裁量労働制については若干触れたが、実労働ではなく、予め想定した労働時間に対し賃金を払う制度であるが、最近の新聞紙上で紹介されていたので紹介することにした。意識調査によると調査の回答があった企業(インターネットによる聞き取り調査で約1000件)の過半数のビジネスマンが導入することに対し反対している。主な理由は自分の都合で働けると評価する反面、労働時間が延びるといった懸念を持っている。
今国会に提出されている労働基準法改正案には、裁量労働制を一定の専門知識を持つ法人向けで、営業職にも対象を広げようとすることが盛り込まれている。営業職の中でも高度な金融技術を使い企業の資金調達を支援する銀行員などの数万人が対象となるようである。
裁量の文字が示すとおり予め想定する成果に対しての評価が、必ずしも十分ではなく、評価の仕方を納得できないとする意見もある。賛成の立場では、勤務時間に拘束されず、仕事の段取りを自分の都合で決められるとし、20代、30代の女性や50代の男性が賛成派である。賛否はほぼ半数同士であり、調査対象者が正規社員か非正規社員かによっても異なる。また、効率に重きを置くのか、労働時間に置くのか、拘束感に置くのか等によって異なるため、調査件数を広げ、インターネット調査ばかりでなく、対面調査や職域も広げることも必要で、推移を見守りたい。
政府においても、長時間労働、働き過ぎ等、内外の批判に対して、改善策等対処を模索しているのであるが、働き方の選択肢は増えたとしても、対象職種が限られている現状から対象職種を広げることへの傾向は、今後も続くと思われる。
今回の法改正では、労働時間だけで賃金を払うのではなく成果に応じて賃金を支払う脱時間制度・労働時間規制適用免除制度(ホワイトカラーイグゼンプション)の新設も含まれている。この制度は我が国では始めて導入する制度であり、現在までに賛否両論があった。対象を限定することになるであろうが、主に事務職に従事する労働層に対し、労働法上の規制を緩和し、適用を免除するため、超過勤務時間の割増賃金を巡る制度変更が可能となる。その趣旨は、一律に時間で成果を評価することが適当でない労働者の勤務時間を自由にし、有能な人材の能力や時間を有効活用するというものである。
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