風の宝石箱

日々想うことを感じたまま 大切にしまっておきたい

橋のない川 (住井 すゑ)

2007年04月17日 | 映画・本・歌
この本にであったのは20代半ばの頃。
正直言って、この本を読むまでは「問題」など知りもせず・・・。
ニュースなどで耳にする「」という言葉にさえ鈍感で無関心でした。
学校の授業では「士農工商」としか習ってないし。
勉強嫌いだったので絶対とは言えないが、「士農工商」その他のことは教わっていないと思う。

この本をインターネットで検索すると次のような説明が書かれていました。

『明治時代後期の奈良県のある被差別(小森)が舞台となっている。
ほとんど全編を通じて差別の理不尽さ並びに陰湿さが書かれている。最終的には京都市・岡崎で行われた宣言をもって締めとしている。』

私がこの本を愛読書とするのは、
登場人物の「孝二君」の生き方にあります。
勤勉で孝行者で利発、芯の強さ、人を許す寛容さ。

彼の行き方は7巻を通して、人生の「応援歌」のように私の心に響きます。
理不尽な差別・偏見にあっても、それを時代のせいにせず
「けっして諦めない!」。

初恋の相手 まちえさんからの手紙に「長生きせよ」と言うことが書かれてきます。
今は、差別ゆえ親しくすることも出来ないけれど、いつの日にか差別もなくなり普通の暮らしが出来るようになるまで。という思いが込められた手紙。
この手紙にも「諦めない」という気持ちが伝わってきます。

残念なことに著者の住井すゑさんが亡くなられてしまったので、続き8巻目を読むことができません。
もっともっと長く生きて、書きつづけて欲しかったと思います。

そして未だに、差別がなされていることを悲しく思います。









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