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コロナ禍で考える医薬品と医療機器の現状

2021-03-27 12:00:00 | 20期生のブログリレー

 こんにちは、20期生の岡田です。
 今回のブログは、最近気づいた医薬品や医療機器の現状に関して触れたいと思います。

 コロナ禍で医薬品や医療機器に関する注目が高くなりました。例えば、昨年の今頃はマスク不足に悩まされ、中国からの輸入に頼っていたリスクが顕在化しました。そして、ワクチン開発も世界各国で行われましたが、結果として海外企業からの輸入や、受託して生産するといった報道が見られます。このように、日本における医薬品や医療機器の製造や開発は、かなり輸入に頼っていることに気づきました。

 実際、医薬品を見ると、厚生労働省が発表した「平成30年薬事工業生産動態統計年報統計表 第12表」に記載してある輸入品は2,405品目、3,148百万円であるのに対し、輸出品は1,533品目、189百万円となっています。つまり、大幅な輸入超過です。同様に医療機器を見ると、「同統計表 第23表」に記載してある輸入品は63,494品目、1,620百万円であるのに対し、輸出品は49,901品目、668百万円となっています。日本はものづくりや精密機械に強みがあるように思っていましたが、医療機器ですら輸入超過です。

 医療機器といっても、多種多様です。医療で使われるマスクや手袋も医療機器ですし、注射器や手術用カテーテルという身体に直接触れるのも医療機器ですし、CTやMRIなどの検査機器も医療機器と分類され、前述の輸出入に算入されます。日本企業は検査機器に強そうに思えますが、平成30年3月に経産省などが発表した「医療機器開発のあり方に関する検討委員会報告書」によると、CTやMRIなどが含まれる診断機器のメーカー別世界シェアは主要日系企業合計で約15%しかありません。人工関節やカテーテルなどが含まれる治療機器のメーカー別世界シェアの主要日系企業合計はなんと約4%です。これらを踏まえて、国としても日本の医薬品や医療機器の開発を促進させようという動きがあります。

 医薬品は主に大手製薬企業が中心になっていますが、医療機器については中小企業の活躍がなされています。ちょっとした作業や安全の改善のための機器であるとか、金属や樹脂の精密加工による機器の改良などは、医師と中小企業との連携により行われている例が報告されています。しかし、医療機器分野への参入は安全性や許認可のリスクもあり参入障壁となりやすい印象です。最近は中小企業基盤整備機構などでも説明会や情報開示を行っています。

 医療機器分野は幅広く、中小企業の活躍の場も多く存在すると思います。積極的に支援できるほど詳しくはないですが、日本の産業強化と中小企業の利益率向上の一挙両得となる手助けができるようになれたらいいと最近考えています。


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