甲斐伸枝作「雑草のくらし」を読んで
照る日曇る日 第2053回
比叡山の麓の畑を借りて、観察を続けながら雑草と呼ばれる植物の生態をなまなましく描破しつくした5年間の記録です。
最初の春に顔を出したメヒシバとエノコログサがその後姿を消し、オオアレチノギクやセイタカアワダチソウ、ツクシ、カラスノエンドウ、ヒメジョオン、クズ、ヤブガラシの全盛時代を経て、5年目の春に復活する姿を眺めていると、つい私たちニンゲン世界の栄枯盛衰に、思いが及んでしまうのです。
「やれやれ」とあらゆる矛盾を呑みこめばすべてが無かったことになってしまう 蝶人