何でも100円で商品を販売する100円ショップも大手デパートや商店街の衰退に大いに影響を与えている。果たして100円で利益が出るのであろうか?廉価多売は商売の鉄則でもある。100円ショップを覗くと、驚くことが多い。それはどう見ても100円では作れない商品に遭遇したときである。安いという心理が働き、さほど必要のないものまで購入した経験がある。その結果、数千円の出費となる。多くの消費者が、利用しているが、商品を選ぶ目は、やりくり上手な消費者のバイタリティを感じる。
安く仕入れる必要から、中には、倒産寸前の生産工場や、在庫を抱え、処分に困っている問屋等の商品を買いたたき、法外な値段で一括買い取りをする専門業者が居るようで、そこを経由した商品が出回る可能性もある。唯安いばかりではない、裏には熾烈な生き残り競争が行われているという。何とも切ない話になったが、100円ショップが流行る背景には、こうしてみると、現実の厳しさが浮き上がってくる。
中小都市で商店街の活況が消失し、シャッターが閉まり、ゴーストタウン化した店舗の話題はニュースにならないほど多い。商店街近くに大きなスーパーマーケットが出来、客の流れが変わり、客足が極端に遠ざかり、閉店に追い込まれる。価格競争に負けたことによるが、経営者の高齢化による後継者問題、商店街の老朽化による経費負担が増え、アーケードなどの安全性が求められる水準に達せず、耐震化への対策もままならなくなっている。そもそも商店街と称していても、櫛の歯が欠けていくように閉店する店舗が増えれば、商店街の機能を逸し、共倒れとなる。
扱う商品を変え、繁華街へ店舗を移動すればよいなどと申し上げても、そう容易くできる提案ではない。商売を経験したことがないものが何を言っても意味をなさないが、時代の変化を読むことの大切さは、どのような業種にも当てはまることで、ニーズの変化には敏感でなくてはならない。特に高齢化した地域では、消費者が抱くニーズをどのようにしてくみ取って、商売へ繋げていくかが鍵となる。
たとえば、郊外の居住地から商店街などの繁華街に行く場合に、足の確保がまず優先される。銀行取引、日用品の買い出し、病院の診察、等高齢者の生活パターンを知って店舗作りを変えていかないとニーズに応えることにはならない。(次回へ続きます)
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