神保町の東方書店で入手した写真のシルクロード歴史地図。こんなよいものがあるんです。
今はこの地図と「地球の歩き方・西安 敦煌 ウルムチ」を参照しながら、井上靖の「私の西域紀行」を読んでます。
NHKのシルクロードの本も欲しかったんだけど、五冊分冊ぐらいなので、まとめて買える所がAmazon古書でも見当たらず思案中。
多分写真がすごくいいはずなんですよね。
「地球の歩き方」は写真はあまり大きくないけど、都市情報とか見どころとか大体網羅されてるのでありがたい。
でもホテルの紹介や具体的なガイドがのってるので見てると行きたくなるのが困る。。。
井上靖の小説は一冊も読んだことないんですが、西域が舞台の小説をいっぱい書いていて、
書いていた当時は現地に行ったことがなかったので想像で書くほかなかったそうなんですが、足を踏み入れた数少ない先人たち、
スヴェンやヘディンらの探検家、また日本の大谷探検隊も、道中どんな感じだったかほとんど記録に残しておらず、
参考にならなかったそうです。探検家っていうのはとにかく目的地にたどり着くことが一番だから、
途中の景色がどうとかなんて眼中になく、そうじゃなきゃ探険なんかできないんだみたいなこと書いててなるほどなあと思いました。
それを意識してか井上靖の紀行文は、景色や都市、村の雰囲気など、恬淡とていねいに書いてくれてて楽しめます。
なんでも日本人は西域に弱いんだそうで、えっ、でもそれ日本人だけじゃないだろと思うんですがどうだろう。
たしかに私もはまったけど、なんでだろうなあと自分でも思うんですが、まずあの風景。
年間降水量十何ミリという乾燥した砂漠に隣接するのは、森林限界を軽々と越える天山山脈や崑崙山脈ら6000メートル級の山々。
草木一本見当たらない苛酷を絵に描いたような景色には、なぜか強く心魅かれますよね。。
車で町から遺跡へ移動する時に、延々連なる砂丘に視界をさえぎられて気が狂いそうな感じがし、
そこを越えたら越えたで真っ平らな大平原にまっすぐな道が果てなく続き、これはこれで「死」が頭に浮かぶだろうと書いていて、
どれだけネガティブな土地かと思うけれど、そういう直接的な極限が目に見える土地って、人を魅きつけるのかも知れませんね。
それにしても、砂漠の川が伏流する場所では川沿いの道が湿地帯のようになっているので、
車が泥にはまるので次々乗り捨て乗り継いで行ったという話もすごい。。。
ていうか次々乗り継げる車があったのって中国政府の全面的なバックアップがあったからのようで、
NHKの例のシルクロード番組の撮影班とかも同行してたようなんですが、小さな村へ行っても歓待されたそうで、
こんな友好的な時期があったのかとちょっと驚きます。角栄さんあたりのあれなんでしょうか。
ちなみに草木一本なくなる手前の荒れ地には駱駝草という草が生えているそうで、画像検索するとわかるんですけど、
トゲが生えてるっていうかトゲで構成されたような植物なんですが、なんとラクダだけはこの草食べるそうです。
どうやってこのトゲ草食べるのかと思ったら、口から血を流しながら食べるそうで、力技か!ラクダすごい。。。
ところでどうしてこの極限的な砂漠が古来からオアシス都市として成り立ったかといえば、
天然オアシスがちょうどいい間隔で存在してたわけでなく、カレーズ(カナート)と呼ばれる灌漑施設を作ってきたからだそうです。
これよくできていて、一定の間隔で井戸を掘って、地下水路でつなぐんだそうで、
そんな高度な土木工事を相当古くからやってたなんて、すごいですよね。
山脈の雪解け水が豊富で、水源に近い井戸から遠い井戸になるにつれ深く掘り下げるそうです。
だから砂漠なのに水不足知らずで農耕には意外に適してるんだそう。ブドウ、綿、コーリャン、ウリや西瓜など名産らしい。
そういえば、ブドウは西から中国に伝わって豊穣の象徴になったって、古代の鏡展に行った時に説明されてたっけ。
で、またGoogleマップで遊んでいたら、タリム盆地の東(右端)に、
かなり大きなエメラルドグリーンの長方形の施設が砂漠にぽつんとあるのを見つけたんです。
なぜこんな砂漠の真ん中に巨大なプールが……と思ったら「罗布泊镇」と書いてある。。
調べたらこれでロプノールと読むらしく、えっ、それはもしやさまよえる湖とかいうやつ?と調べてみたら、どうも塩田らしいです。
昔タリム盆地は海の底だったんだそうで、それで塩が出るんでしょうか。
巨大プールは硫酸カリウムを含む肥料を製造するプラントということのようです。
これ衛星写真で見るとかなりインパクトあります。長辺20kmですって。こんなん造っちゃうんかい。
ロプノールのwikiによるとこの辺りで核実験とかもやってたらしくて、なんか古代都市楼蘭ロマンと食い合わせ悪いよね。。
タリム盆地の含まれる新疆ウイグル自治区の首府はウルムチだそうで、地球の歩き方見てびっくりしたんですが、
西域は大変な辺境とばかり思ってたら、なんとウルムチは人口285万の大都市なんですね。
日本のニュースとかでよく見る中国の都市っていうと北京と上海ぐらいだけど、
こないだ世界ふれあい街歩きでやってた大連(旧満州)にもすごい高層ビルが建ってたし、
地方都市でもそんなに人口多いのかと絶句しました。怒濤のような発展ぶりでちょっと怖いぐらい。。。
西域はまだ、観光資源として古いものが遺される方針なんじゃないかと思うけど、
地球の歩き方の写真見ると、古跡のすぐ近くに建設中の巨大ビルが写ってたりします。
あと、回教徒が多い地区は古いたたずまいを保ってることが多いようです。きっと牛肉麺てお店がある所だよ。
行ってみたい街を沢山見つけたけれど、天山北路と南路の東の分岐点に当たるトルファンという都市があって、
そこは世界でも有数の、超盆地みたいな所だそうです。
かつては火州と呼ばれていたほどだそうで、火焔山という山もあり、夏は40℃越え。
だけど湿気がないので日陰に入るとわりと快適だそうです。今の日本の夏のが苛酷だなそれ。。。
Googleマップ見ると葡萄沟民俗村とかあって、緑色の短冊地帯はたぶんみんな葡萄畑じゃないかと思います。
歴史を楽しむのに、人を追うとか物を追うとかあるけど、シルクロードの場合は都市を追う、っていう感じがします。
都市を通して歴史を見るんだなあって。超盆地超葡萄都市トルファン。
今はこの地図と「地球の歩き方・西安 敦煌 ウルムチ」を参照しながら、井上靖の「私の西域紀行」を読んでます。
NHKのシルクロードの本も欲しかったんだけど、五冊分冊ぐらいなので、まとめて買える所がAmazon古書でも見当たらず思案中。
多分写真がすごくいいはずなんですよね。
「地球の歩き方」は写真はあまり大きくないけど、都市情報とか見どころとか大体網羅されてるのでありがたい。
でもホテルの紹介や具体的なガイドがのってるので見てると行きたくなるのが困る。。。
井上靖の小説は一冊も読んだことないんですが、西域が舞台の小説をいっぱい書いていて、
書いていた当時は現地に行ったことがなかったので想像で書くほかなかったそうなんですが、足を踏み入れた数少ない先人たち、
スヴェンやヘディンらの探検家、また日本の大谷探検隊も、道中どんな感じだったかほとんど記録に残しておらず、
参考にならなかったそうです。探検家っていうのはとにかく目的地にたどり着くことが一番だから、
途中の景色がどうとかなんて眼中になく、そうじゃなきゃ探険なんかできないんだみたいなこと書いててなるほどなあと思いました。
それを意識してか井上靖の紀行文は、景色や都市、村の雰囲気など、恬淡とていねいに書いてくれてて楽しめます。
なんでも日本人は西域に弱いんだそうで、えっ、でもそれ日本人だけじゃないだろと思うんですがどうだろう。
たしかに私もはまったけど、なんでだろうなあと自分でも思うんですが、まずあの風景。
年間降水量十何ミリという乾燥した砂漠に隣接するのは、森林限界を軽々と越える天山山脈や崑崙山脈ら6000メートル級の山々。
草木一本見当たらない苛酷を絵に描いたような景色には、なぜか強く心魅かれますよね。。
車で町から遺跡へ移動する時に、延々連なる砂丘に視界をさえぎられて気が狂いそうな感じがし、
そこを越えたら越えたで真っ平らな大平原にまっすぐな道が果てなく続き、これはこれで「死」が頭に浮かぶだろうと書いていて、
どれだけネガティブな土地かと思うけれど、そういう直接的な極限が目に見える土地って、人を魅きつけるのかも知れませんね。
それにしても、砂漠の川が伏流する場所では川沿いの道が湿地帯のようになっているので、
車が泥にはまるので次々乗り捨て乗り継いで行ったという話もすごい。。。
ていうか次々乗り継げる車があったのって中国政府の全面的なバックアップがあったからのようで、
NHKの例のシルクロード番組の撮影班とかも同行してたようなんですが、小さな村へ行っても歓待されたそうで、
こんな友好的な時期があったのかとちょっと驚きます。角栄さんあたりのあれなんでしょうか。
ちなみに草木一本なくなる手前の荒れ地には駱駝草という草が生えているそうで、画像検索するとわかるんですけど、
トゲが生えてるっていうかトゲで構成されたような植物なんですが、なんとラクダだけはこの草食べるそうです。
どうやってこのトゲ草食べるのかと思ったら、口から血を流しながら食べるそうで、力技か!ラクダすごい。。。
ところでどうしてこの極限的な砂漠が古来からオアシス都市として成り立ったかといえば、
天然オアシスがちょうどいい間隔で存在してたわけでなく、カレーズ(カナート)と呼ばれる灌漑施設を作ってきたからだそうです。
これよくできていて、一定の間隔で井戸を掘って、地下水路でつなぐんだそうで、
そんな高度な土木工事を相当古くからやってたなんて、すごいですよね。
山脈の雪解け水が豊富で、水源に近い井戸から遠い井戸になるにつれ深く掘り下げるそうです。
だから砂漠なのに水不足知らずで農耕には意外に適してるんだそう。ブドウ、綿、コーリャン、ウリや西瓜など名産らしい。
そういえば、ブドウは西から中国に伝わって豊穣の象徴になったって、古代の鏡展に行った時に説明されてたっけ。
で、またGoogleマップで遊んでいたら、タリム盆地の東(右端)に、
かなり大きなエメラルドグリーンの長方形の施設が砂漠にぽつんとあるのを見つけたんです。
なぜこんな砂漠の真ん中に巨大なプールが……と思ったら「罗布泊镇」と書いてある。。
調べたらこれでロプノールと読むらしく、えっ、それはもしやさまよえる湖とかいうやつ?と調べてみたら、どうも塩田らしいです。
昔タリム盆地は海の底だったんだそうで、それで塩が出るんでしょうか。
巨大プールは硫酸カリウムを含む肥料を製造するプラントということのようです。
これ衛星写真で見るとかなりインパクトあります。長辺20kmですって。こんなん造っちゃうんかい。
ロプノールのwikiによるとこの辺りで核実験とかもやってたらしくて、なんか古代都市楼蘭ロマンと食い合わせ悪いよね。。
タリム盆地の含まれる新疆ウイグル自治区の首府はウルムチだそうで、地球の歩き方見てびっくりしたんですが、
西域は大変な辺境とばかり思ってたら、なんとウルムチは人口285万の大都市なんですね。
日本のニュースとかでよく見る中国の都市っていうと北京と上海ぐらいだけど、
こないだ世界ふれあい街歩きでやってた大連(旧満州)にもすごい高層ビルが建ってたし、
地方都市でもそんなに人口多いのかと絶句しました。怒濤のような発展ぶりでちょっと怖いぐらい。。。
西域はまだ、観光資源として古いものが遺される方針なんじゃないかと思うけど、
地球の歩き方の写真見ると、古跡のすぐ近くに建設中の巨大ビルが写ってたりします。
あと、回教徒が多い地区は古いたたずまいを保ってることが多いようです。きっと牛肉麺てお店がある所だよ。
行ってみたい街を沢山見つけたけれど、天山北路と南路の東の分岐点に当たるトルファンという都市があって、
そこは世界でも有数の、超盆地みたいな所だそうです。
かつては火州と呼ばれていたほどだそうで、火焔山という山もあり、夏は40℃越え。
だけど湿気がないので日陰に入るとわりと快適だそうです。今の日本の夏のが苛酷だなそれ。。。
Googleマップ見ると葡萄沟民俗村とかあって、緑色の短冊地帯はたぶんみんな葡萄畑じゃないかと思います。
歴史を楽しむのに、人を追うとか物を追うとかあるけど、シルクロードの場合は都市を追う、っていう感じがします。
都市を通して歴史を見るんだなあって。超盆地超葡萄都市トルファン。