片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

トヨタ、東北で本格生産を始める⑤

2012-12-21 19:33:09 | トヨタ

今日は、トヨタの東北進出についての最後の章です。

宮城県知事の村井嘉浩さん、大衡村長の跡部昌洋さん、
トヨタ自動車東日本社長の白根武史さん、
トヨタ副社長の新美篤志さんが出席して、
12月13日、宮城県庁において、
「災害時における支援協力に関する協定」の締結式
が行われました。

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トヨタの東北初のエンジン工場稼働について
書いてきましたが、
宮城県、大衡村(おおひらむら)との災害協定の
締結の内容をよくみると、トヨタが東北に根を下ろす
覚悟を示しているのがよくわかるんですね。
協定の内容は、
①災害発生後の人命救助、
②一時避難場所の提供、
③食糧、飲料水、生活物資、復旧の用に供する車両の提供、

④物資等保管場所の提供、
⑤災害関連情報の提供
です。

トヨタ東日本大衡工場には、2012年2月、
定格出力7800キロワットのコジェネレーションガスエンジン
発電機が導入され、稼働を開始しています。
災害による停電時には、大衡工場で発電した電気を
近隣地域に提供するというのです。
企業の地域貢献には、さまざまな形がありますが、
災害時の電力供給は、企業から地域への
何よりの貢献といっていいでしょう。
こうした内容の協定は、初めてのことではないでしょうか。

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トヨタはなぜ、地域における電力融通に踏み込んだのか。
その理由について、白根さんは、次のように語りました。
「災害時の情報遮断は、初期活動の弊害になることを
今回の震災で実感しました。
工場に自家発電機をもち、地域に電力を融通すれば、
復興の拠点になれるということもあります」

それから、トヨタは、大衡村に
企業内訓練学校「トヨタ東日本学園」を設立し、
2013年4月から東北地方の工業学校新卒者を対象に、
1年間の技能教育を行い、
モノづくりの中核人材を育成する計画です。
その「トヨタ東日本学園」は、コジェネレーション発電、
太陽光発電のほか、非常時に電源として活用できる
給電機能付きプラグインハイブリッド車が配備されます。
したがって、災害時も停電することがありません。
ですから、災害時には衛星電話や携帯電話の充電ステーション、
情報モニターを設置して、地域の情報受発信拠点として
活用できるという話です。

トヨタが特定の県と災害協定を結ぶのは初めてです。

それから、民間企業が地域の物資の保管場所を提供するのも、
これまでに例がありませんわね。
私が、トヨタが一企業の枠を超えて、地域に根付づく
覚悟をしているといっているのは、これらの事実からです。
「地域との連携は、災害に強いモノづくりのために
避けては通れません。トヨタには、“いい車をつくる”
という使命があります。それは、トヨタだけで達成
できるものではありません。中部地域で同様の
取り組みを推進するための手本としたい」
と、新美さんは語りました。
また、トヨタ社長の豊田章男さんは、
今年7月に仙台市で開かれた
トヨタ自動車東日本の発足式典において、
次のように語りました。
「モノづくりを通じて、地域の人たちといっしょになって
東北の未来をつくりたい」


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1 コメント

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大島がリーダーになってからAKBはそういうグル... (シャネル コピー)
2012-12-24 04:12:21
大島がリーダーになってからAKBはそういうグループの色眼鏡で見られてる
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