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似て非なるもの

2021年05月20日 00時00分05秒 | 緑陰随想

 世の中に似て非なるものや物事は多々あるが、特に断りがなければ、厳密に区別していない。同じものやこととして普通に判断しているが、このことが、時として、問題となる場合も多い。今回、取り上げるのは、ジェネリック薬品についてである。病院の担当医師が発出する処方箋は、通常、処方箋を受け付ける薬局等で購入する。

 

 ジェネリックとは、性質などがある種類全体に共通の、一般的な、属に特有なという形容詞である。医薬品については、先行して開発された後に同種の医薬品が低価格で、販売されている。消費者にとっては、同じものであれば、当然、価格が安い方を求めることになるが、それを見越してか、薬局では購入者の同意がないまま、至極普通にジェネリック薬品を提供している。

ここで問題となるのは、消費者側にも、薬局にも暗黙の了解があるとしていることである。どのような基準で、ジェネリック医薬品が承認されているのであろうか、詳しいことは素人の想像の域を出ないが、当局の承認が得られるまでには、その医薬品が、治験による副作用等の問題をクリアされていると考えているが、果たして先行医薬品と全く同じであるとは考えられないし、最近では、ジェネリック医薬品の製造過程で、睡眠薬成分を誤って混入し、その医薬品を服用した方が、交通事故を引き起こしたという記事が発表されている。この事故原因は、明らかにされているが、製造現場での工程についても、先行医薬品と全く同じ工程であるとは限らない。むしろ、異なっているのが一般的であろう。販売価格が安いだけで、性能や、薬効は同じとは到底思えない。

 

現在、通院している医学大学の付属病院の医師に相談した結果、処方箋以外のジェネリック薬品の使用は積極的には薦めていないとの見解であった。特に手術前には、栄養剤や、トクホの市販の医薬品の服用は控えるように指示されている。薬害や副作用の原因がそれらの市販医薬品とは限らないし、体質や持病等の原因不明な副作用も存在する。従って、手術前においてはできるだけリスクを避けたいとの判断があると認識している。

 

自宅付近の市立病院の周りには、処方箋を扱う薬局が林立している。しかし、立地条件にも左右されるのか、盛況のところとそうでないところとに二分されている。どこも多くの薬剤師を抱えていて、営業がよく続けられているのは不思議でならない。自分は医療費を含め藥価の二割負担であるので、処方箋の金額がさほど負担とは思っていないが、自己負担額が千円であれば健康保険組合からは4千円補填されるので、薬局には5千円の収入となる。もちろん医薬品は卸業者へ卸値を薬局から支払うので、大量に仕入れれば多くの種類を仕入れなくとも、ジェネリック医薬品として出せば良いことになり、薬局としても在庫を抱えることなく商売ができるのである。消費者と薬局双方にメリットがあるが、基は、卸売業者が、処方箋を出す医者への医薬品の売込みである。医者への積極的な商品の宣伝は、結局、利益率の高いジェネリック医薬品ということになる。

 

以上のことは堂々巡りですっきりしないが、喜ばしい政策として、高齢者医療費の国庫負担増や健康保険組合の財政圧迫による解散等が増えるにつれ、高額医療費の見直しや、薬価の引き下げの動きは、ここ数年続いている。医療崩壊という事態を防ぐためにも、さらなる医薬品の引き起こす副作用対策や、国民の医療費軽減に対する配慮が必要となっている。そのため、消費者においても薬価に対する正しい認識を持ち、一方的で強引な薬局の不手際を黙認することなく、また、ジェネリック医薬品の低価格へのメリットだけを追求することなく、正しい医薬品に対する知識を深める努力を期待したい。

 



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