goo blog サービス終了のお知らせ 

水瓶

ファンタジーや日々のこと

クリスマスイブの人形たち

2016-12-25 12:46:45 | 横浜人形の家
うおおう………。。。

昨日ははからずもクリスマスイブ土曜日のお散歩となりました。
森のなかまがどうしても見たいという人形作家清水真理さんの展示が始まったということで、
おそらく今年最後の横浜人形の家に行って来ました。インパクト強すぎた。。。


こちらはプレセピオのコーナー。プレセピオとは

イタリアをはじめヨーロッパではクリスマスの時期、教会や各家庭でキリスト生誕の場面を再現したジオラマ模型を飾る風習があります。この模型をプレセピオといいます。プレセピオは飼葉桶(かいばおけ)という意味で、ベツレヘムの馬小屋で幼子イエス・キリストが生まれ、飼葉桶を揺りかごの代わりにしたという聖書のお話から、この模型のこともプレセピオと呼ぶようになりました。

だそうです。写真は本場イタリアのプレセピオ。とてもよくできてるんですよ。




聖ニクラウスことサンタクロースのおじさんです。ユーラシア遊牧民風だ・・!
プレゼントのラッピングだけやたら現代風だけども。

wikiによると、4世紀頃の東ローマ帝国・小アジアのミラの司教だったとあるので、あながち間違ってない。。かな?


清水真理さんの人形展なんですが、本当にすごかった。。。
入口すぐそばの展示室だったので最初に見たんですが、その後ほかの人形をよく見る気力がなくなっていました。
以前から1コーナーあったのでこの方の人形は知っていたんですが、実を言うと私はあんまり好きなタイプの人形ではなく、
どっちかっていうと苦手だったんですが、森のなかまがいたく気に入っていて、
今回も展示が始まってすぐにでも見たいというので、つき合って行った感じでした。

会場にずらっと並ぶこのお人形さんたちは、実物大と感じさせるほど大きく、圧巻。。。
展示室ではお人形さんワールドで完全アウェー状態。
で、やっぱり私の好みではないんだけれど、すばらしいものだっていうのはすごくよくわかる。。
ここまで来ると、好き嫌いとか超えちゃうところがあるんだろなあ。。
気づけば夢中になって、たくさん写真を撮っていました。
そういえばカメラのフレームを通して対象を見てると、好き嫌いの感情がうしろに引く感じありますね。
あとで、清水真理さんのお人形さんたちだけでの記事上げるつもりです。

瞳が、もちろん人形の、造り物の目なんですけど、すごく哀しいんですよね。。
ほんとに悲しんでる人間の瞳よりも哀しく見えてしまうのはなぜなんだろう。

この妖しくも美しいお人形さんたちにご興味がありましたら、ぜひとも横浜人形の家の展示場へ来てみて下さい。
森のなかまは会期中にもう一回ぐらい来てみたいそうです。うん、まー、つき合ってやってもいいぞ。


人形の家を見たあとは、山手西洋館のある通りをお散歩。
写真はフェリス女学院近くの階段からの眺め。空気が澄んでたので、富士山が顔をのぞかせています。

しかしこの辺りはたしかにデートスポットではあるんですが、いつにもまして若いカップルが多い……!!
ふだんもたしかにカップルいるけど、そういえば年齢層がもっと上で、夫婦っぽいカップルが多かったんだな。
こんなに潜在力があったのか。。。まるで今日だけバブルの頃がよみがえったようだ。

バブルの頃の、クリスマスイブを彼氏彼女とすごさなければ人にあらず的なプレッシャーは本当にすごくて多分今の比ではなく、
クリスマスイブに彼氏彼女と一緒にすごさない者は、石を投げられたり犬をけしかけられたり、
火事や葬式の時に手伝いに来てもらえなかったりしたんです。ほんとだぞ。

ちなみに一応こちらも年季の入ったカップルではありますが、森のなかまはよくわからない節で

男〜だったら〜〜〜フェリス〜〜〜♪
男の〜憧れ〜〜〜フェリス〜〜〜♪
フェリス〜〜〜じょがくいーーーん♪


と歌っていました。ほんとうにバカだな。


冬の風物詩。片っ方だけ落ちてた手袋を、誰かがそっと目につく所に置いてくれている絵。枯葉つき。
回収率が知りたいところです。


石川町近くの中村川。






冬の黄昏どきは、なにか切なくていいですね。
このあと焼き鳥屋でたらふくレバーとかモツ煮込みとか食べました。げふー。

こころ旅の秋の旅も終わり、イブの夜も明け、一瞬にして迎春ムードに切り替わる年末。
今年もあともうちょっとですね。

Kawaiiこけし展・横浜人形の家

2016-10-30 18:22:48 | 横浜人形の家
かわいいでしょう?宮城県白石市の弥次郎地区に住んでいた木地職人の人たちが作り始めたこけしちゃんです。

週の中ほどは半袖でもよかったかな?と思うぐらい暑かったのに、週末にかけては冬に駆け足。
お天気はよくないけど、くしゃみ鼻水との戦いをようやく終えたのでおさんぽに。
あちこちでハロウィンの仮装した人たちを見かけるようになりましたね。


ちょっと珍しいこの写真は、受付後ろの企画室でやっていた「人工クラゲと人形たちの対話」という展示です。
そういえばしばらく前にスカイツリーのすみだ水族館に行った時、人少なめなクラゲの水槽の前で、
若い女の子が一人じっくり眺めてる光景をけっこう見かけたのを思い出しました。



さて入口を通るとどんと大きなドールハウス!細かい所までこれでもかというぐらいに作り込まれていました。
M・R・ジェイムズにアンティークのドールハウスを取り上げた怪奇小説があって、
いったいどんなものかと思っていたんですが、なるほどこんな感じだったのかな。



常設展から特別展の展示室に行く途中に小コーナーができて、そこでちょっとしたプチ特集をやるようになったようです。
これがなかなか面白くて。今回はレンチドール。以下はディスプレイにあった説明書きです。

レンチドールは1919年イタリアの北部トリノに誕生しました。
創始者、エレナ・スカビーニは自分自身の人形を製作するために夫と共に会社を立ち上げました。
社名は彼女の創作目標『Ludus Est Nobis Constanter Industria』の頭文字『LENCI』から来ています。


イタリア語わかりませんのであしからず。写真はレンチドールのハーレクイン。
ハーレクインはイタリア喜劇由来の道化師だそうで、クリスティの変わり種小説にこれを扱ったのがあって、
「クィン氏の事件簿」という恋愛話をメインに持って来た小説でした。
シューマンの謝肉祭のパンタロンとコロンビーヌというのもハーレクインの系統にあるんじゃないかな?
よく外国の小説で、仮装パーティの扮装で出て来るんですよね。


レンチドールの娘たち。ちょっと他の人形では見かけないような表情をしていて、不思議な雰囲気をかもし出しています。


レンチドールの子どもたち。・・・かわいいけど、表情がかわいくないでしょう。
でもこれが、レンチドールの子どもたちの特徴なんだそうです。

1918年、エレナは当時流行したスペイン風邪で長女を亡くし、その悲しみを癒すため作り始めたのが人形でした。
レンチドールの子どもの顔立ちや表情はこの長女がモデルになっているともいわれています。
また17世紀の彫刻家フランソワ・ドゥケスノワの子どもの彫刻など、エレナが影響を受けたモチーフは他にもあると考えられます。


・・・どうして、いわゆる「子どもらしいかわいい」表情にしなかったのかな。


ガラスの外に飾ってあった女の子。肌触りを確かめてみて下さいと書いてあったので、さわってみました。
フェルトの型押しが特徴なんだそうで、やさしいはだざわり。
しかしはまるとやばそうなレンチドールであります。お金も心もうばわれちゃうぜ…!



さて今回の企画展示の「Kawaiiこけし展」。これがまたとてもよかった!!
こちらは現代のこけしたち。色んな作風の作家さんたちがいるんだそうです。


木地職人というと昔は男の人が主だったと思うんですが、今は女性も多いそう。うんうんわかる〜


これなんかちっちゃくて、おもちゃらしさがいっそう際立ってますね。


この子の満面の笑顔が気に入ってしまいました。にーんまり


伝統のこけしたち。地域ごとに分かれた展示になっていました。
こちらは南部、岩手県花巻市や盛岡市あたりのこけしたちです。けずりたてのような白木に塗られた色がきれいですね。


木地山。秋田県湯沢市木地山のこけしたち。地域ごとに表情が少しずつ違うんですね。

こけしといえば温泉地のお土産もの。たしか宮本常一さんの本では、
冬期の農閑期に体を休めるため温泉地に、近在の農家の人たちが集まるので、その人たち向けに売っていたらしいです。
木地職人の本業は器づくり。もともとは山地を移動しながら暮らす人たちだったようです。


宮城県遠刈田新地のこけしたち。パステル色背景の水玉もようにこけしがよく映えてました。さすが見せ方のプロの仕事だよねえ。


山形県肘折温泉のこけしたち。東北地方がふるさとのこけしたち。あー、、温泉行きたくなってきたよ。。。

写真に撮ったのはほんの一部で、他にもまだいっぱいこけしたちがいました。
地域ごとに表情など見ると、ほんとに面白いんですよ。『Kawaiiこけし展』は11月27日まで。



                         



おまけ。



今日でもう終わってしまったようなんですが、イベントで文豪ストレイドッグスというアニメのスタンプラリーの展示があって、
昔の文豪たちをモデルにした、異能力対決バトルするみたいな話で、設定がずいぶん面白いんですね。けっこう若い人が来てた。
で、アメリカ陣にラブクラフトがいたんですが、なかなかカッコよく描かれていて、
これ見たらラブクラフトも喜んだんじゃないでしょうか。

・・・しかしまさか百年後に、世界中で自分の小説がこうももてはやされてるとは思わんだろうて。
なんかあれ、時代を先取りしすぎた人って、結構不遇な生涯送ってるんですよね。。。
ていうかB級あつかいされがちなラブクラフトですが、百年読み続けられてるってすごくない???
能力名:旧支配者。触手のびるらしいです。

「鉄腕アトム ロボットと暮らす未来展」横浜人形の家

2016-08-28 10:30:59 | 横浜人形の家
こーこーろーやーさしーーー♪ラララかーがーくうーの子ーーー♪

昨日は横浜人形の家の「鉄腕アトム ロボットと暮らす未来展」に行って来ました。
人形の家はひな人形展の時に行って以来。常設展などもレイアウト替えしたようで、なかなか新鮮でした。


鉄腕アトムのマンガ原稿やカラー扉絵などが展示されていました。へええ、こういう風に始まったんだ。

鉄腕アトム、よくよく考えてみると、私はテレビアニメほとんど見たことがなく、マンガも読んだことがなかったんですよね。
なつかしのアニメ特集みたいなテレビの特番で一部がよく放映されていて、なじみはあったけど。
手塚治虫のマンガをよく読み出したのは思春期過ぎた頃で、アトムはちょっとお子様向けの感じがしたのかスルーしてたように思います。
森のなかまは学級文庫に置いてあったマンガを読んでいたそうです。たしかにすごくそういうのに適した感じだ・・!


あんまりロボットっぽい外見ではありませんが、こちらもロボットです。名称は「火山対応ロボット開発プロジェクト」。

うーん………もう少しロポットっぽい感じの名前にすればいいのに。。。というか機械とロボットの違いは厳密にはどういうあれなんでしょう。
私のばくぜんとしたイメージだと、ロボットは人形(ひとがた)っぽいというか、いやそれほど人形していなくても、
なんか人格みたいなのがあるような???・・・難しい話になりそうなので今はいいや。。
まあでも私はなんかロボットには「くん」とか「ちゃん」とか「さん」とかつけたくなるのだ。

とにかくこの火山対応ロボット開発プロジェクトくんは少し前の箱根の火山活動の時にも活躍し、
人の立ち入りが困難な地域に行って、火山性ガス濃度センサーの設置と回収を行ったそうです。えらいのう。
火山対応ロボット開発プロジェクトくんはこれ一体きりなので、もしも今どこかで火山活動が活発になって必要とされたら、
人形の家から運ばれて活動することになっているんだそうです。へええー。。


こちらはおしゃべりできるロボット「palro」(パルロ)
案内のおねえさんいわく「今おしゃべりできますよ」とのことで、ちょっとおしゃべりしてきました。
ちょっとうろ覚えですが、以下ぎこちなく始まった会話のすべり出しのやりとり。

「旅行に行ったことはありますか?」
「あります」
「旅行はいいですね。ぼくがおすすめする旅行先、おおしえしましょうか?」
「どこですか?」
「ロシアです!ロシアは五月から九月まで、北海道のような気候で、とても過ごしやすいんですよ」

と、かわいい声でやや意表をつく線をすすめてくるパルロ。ほう。


「あなたに花の名前のニックネームをつけてもいいですか?」
「なんていうの?」
「ガーベラさん」

ほうほう。悪くないぞ、パルロくん。ていうかわれながらちょろいな。。。


そしておもむろに「ふるさと」を熱唱し始めるパルロくん。
サイトを見ると高齢者と会話をする介護用としても考えられているようです。

高齢の方と接する機会も多いので、どういう暮らしぶりだと認知症になりやすいんだろう、なりにくいんだろうって自然と考えるんですが、
まああくまで私のばくぜんとした印象にすぎないんですけれど、言語活動がすごく大事なんじゃないかという気がしてます。
社交的な人が認知症になりにくいと言われるのも、人と会話をすることが多いせいかな、と。
あと、今の高齢世代だと男性に多いんですが、社交的でない、あんまりおしゃべりとか好きでなくて認知症にならない人には、
読書が習慣づいてる人が多いみたいで。
ただ、昔は本をよく読んでいたらしくても、80才をすぎても読書してる人ってすごく少ないんですよね。
まず老眼で目がしんどくなってしまって。
「一日中テレビばっかり見てるのもよくない」ともよく言われるけれど、たしかにテレビは会話の当事者ではなく、
第三者的に眺めるものだから、より能動的にせざるをえない人との会話や読書よりは言語活動としての効果は下がるかも知れないけど、
もしかなりの高齢になっても、テレビに出てる人が言っていることが大体理解できて、
何らかの情緒的な反応(笑ったり怒ったり、喜んだり悲しんだり)ができたら、大したもんなんだと思うようになりました。
テレビはついてて画面の方を見てても、実はほとんど番組見てない人って、けっこういるように思います。ぼーっとしてるっていうか。。
とりあえずテレビをつける習慣はあるので電源入れるけど、音がないのもさびしいから、という感じのようで、
ざわめきみたいな感じにとらえてるんだろうか。。

そんな風に思うので、実際の肉体的な介護負担を減らしてくれるパワースーツとかと同じように、
パルロくんのような会話してくれるロボットって、単にさびしさの解消だけにとどまらず、すごく大事なんだと思うようになりました。
認知症のあるなしで、介護負担が何倍も違って来るし。。
それも同じパターンでなく、ちゃんと相手に合わせて話題を選べたり、会話を続けることができたら、すばらしいことです。
・・・ていうかそれは人間だって難しいしな。。。ああ、人間ってなんてめんどくさいんだろ。
そんなにもめんどくさいから、ロボットもこんなに進化しなきゃいけないんだぞ。ふーんふーん



というわけで、ようやく本当に目覚め始めたかのように思えるアトムの後継者たち。
こころやさしい科学の子にはもっと普及して欲しいなと思ったしだいです。

しかし五分ほど会話しただけなのに、すっかり情が湧いてしまいました。かわいいんですよ、パルロくん。。
ちなみにお値段こんな感じ。・・・う〜ん、欲しい。。。

色んな国から

2016-03-25 19:00:00 | 横浜人形の家
カラフルな衣装にとぼけた表情。オランダ万才と書いてあるこの人形は…?

オランダ万才とは、諏訪神社の祭礼長崎くんちで披露される芸能だそうです。ルーツは比較的新しく、昭和の初め頃。
愛知県は旧三河国の伝統芸能である三河万歳をオランダ風にアレンジしたもので、
「長崎に漂着したオランダ人2人が生計を立てるために『万才』を披露しながら正月を祝って回った」
という筋書きに沿って行われるそうです。変にリアルな。
(サイト左上の動画の冒頭にオランダ万才の映像が見られます。)

先日行きました横浜人形の家、常設展のコーナーから世界の人形たちの写真です。
このオランダ万才の人形は日本の人形のコーナーにあったんですが、こちらで取り上げることにしました。

三河万歳については、網野喜彦さんか宮本常一さんの本で少し触れられていたんですが、
もうちょっと詳しく書かれた本はないかと調べたらあまりなくて、一番上に来たのは岡本綺堂の半七捕物帳にある、
ズバリ「三河万歳」という一篇。三河万歳について結構詳しく書いてあって、なかなか面白かったです。
wikiの才蔵市の記述は、この小説から引用してるんじゃないかな。
岡本綺堂は江戸時代も遠からぬ明治5年生まれ、そういう風俗を実際に肌身で知ってたのかもなあと思います。
読んでて思い出したけど半七捕物帳って、明治になって、隠居している老半七から聞き手が十手時代の話を聞くという、
ちょっと珍しい形を取ってるんですよね。けれんみのない、いぶし銀の本格派だよ!

で、その岡本綺堂の「三河万歳」によると、三河万歳は太夫(万歳ともいう)と才蔵との二人で組んでやる芸能で、
年の暮れに家々を祝福して回っていたようです。三河国は家康の出身地ということで江戸でも受けがよく、
太夫はわざわざ三河国から江戸まで来るんですが、相方の才蔵は太夫が期間内だけ雇うため、
日本橋の四日市で才蔵市という市が行われていたそうです。万才の相方探しの市場!
理由はわからないけど、才蔵候補は安房房総から来ることが多かったようです。太夫も才蔵も、普段は農民なんですね。
上等だと武家屋敷を回ったりしたそうで、そうすると結構な実入りにもなったんでしょうか。

ちなみにこうした門付(かどづけ)の人々が回る家々を旦那場といって、誰がどの家を回るか決まっていて、
門付をやめる時には、後継の人に旦那場の権利みたいなものを売ったそうです。ショバとかなわばりみたいな?
今の万才とは大分違うようですが、年の暮れや年始にやっていたというなごりは今もありますね。
たとえば染之助染太郎とかが昔の万才に近かったのかな。。この人たちを見かけるのはお笑い芸人の中でも、
お正月に特化していたように思います。いつもより多めに回しております!


このカナダのバンクーバーのお人形は横浜人形の家の入口近く、横浜の姉妹都市の人形たちのコーナーにあります。
以下その都市の人形たちをいくつかご紹介。


同じく横浜の姉妹都市、インドはムンバイの人形です。古い呼び方ではボンベイ。
そういえばボンベイ・サファイアってお酒があるんですよね。名前のとおり、サファイアブルーの瓶がとてもきれいです。


こちらはウクライナのオデッサの人形。


フランスのリヨンの人形。フランス人形のイメージとは違って庶民風ですね。大道芸の人とかかしら。。。

上に上げた都市のほか、アメリカのサンディエゴ、フィリピンのマニラ、中国の上海、ルーマニアのコンスタンツァの、
全部で八都市が横浜の姉妹都市だそうです。いっぱいいるね~
よく耳にするけど姉妹都市って実のところどういうものなのかと思って調べたら、こういう感じらしいです。ふうん。。

〈追記〉:
「リヨン 人形」と打ったら「リヨン 人形劇」と出て来まして、
どうやら写真の人形はリヨンの人形劇ギニョールのようです。
リヨンは絹織物で栄えた土地で、歯の治療薬を売るための客集めに始めて人気になった人形劇に由来するようです。
フランス版ガマの油売り?コマーシャルの元祖みたいなものでしょうか。
たぶん写真左が織物職工のギニョールで、右は酔っぱらいのニャフロン。
そう、なんかこの酔っぱらったみたいに顔が赤くてヒゲの青い、妙にリアリティのあるおっさん顔を見ている内に、
この人形にはなにかしら面白い背景があるに違いないと思ったのです。いい名前だなあ、ニャフロン。

そういえば前に、昔イギリスで人気だったパンチとジュディという人形劇についてちょこっと書いたんですが、
動画で探したらあったので見てみたんです………が、正直、あんまり面白くなかったんですね。。
時代も違うし、娯楽ズレしてしまってる現代の目には、退屈に感じてしまう内容なんだろうと思います。
でも、パンチとジュディとギニョールに共通しているのは、イタリア由来であること、
観客は庶民で、おそらく見る人の大半は文字が読めなかっただろうこと、風刺的なブラックさを含んでいること、
うっぷんを晴らすような内容であること、などじゃないかと思います。
それにしてもギニョールは、貴族階級を象徴するようなフランス人形と対称的ですね。
背負ってる物語はフランス人形よりも面白いかも。
美しさやかわいらしさを見せようとしたようには思えない人形には、案外こういう背景が隠れてるのかも知れませんね。


グリーンランドのお人形。北欧だと思ってたら、グリーンランドはカナダの北にあるんですね。
世界最大の島で、旧デンマーク植民地で、今はデンマーク王国を構成していて、独自の自治政府あり。。ん???
あ、そうか。世界地図をwikiにあるように見ると、なるほどデンマークとも近いわけだ。
んじゃやっぱり北欧でいいんですな・・・?

そういえば日本で見慣れてる世界地図は日本が中心にあるけど、各国、自国が中心に来る世界地図を採用してるんですよね。
ちょっとずらすだけで、見慣れた世界地図が全然違って見えてくるんだから不思議なもんです。
そういうのを固定観念というのじゃ、たぶん。


アメリカの鳥の人形。小さいんですがカラフルで目を引かれました。マンガみたいでユニーク!


中国の「送君仙子」。横浜に縁のある知人を通じて、胡錦濤前主席から人形の家に寄贈されたものだそうです。
こりゃまた大物来ましたね。。米の粉を材料に使った、しん粉細工製の人形だそうです。
調べてみたら、「送君」は見送るとか別れのような意味、「仙子」は仙女というような意味らしいんですが。。
ガラス瓶の中の精巧に作られた小さな人形で、私はなんかこういうモチーフ好きなんですよね。
スノードームとかボトルシップとか、閉じられた小世界とでもいいますか。

・・・にしても東アジアには「米粒に字を書きたがる文化」みたいな所があると思うんですがどうでしょう。こまけいの。


キルギスのお人形。説明書きにもあるように、兼高かおるさんから寄贈されたものだそうです。
そうそう、「鐘高かおる世界の旅」って番組ありましたね。あんまり見てなかったけど。。。


モルドバのお人形。モルドバはルーマニアとウクライナに挟まれた東ヨーロッパの内陸国だそうです。
世界にはまだまだ知らない国がいっぱいあるのう。


スイスのお人形。ヨーロッパ各国の人形って、顔や衣装が似てて区別がつきにくいんですが、地元の人にはわかるんだろか。

子どもの本を読んでいて感じる悲しさの出所ってなんだろなあと考えていたんですが、
絵本だとかの子どものための世界は、登場人物たちがたとえ動物だったとしても、
やはり実際の世界をベースにしたひな形のようなものが多く、けれど読んだ子どもたちが負担なく受け止められるように、
激しい怒りや悲しみ、不安などのネガティブな強い感情を引き起こすような事物が取り除かれているんですよね。
でも年齢が上がるにつれ、そういったネガティブなものも予習のように少しずつひな形の世界に取り入れられていて、
それで子どもの本には、小学校低学年向けとか高学年向けとか、中学生以上とかの記載がされているんじゃないかと思います。
この書き分けもけっこう難しいんだろうなあ。

そんな風に、子ども向けの本をつくっている人がおそらく一番に気をつけてやらなければならないのが、
負の感情の原因を取り除いたり、年齢に適するよう薄める作業で、その辺をやさしいといおうか、悲しいといおうか……。


ラスコーの壁画を思わせるウガンダの人形。うーむ、写実をつきつめてゆくと抽象になるのだ(てきとう。)


南アフリカ。やっぱりアフリカの人形、というかデザイン感覚というか、は、
ヨーロッパともアジアとも全然違う雰囲気なんですよね。



民族衣装を着て、それぞれにかわいい、美しい、ユーモラスな表情を見せる人形たち。
人形を作る過程でも、怒りや悲しみや不安のもとを取り除いてゆく作業が行われているんでしょうね。


      


ついで。小説「三河万歳」の中で半七が上役から、事件の調査を「鮭の頭でも拾う気でやってくれ」と言われるんですが、
これがどういう気持ちなのかいまいちわからない。。。

横浜人形の家・ジャッキーとおさんぽ!くまのがっこうワールド展

2016-03-21 08:34:01 | 横浜人形の家
巨大ダコに襲われ、パニック映画の様相を呈するくまのがっこう一隊。
ぐあああ、、熊の、熊の野生の本能さえ目覚めれば………

カッ・・・(なんか覚醒した音)

おでんの具にしておいしく食ってやるうぅ~~~

・・・いえいえ、「くまのがっこう」は、そーゆうお話ではないんですよね。

横浜人形の家で今やっている「ジャッキーとおさんぽ!くまのがっこう展」の記事です。
くまキャラといえば、くまのプーさんにパディントン、ブーフ、くまもん、その他にもいっぱいいると思いますが、
この「くまのがっこう」のくまの子たちもよく目にするようになりました。
しかしクマって、実物は恐怖の対象ですらあるのに、なんでこんなに人の心を魅きつけるんでしょう??


ぬいぐるみによるディスプレイもよく作られているんです。こちらマリンルックのくまの子。


釣りしてるのかな?絵本の場面を再現したものでしょうか。


チアリーダー・ジャッキーのお人形とポンポンを持って一緒に写真撮影もできるようになってるんですよ。
(・・・人のいない隙をみはからって私もつい。。森のなかまも。)

ジャッキーはくまのがっこう12匹のくまたちの中で一番下級生の、たった一人の女の子なんだそうです。


どういうシーンなんだろう。。帽子をかぶったくまの子が傷心の旅に出る所とか・・?


海賊船長くまの子と、涙をポロポロ流すジャッキー。足下には大きな赤いお魚。いったいどんなドラマが???
うーん、絵本読んでみたくなって来たな。。。


このくまのがっこう球儀がとてもよくできていて、ちゃんとぐるぐる自転して回るんです。
小さな人形たちがまたていねい細やかに作られていまして、こういうのにはほんと弱いんであります。。


くまの子たちががっこうに行く所かな?


おいしそうなごちそうの並んだテーブル。何かのお祝いのようです。


ふんふん、ジャッキーのおたんじょうびパーティーかも知れませんね。


すてんと転んだジャッキーが見上げるこの白い子は、どうもジャッキーの初恋のくま、
しろくまデイビッドくんのようです。しろくまなら氷も雪もお手のものですもんね。


風船気球でどこまで飛べるかな?


・・・ドラクエ4のエンディングを思い出して熱くなる目頭………


過去発売されたぬいぐるみもいっぱい展示されていました。安心のくま属クオリティ!


ずらりと並んだぬいぐるみたちのすみっこで、ぽつんとうつむく風情のこのくまくんに目をひかれてしまいました。
ふん、いいんだもん。すみっこでもさみしくないもん。。。


絵本が置かれていたので、パラパラめくって見ましたが、やさしいふんわりした水彩タッチの絵で、
大人が見ても思わず引き込まれてしまいます。水彩画いいなあ。。安野光雅さんとかもいいですよね。


シリーズでいっぱい出ているようです。この絵本で育った子どもたちも今は多いんでしょうね。

こうして子どもの絵本とかの世界に大人になってから入ってみますと、楽しい!かわいい!だけでなく、
子どもの頃には感じなかったであろう、悲しさみたいのも同時に感じますね。
もう戻れない子ども時代への憧れめいた切なさというのでもなく、
なんなんだろなあ。。このちょっぴりしみるような悲しさ。
ひょっとしたら、こうした子どものための世界をつくっている大人の人たちが抱いている感情なのかも知れません。

普遍的な子どものおともだち、くま。これからもなかよくしていこうね。