ブログ「かわやん」

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金曜インタビュー「ヒバクシャとボクの旅」を撮った映画監督国本隆史さんに聞く ①

2010年10月15日 11時53分58秒 | Weblog
8月の釜が崎の夏祭りでの上映会で国本隆史監督の「ヒバクシャとボクの旅」というビデオ作品を見た。被爆体験をどう継承するのかという問題を見据えた秀作だ。今年29歳の若手の映画監督に話を聞いた(このインタビューは7回にわたり掲載されますので、隔週ではなく毎週掲載します)

映像とのかかわりはいつからでしょうか。
国本 東京の大学時代からです。専攻は社会調査論でして、ビデオを持って、フィールドワークへよく出かけていました。指導教官が、長崎の被爆者の生活史調査を30年以上続けている方で、長崎に行って、被爆された方のお話を伺う機会もありました。卒業論文では、ビデオ作品をつけて提出しました。そのとき作ったのは、2002年のワールドカップの日韓のサポーターの比較研究で、新宿区大久保や韓国へ行き、応援に参加する日本人、在日コリアン、韓国人のサポーターにインタビューをし、30分の映像にまとめたものです。僕が通っていた大学では、映像作品での卒論は初めてでしたが、指導教授が「映像で提出してもいいのでは」といってくださりました。

―大学卒業後はどうなるのでしょうか。
国本 大学卒業後はサラリーマンをしていました。しかし映画づくりに興味をもち続け、働きながら、映像を使って日中交流をすすめる「東京視点」というグループに参加し、映像制作の勉強をしておりました。それから、2008年9月から2009年1月までの4か月間、広島、長崎の被爆者の方々ら103人が地球一周する船に乗りながら、世界に証言を届けるプロジェクトがあると聞きました。このプロジェクトは、国際交流NGOピースボートが企画したものですが、この話を聞いたときに、「参加しなければならない」と思いました。そのときは「地球一周できる」という思いと、「長崎で被爆者の話を聞いたのに、自分は何も応答していない」という思いがあったんだと思います。そしてプロジェクトに同行しながら、「ヒバクシャとボクの旅」をつくりました。完成したのは2010年4月になります。長崎、広島、山口、兵庫、大阪、京都、横浜、東京、オーストラリアなどの各地で上映会を企画していただき、これまで15回以上実施しております。

―その「ヒバクシャとボクの旅」はどれくらいビデオを回されたのですか。
国本 250時間です。100名近くのヒバクシャの方々や、20カ国の訪問先で出会った人々、若者たちにインタビューをして、それを64分にまとめました。「被爆者の表現をどう継承するか」というテーマを追求し、ピースボートの船の中での証言、アジアから回ってヨーロッパにぬけて、中南米、南米、オセアニアなどの20か国で交流など記録しました。タヒチでのフランスの核実験のため被爆した人の証言も撮影しましたが、作品には収録されていません。いろいろな交流や証言があり、何を軸にして映像を構成するか、迷いまして、編集作業は1年近くかかりました。最終的には、被爆証言を聞いた自分たちはどうしたらいいのか、という問いを軸にまとめました。ですから、この映画はヒバクシャのストーリーではなく、被爆証言を受け取る者たちのストーリーにしたかった訳です。

※ 「ヒバクシャとボクの旅」上映会
非核の政府を求める兵庫の会 市民学集会
日時: 12月17日(金)18:30〜20:30
会場: 神戸市勤労会館404
お問い合わせは、事務局 電話 078-393-1833
e-mail shin-ok@doc-net.or.jpまで

「ヒバクシャとボクの旅」「フラッシュオブホープ」
2枚組DVD販売中
お問い合わせは、ピースボート事務局
http://ameblo.jp/hibakushaglobal/
映画の連絡先 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-1-B1
Tel:03-3363-7561/Fax:03-3363-7562
料金¥3000(上映権付き¥30000)

「ヒバクシャとボクの旅」予告編
http://www.youtube.com/watch?v=NBIZ4cTYS5o
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