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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

技術・技能・知識の伝承内容その3

2016年08月05日 00時00分01秒 | 紹介

 一般的な学校制度と並行する職業教育・訓練施設がある。公的な職業人材を育成する機関は文部科学省管轄では工業・商業・農業・水産高校、短大レベルでは高等専門学校(高専といわれる5年制)、各種学校、厚労省管轄では県立高等専門校(学院)、職業能力開発大学校、職業能力開発促進センター等が専門機関として、複線型となっている。学校教育体系は段階的であり、全国に分散している。一部私学が行っているが、就職先である企業との連携は、インターンシップ(単位として、期間を限定して企業等へ留学する体験)やデュアル訓練(学校と企業とがサンドイッチされた制度)等が導入されており、それなりの役目を果たしてきたが、業界で独自のカリキュラムを実施している従業員向けの事業内訓練施設は、減少傾向が続いている。

 

 減少の傾向は、運営に多額な費用を必要とすることや、知名度が低く、亜流という存在に思える。人材育成の生涯設計にはそれぞれの教育訓練機関が一長一短であり、総合的なコンサルを行う部署が明確ではなく、コンサルタント、アドバイザー、プランナー等のサポート組織も不明確である。そのため、連続的で継続的な体制の構築が期待されているが、誰が誰に対していつ何をどのように行うかなど具体的な設計すらないのが現状である。

 

 憲法で保障されている職業選択の自由は判断に必要な情報が限られる。変化する環境の中で生涯設計が安定的でない。既定路線を進ませるには多くの面で対応が不十分な面もあり、実際に形成されている労働市場の不安定さは、需要供給状況が多くの因子に左右されるため、情報が限られ、判断が難しいためでもある。

 

 職業教育・訓練は、疑似的な演習や体験を通じて、職業に就く基礎的な内容を習得する準備段階といえるが、変革が激しい時代では、固定的なテクニックや技術内容だけでは意味をなさないため、指導内容についても現状に合わせた改編が付きまとう。このことは常に後手に回りやすい。最先端の技術(知識集約型業種)は多くの雇用者を必要としないし、労働集約型業種では非正規雇用等の不安定な雇用を生んでいる。知識集約型では、情報・通信技術に集約され、この変革についていけない人材の情報格差(情報ディバイド)の問題も浮上している。

 

 明治時代以降、学歴社会を形成してきたわが国では、就職を前面に出した学校教育制度が、歴史的な経験や蓄積が短いことも原因しているせいか、早期からの学習過程に組み入れてはいたが、意識の面で十分機能してこなかったといえそうである。この傾向は現在でも続いており、大学・大学院進学が進み、就職する年齢も高年齢化しているといえる。

 



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