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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

天下り(3回シリーズその3)

2013年08月04日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 こういった人事面の吸収先だけでなく、行政府の主な仕事は、法律を作り、予算を確保するところであり、実際の業務は関係機関が業務処理を行うことになるため、下部機関の育成のためにも、そこへ出向し、適切に指導することは組織の双方にとって重要な意味を持つ。

 しかし、天下りの対象とする一部の上級管理層だけではなく、天下りといわないにしても、同じ省庁からの年次別職員が増えれば、当然、先輩後輩の関係をそのまま天下り先に持ち込むことが想像できる。その結果、上級官庁が持つ許認可制度などを悪用することもあったようで、定年後直ぐに関係組織の役員になることは制限され、違反があれば新聞紙上等で公表される。

 また、随意契約から競争入札への転換、退職金の二重払いなどが問題になる天下りには、年功賃金から実績主義、能力主義、年俸制などに切り替えるなど多くの点で改善されてきているようである。だからといって、天下りが全くなくなるとは考えにくいが、公務員の制度改革を大いに期待したい。

参考: [ 日本大百科全書(小学館) ]
国家公務員が退職後、在職していた府省と関係の深い民間企業や独立行政法人等に再就職すること。国家公務員の昇進管理は将棋の駒(こま)の形にたとえられる。府省庁別に同期入職した幹部候補の、いわゆるキャリア公務員は、おおむね40歳くらいで課長職まで同時昇進するが、その後昇進ポストは狭まり、勧奨退職に応じた者は外部へ出る。外部とは在職していた府省の関係の深い独立行政法人、特殊法人等や民間企業で、これが天下りである。この天下りを繰り返すのが「渡り」であり、再就職先を退職するたびに高額の退職金を受け取ってきたもので、こうした慣行が強い批判にさらされた。
2009年(平成21)に「天下りの根絶」を公約した民主党を中心とする政権が発足、閣議で天下りあっせんを全面禁止することが決定され、退職後管理の一元化等、法整備が進められている。また、天下りの縮小は在職者の滞留となるため、2011年度の国家公務員採用数を削減した(2009年度採用実績数の4割減)。
なお、地方公務員についても同様の問題があるが、対応は自治体に任されている。
[ 執筆者:辻山幸宣 ]

(このシリーズ最終回です)


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