みなさまご無沙汰してます。
14期生の小野田直人です。
夏の暑さもようやく峠を越え、朝晩は少し過ごしやすくなってきましたね。
今日は、ワシントン・ポストが行った実験から、最高の商品・サービスを提供しても、提供の仕方次第では、集客できない。
という話です。
ジーンズに長袖Tシャツに野球帽という格好の白人男性が、地下鉄の入り口付近でバイオリンを演奏しました。
その男性がバイオリンを演奏した43分間の通行人は1,097人。
チップを置いていったのは28人、立ち止まって聞いたのはたった7人でした。
このバイオリニストは、実は世界屈指の著名なバイオリニスト、ジュシュア・ベル。
しかも、演奏に使用したバイオリンは、あの名器ストラディヴァリウスでした。
この1713年製のバイオリンは5億円で購入したもので、時価では10億円の値が付くこともあるそうです!!
そんな楽器も演奏家もまさに超一流。でも立ち止まって聞いたのはたった7人!
チップの合計額はたったの30ドルちょっとだったそうです。
100ドルを超えるチケットを買わないと聴けない演奏が、場所と告知が悪いだけで、たった30ドルしか集められないとは・・・
ワシントンポストはこの
動画を公開しています。
https://goo.gl/Q6dxgp
そう思って聞くからか、なんとも良い音色のような・・・
わたしなら、時間があれば立ち止まりますよ。きっと・・・たぶん。
立ち止まるか、過ぎ去るか?
その基準はバイオリンのうまい下手ではなく、通行人の事情なんですね。
・クラシックに興味が無い人は通過
・立ち止まっている時間が無い人は通過
時間帯も場所も、1月12日金曜日の朝7:51開始というラッシュアワーのア地下鉄入り口ですから、
まあ、ワシントンポストも結果ありきで実験したんでしょうね。
演奏した曲目もあえて、クラシックの名曲を選択している点も、通行人の興味を引かなかった原因でしょう。
・クラシックに興味が無い人は通過 → (曲がクラシックの曲でしたから)
・立ち止まっている時間が無い人は通過 → (時間がラッシュアワーですから)
たとえどんなに「それ自体の本来の価値が高い商品・サービス」でも、「ターゲットと違う」お客さんにとっては、逆に「朝の忙しいときの地下鉄のミュージシャン」と同じ程度の価値しかもたらさないんだ、ということがわかりますね。
良いものを作っているのに売れないお店は、それを欲しがるユーザーに届いていないのかもしれませんね。
ちなみに、この実験の数年後、地下鉄駅で事前に告知した上で行われた
演奏会は、こんなに盛況だったそうです。
https://goo.gl/QP24hk
長文お付き合い頂き、ありがとうございました。