埴輪の顔に点々と穴が開いてるのはなんだろうと思ったら、縄文時代の人たちの入れ墨だったり。
弥生時代の人たちは入れ墨は入れなかったそうです。
首飾り耳飾りなどの装身具は、装飾が主な目的というより、呪術的な目的とか、
首長とか長老とか巫女とかの身分を表すものだったんでしょうか。
仏像が結構充実していて、鎌倉のお寺から借りてきた立派なものがありました。
円覚寺の舎利殿の原寸復元模型の一角があってビックリ!鎌倉彫っぽい装飾がほどこされた縁台も。
また、思わずほおーと見入ってしまったのが、小田原城のひな形。
ひな形は修復時などに大工さんが作るものだそうですが、現存しているものは少ないようです。
大きさは一メートル強四方ぐらいあったかな、、、瓦屋根まで全部木で組んであって、本当によく出来ていました。
ちなみに小田原城の主は北条氏で、あれ?北条氏って鎌倉時代の終わりとともに滅亡したんじゃなかったっけ?と思ったら、
戦国時代の北条氏は遠い親戚にはあたるもののほとんど無関係で、区別するために後北条氏と呼ぶそうです。
(この後北条氏も先ほど書いた小田原城攻めで、豊臣秀吉に滅ぼされてしまうわけですが。。
国破れて山河あり。鎌倉滅んで鳩サブレーあり。)
北条早雲が有名な宗主。北条早雲て、かっこいい名前の歴史上の人物ベスト3に入ると思うんですがどうでしょう。
あくまで個人的な趣味ですが、他には後醍醐天皇とか坂本龍馬とか名前かっこいいですよね。
あと、真葛焼の展示もよかったです。真葛焼の経緯ってちょっと変わってまして、
明治期にヨーロッパへの輸出用に作られたものなんだそうで、またこれが実際に向こうで受けたそうです。
なるほど見てみると、かなり大きくて精緻な立体浮き彫りがほどこされていたりとデコラティブで、
当時のヨーロッパの東洋趣味みたいなのが反映されているような気がしました。
狙って当てるっていうのはかなり難しいと思うんですけれど、そういうことに炯眼な人がいたんですね。
というわけで、かなり力の入っている石展に加えて、常設展の方も堪能しました。
神奈川県といえば、鎌倉幕府と小田原城と、東海道は箱根宿に関所、近代には横浜開港と、
歴史博物館にもけっこう見どころありますね。
あ、こうした展示の仕上げのお楽しみが、関連書籍の販売です。
過去の展示の図録や、関連ありそうな本が売っていて、これを見るのが最近は楽しみになりました。
昨日は「火山列島の思想」という本を見つけて買ってみました。面白く読めるだろか、これ。
最近あちこちで噴火したりしてますし、なんか気になって。しかし講談社学術文庫にはお世話になりますなあ。
こういう本を文庫で出してくれるのってほんとにありがたいなあと思うこの頃です。
森のなかまと待ち合わせて、お腹も空いたしがっつりしたものが食べたいねーとワールドポーターのLASTでお食事。
ボリューム満点のテキサスBBQバーガー、1380円なり。おいしいんです。ハラペーニョもあるよう。
石もお肉もたっぷりと満喫した週末でありました。お腹いっぱいだ、ふうー。
神奈川県立歴史博物館の石展へ。しぶい!けどかなり力の入った企画でした。
写真は神奈川県立歴史博物館。この建物は旧横浜正金銀行で、こうして通りの奥にふっと見えればすぐそうとわかるんです。
設計したのは日本人だそう。古色もついて、なかなかいい建物ですよね。
くりりんとした青空を背景に梅。もうはやピークのよう。
沈丁花の香りも漂う土曜日は陽射しがぼかぽかとあたたかく。
森のなかまは別の何やらに行くのでみなとみらい駅で下ります。待ち合わせ時間を決めて別行動。私は次の馬車道駅へ。
馬車道駅の構内ではちょっと気になる展示。建築専門学校の生徒さんたちの構想モデルのようです。
眺めてたら、「よかったら気に入ったものの番号を書いてください」と紙を渡されました。
建築なんてよくわからないけどいいのかなと思いつつ、、、
でもみんなよくできてましたよ。作るの大変だったでしょうね。
色んなコンセプトの都市や住宅街のモデルがありました。写真に選んだのは水辺の暮らしのもの。
水運、海運の話にはまってるので。。。
歴史博物館内は原則撮影禁止ですが、エントランスロビーはOKとのことでした。
これは受付近くに飾ってある高村光雲の舞獅子。鬼気迫る迫力!
目力あります。といっても、目の真ん中には穴が空いてるんです。かぶる人が中からのぞけるようにですね。
石展の展示の概要をかいつまむと、神奈川産の色んな石や、古代の石による制作物、石で作られた像や板碑、
石工の道具、ジオパークについての説明、近代建築について、などなど。
ボランティアの解説員の方のお話を聞きながら、興味深く見られました。
神奈川産の石では根府川石や七沢石が有名だそうで、触れる石があったのでさわりました。
グラインダーという道具で磨くと、ほんと驚くぐらいつるっつるになるんですね。
古代の斧の復元模型があって、縄文時代の斧は、刃先になる楕円形の平たい石が木の柄に縄でくくりつけられているんですが、
弥生時代になると、柄に穴を空けて石を通す形になっています。よくできてるなあ。
もっとも金属製の刃ほど鋭いものではないので、木を切るというより、幹をけずっていて倒すという感じだったようです。
その斧を使って倒してみた木の切り株も展示してあって、ビーバーがかじり倒した木みたいでした。
また古代では、槍や鏃の先には黒曜石がよく使われていたようです。
黒曜石というのはガラス質なんだそうで、ピカピカ光ってよく目立ちました。
のちにこれが鉄に変わるわけで、鉄になるとまた大きく時代が変わるというか。
(そういえばアイヌ文化は鉄器文化と言われるぐらいなんだそうですが、
その鉄のほとんどを本州の和人からの輸入に頼っていたそうで、シャクシャインの戦いで松前藩への叛乱が鎮圧された後には、
鉄の輸入を制限されたり鉄の質を悪くされたりして、生命線を握られた形になってしまったそうです。
うーん、こんな風に立ち回られるとたまらんですね。。)
ほか、古代の石で作られた装身具や、調理のための焚き火まわりに置かれた石、木の実などをすりつぶすのに使われた石など。
実際に人手が加わった石、人に使われていた石って、千年以上たってもわかるもんなんだなあとしみじみ。
でも古代の、ていねいに磨きあげられた小さな釣り針を見てたら、
なんか森のなかまのDNAをひしひしと感じるようでちょっとおかしくなってしまい。。。
こういうもんいっしょけんめい磨く人って、大昔からいたんだろなあ。
時代は下って、豊臣秀吉による小田原城攻めのために、たった四十日で作られた石垣の一夜城(一夜じゃないじゃん!)
というのがあったそうなんですが、この城は戦のための砦とか要塞のようなものだそうです。
その頃の砦は土塁と堀によるものがほとんどで、石を使ったものは新しかったそうなんですが、
かなり効果を上げたようで、戦国大名は石工衆を配下に従えることがとても重要になったそうです。
そういえば会津は二本松の霞ヶ城でも、蒲生氏郷だったかな、石垣を組む工人たちを関西の方から連れて来たそうで、
今は天守閣は失われていますが、土台にみごとな石垣が残っていました。
石展を見終わって、待ち合わせ時間にはまだ少しあったので、常設展の方を回ります。
これが思ってたよりも見応えがあって、近代の方は時間に追われて駆け足になってしまいました。
そういえば常設展は見たことなかったっけ。。。
埴輪や土器って、時々見るとほんとに面白いですね。
つぼの形も色々で、縄文時代にはすでにかなりしっかりした形の注ぎ口のものがあったり、
埴輪の顔に点々と穴が開いてるのはなんだろうと思ったら、縄文時代の人たちの入れ墨だったり。
弥生時代の人たちは入れ墨は入れなかったそうです。
首飾り耳飾りなどの装身具は、装飾が主な目的というより、呪術的な目的とか、
首長とか長老とか巫女とかの身分を表すものだったんでしょうか。
仏像が結構充実していて、鎌倉のお寺から借りてきた立派なものがありました。
円覚寺の舎利殿の原寸復元模型の一角があってビックリ!鎌倉彫っぽい装飾がほどこされた縁台も。
また、思わずほおーと見入ってしまったのが、小田原城のひな形。
ひな形は修復時などに大工さんが作るものだそうですが、現存しているものは少ないようです。
大きさは一メートル強四方ぐらいあったかな、、、瓦屋根まで全部木で組んであって、本当によく出来ていました。
ちなみに小田原城の主は北条氏で、あれ?北条氏って鎌倉時代の終わりとともに滅亡したんじゃなかったっけ?と思ったら、
戦国時代の北条氏は遠い親戚にはあたるもののほとんど無関係で、区別するために後北条氏と呼ぶそうです。
(この後北条氏も先ほど書いた小田原城攻めで、豊臣秀吉に滅ぼされてしまうわけですが。。
国破れて山河あり。鎌倉滅んで鳩サブレーあり。)
北条早雲が有名な宗主。北条早雲て、かっこいい名前の歴史上の人物ベスト3に入ると思うんですがどうでしょう。
あくまで個人的な趣味ですが、他には後醍醐天皇とか坂本龍馬とか名前かっこいいですよね。
あと、真葛焼の展示もよかったです。真葛焼の経緯ってちょっと変わってまして、
明治期にヨーロッパへの輸出用に作られたものなんだそうで、またこれが実際に向こうで受けたそうです。
なるほど見てみると、かなり大きくて精緻な立体浮き彫りがほどこされていたりとデコラティブで、
当時のヨーロッパの東洋趣味みたいなのが反映されているような気がしました。
狙って当てるっていうのはかなり難しいと思うんですけれど、そういうことに炯眼な人がいたんですね。
というわけで、かなり力の入っている石展に加えて、常設展の方も堪能しました。
神奈川県といえば、鎌倉幕府と小田原城と、東海道は箱根宿に関所、近代には横浜開港と、
歴史博物館にもけっこう見どころありますね。
あ、こうした展示の仕上げのお楽しみが、関連書籍の販売です。
過去の展示の図録や、関連ありそうな本が売っていて、これを見るのが最近は楽しみになりました。
昨日は「火山列島の思想」という本を見つけて買ってみました。面白く読めるだろか、これ。
最近あちこちで噴火したりしてますし、なんか気になって。しかし講談社学術文庫にはお世話になりますなあ。
こういう本を文庫で出してくれるのってほんとにありがたいなあと思うこの頃です。
森のなかまと待ち合わせて、お腹も空いたしがっつりしたものが食べたいねーとワールドポーターのLASTでお食事。
ボリューム満点のテキサスBBQバーガー、1380円なり。おいしいんです。ハラペーニョもあるよう。
石もお肉もたっぷりと満喫した週末でありました。お腹いっぱいだ、ふうー。