過去に自然災害があった場所は、地域であり、地盤であり、活断層であり、排水や、地質についてはある程度調査が出来ている。幸いなことに、天気予報の精度が上がっていて、地球規模での状況が提示されるため、台風や、風水害、日照り、干ばつ等は予想が付き易くなっている。自然災害では地震と火山噴火が予知不可能であるため、当面、そのつもりで対処せざるを得ないであろう。住居の耐震性は簡単には強化することは難しいが、水屋、本棚、タンス等の固定であれば、簡単に出来る。余り複雑にすると、普段使うのに、面倒とはなる。ガラス類は、水屋から飛び出さないストッパーを付ける等の措置も必要であろう。
自宅の地下に活断層が走っていることが分かれば、転居もやむを得ないと思うが、簡単なことではない。どのように対応するか家族と相談すべき事柄と思う。悩ましい話であるが、海岸に隣接した家屋では、津波の被害があるので、過去に被害があった場所では居住場所としては不適切であり、防潮堤だけでは限界があることも事実であろう。
地震が来れば柱が多い部屋や、机の下などに安全な身を置く場所を確保するが、調理中で火を使っていれば直ぐに火を消し、地震が収まってから行動する。逃げ道も確保しておかなければならない。外の状況も見ないで飛び出るのも良くないが、サッシの扉は開けておいた方がよい。
災害時の避難と支援は、二次災害が起こる可能性、共倒れとなる可能性、自助と共助はついて回る難題である。公助の方は、多くの対応があるが、個人情報の保護との係わりで、難しい状況となっていて、災害時の対応について、それこそ想定問答集を作っておきたい。その意味も含め、整理しておいた方がよい。
共助は人間としての絆や思いやりが被害を広げる恐れがあり、何処かで線引きすることが必要となるであろう。自らの命を大事にすることは当然であるが、自助が不可能な高齢の家族であり、障害者であり、いざというときに近所の状況が分からないと助けられる人までも失うことになりかねない。災害の程度にもよるが、一人でも多くの命を守る算段を考えておかなければならない。(このシリーズ最終回です)
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