稼プロ24期の小山です。
7月26日(土)の稼プロの第二回講義にて、皆様の前で3分間プレゼンをさせて頂きました。反省すること頻りですが、気づきと学びが多くありましたので、今回は私の3分間プレゼンの振り返りを共有させて頂きながら、今後の成長につなげて行きたいと思います。
1. 用意していた内容/原稿
大学時代から私が継続して学んできた社会心理学(メディア論)、歴史学、科学哲学の観点から、「客観的な事実は存在しない」「物事を見ることは自分を見ること」を主題として、皆様に共有したいと考えました。それを、①報道、②歴史、③科学の3つの観点から説明し、このような視点をもつことで「社会の分断」を克服する、、、という流れで説明したいと思いました。原稿は当初1500文字程度になってしまったので、600字程度まで削ろうと原稿改定を繰り返し、削り切れず830文字に落ち着かせて用意した原稿は以下の通りです。
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皆さん、世界のいたるところで、分断が進んでいるように感じませんか?例えば米国総選挙をめぐる社会の分断はなぜ起こり、それをどのように克服すべきなのか?
今日は、そのヒントとなる考え方として、「客観的な事実は存在しないこと」、「物事を見ることは自分を見ることに他ならないこと」について、3つ観点から説明したいと思います。
まずは報道です。メディアの報道は報道側の意図や姿勢が色濃く反映されます。例えば、アメリカの大手メディアの多くは民主党寄りで、トランプに対する強烈な批判キャンペーンを続けています。写真を使った露骨な印象操作も常套手段です。逆にトランプ寄りのメディアは民主党への批判キャンペーンを行います。メディアによって報道姿勢が異なり、視聴者は自分の考えに近いメディアを選ぶので、ますます分断が進むのです。
次に歴史です。多くの国において、歴史教育の目的は、愛国心の醸成です。例えば、中国では、欧米列強に騙され転落した「屈辱の歴史」と、「悪の日本軍」を倒した「共産党の英雄伝」が、歴史の中心テーマです。こうして育まれた歴史観は、そのまま、中国人のアイデンティティとなっています。
最後に科学です。科学こそ、客観的事実の積み重ね、、、ではなく、実は宗教的世界観や思い込みが近代科学を形作ってきたのです。例えば、ケプラーの第三法則は「惑星の公転周期の2乗は軌道半径の3乗に比例する」というものですが、これは「神は美しい数字の関係で秩序を作る」という信念が生み出したものです。ケプラーにとって惑星の動きとは、神の啓示そのもので、今日のわれわれが見ているものとは異なるものでした。
このように、「事実」とは、我々の「思考の枠組み」、「思い込み」の中で、認識、生成されるものなのです。逆に言えば、物事を見るとは、自分自身を見ることに他ならないのです。分断された社会を克服するためには、この様な視点をもって、謙虚に価値観の違いを受け入れることが必要だと考えます。
ありがとうございました。
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2.実際のスピーチ
しかしながら、実際に稼プロの皆さんの前に立ったスピーチでは、原稿の通りに進めることはできず、以下のような失敗を重ねました。
①イントロ
スピーチの直前に思いついた、「私は心を痛めている」というレトリックを交えたことで、話が迷子になり、時間を浪費するとともに、話を主題に繋げることができなくなりました。
②第二段落「報道」
皆様の反応をみながら、メディアの名前や印象操作の手法等、具体的な説明を加えたことで、想定よりも大幅に時間を消費し、この時点残り1分となり(本来は残り1分45秒の算段でした)、焦ってしまいました。
③第三段落「歴史」
時間がないので、「歴史は愛国心の醸成に使われる」傾向にある、という一言に省略せざるを得ませんでした。
④第四段落「科学」
ここが皆さんの常識を覆す内容でしたので、本来丁寧に落ち着いてゆっくり話すところだったのですが、時間がなく端折ったうえで、早口での説明となってしまいました。聞いている方の理解を得にくい話し方になったと思います。
⑤まとめ
既に3分超過していたため、早口で端折って、結論を適当にまとめてしまいましたので、聞いてる方は消化不良になったのではないかと思います。総じて、準備不足とはいえ、原稿を何度も書き換えるなど相応に時間をかけて臨んだ割に、話したいことの半分も話せずに終わってしまい、残念なスピーチとなりました。
3.反省点
スピーチ後に皆さまからご指摘頂いた点も踏まえ、以下が反省点と考えています。
①テーマの絞り込み
盛り込みすぎました。テーマは「客観的な事実の怪しさ」に留めるべきでした。「物事を見ることは自分を見ることに他ならない」や「分断された社会の克服」については、なぜそうなのか、もう少し丁寧な説明が必要だと思いますが、それは3分間では無謀であったと思います。(これらのテーマについては、今後機会があれば、皆様に共有したいと思います。)
②根拠の絞り込み
内容を思い切って絞りこみ、「報道」「歴史」「科学」のどれか1つの分野に集中すべきでした。何れの分野においても、丁寧に話すならばそれぞれ5分-10分程度は必要となる内容でした。折角書いた内容だから、、、と、断捨離出来ずに3つの分野を強引に盛り込んだのですが、そもそも、3分スピーチ原稿として無理があった、というのが実態だったと思います。
③レトリック/直前の変更
準備せぬまま直前の思い付きで、冒頭の惹きつけワードを加えたのは失敗でした。ここで更に時間を取られ、時間配分と全体の構成に悪影響を与えてしまいました。
④姿勢/目線
ビデオを振り返ると、手が泳いでましたし、目線の動かし方が早く落ち着きがないように見えました。またコースマスター、塾長よりもご指摘頂きましたが、立ち方が不安定で原稿を持ったことで視線が落ちて、背筋も曲がっていました。
⑤声
滑舌が悪く、焦ってくると早口で籠ってしまい、声が伝わっていませんでした。話し方の訓練が必要だと痛感しました。
④と⑤については、録画頂いたビデオを自分で見て愕然としました。これまでずっとこんな感じで話をしていたのか、、、と、穴があったら入りたい気持ちになりました。
4.反省を乗り越えて
今回の3分間スピーチ経験で、上記のごとく様々な反省点=気づきを得ることができました。この経験が無ければ、自分の恥ずかしい癖に気づくことがなかった訳で、今回は本当に良い機会を頂いたと感謝しております。今後も、目を背けることなく、自分の現状に確り向き合って、成長していきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
物事を見ることは、自分を見るということなんですね。より客観的に見るためには、自分の考えを批判的に見てみる必要があると思いました。
私も最初に原稿書いて練習したら7分かかり、削って削って、それでも本番では話の脱線などもあり、波乱万能な3分間だったことを思い出しました。
デイビット・コルプ氏が提唱した経験学習理論でも、内観と振り返りが一番大切だと言っていますね。振り返りを活かした、次の機会でのプレゼンに期待しています!