照る日曇る日 第1365回
老王ダビデは歳をとってこの上なく美しい娘アビシャグを得たが、もう性交する力は残ってはいなかった。愛する次男アブシャロムを喪って傷心のダビデの王座を狙ったのは3男のアドニヤを退けようと老王はソロモンを後継者に選ぶ。ところがぬあんとまあアドニアは妃アビシャグを呉れと父に求めたために殺され、アゴニアに加勢したヨアブも粛清され、ここにソロモン王の地位は安泰となった。
神から見込まれただけあって、ソロモンは知恵があり、実子を争う2人の女の争いに見事な大岡裁きを見せ、テイルスの王ヒラムの協力を得て豪華絢爛な神殿、宮殿を建設し、すべての王国を支配したので、シェバの女王がその栄華を絶賛している。
ところが万事快調に慢心したソロモンは、700人の王妃と300人の側室を従え、主が戒めた多くの外国人の女を愛したので、神は激怒して広大無比な王国の分裂を図る仕儀に立ち至った。一見お利口者のはずのソロモンはとんでもない馬鹿だったのである。
「列王記上」の後半は支離滅裂たんでばらばらに解体され、わずかに残されたイスラエルとユダの両王国を舞台とする王たちの権力争闘とその頻繁な交代の記録であり、それを天空から冷ややかに眺める神の横顔は怒りと悲しみに満ちている。
「ササキよう、パンツを履けよ、パンツを!」と活入れたるはヨシダツカサ 蝶人