大阪の安宿

こんにちは！24期生の田村です。

今回は、少し前に泊まった大阪のあいりん地区にあるドヤについて紹介しようと思います。

このドヤというのは簡易宿泊所のことで、大阪のあいりん地区に密集して立地しています。簡易宿泊所という名前のとおり、３畳間程度の狭い部屋に風呂トイレ共同という環境ですが、交通の便が良く1500円程度で宿泊できるため貧乏旅行者にはありがたい場所です。また、清潔な部屋や大浴場、コインランドリー等の設備があるところも多く、学生時代に関空から宮崎に帰る前泊場所として多用していました。

今回、大阪のドヤに泊まることになったのは、友人の結婚式に出席するためです。

結婚式に呼んでくれる友人など片手で数える程しかいませんから、二つ返事で行くことにしたのですが会場は土日の京都です。ご存知のとおり、京都の宿泊場所はインバウンド需要によって高騰中です。この時は、友人との予定等もあって前泊が必須だったのですが週末はどこも混雑しており予約が取りにくい上に、ビジネスホテルでも数万円はしますから馬鹿らしく感じてしまいます。

そこで、発想を切り替えて2泊ほど大阪のドヤに泊まり観光をしてから結婚式に出席することにしました。

高速バスも週末は満杯か、高額なチケットしか残っていないので週末をよけて宿泊費に回す計画です。

ただ、予想外だったのがドヤの値段も高騰していたことでした。

昔、よく利用していたドヤはインバウンド需要を当て込んで改装し、1500円から4000円まで値上がりしています。そこ以外も、そこそこ価格帯が高め（2000円前後）で設備が整っていたところは軒並み値上げです。当然、その他の安く設備の良いドヤの予約はどこも満室でしたが予算もあるので必死に探し、四苦八苦しながらなんとか部屋をおさえました。一泊2000円です。

一昔前なら、結構良い価格ですが諦めます。

移動日に高速バスで大阪につくと昔とはだいぶ変わっていました。

特に、梅田は再開発で見違えるようです。地下街の迷宮のような構造はそのままですが、工事中ばかりだった地上は嘘のように整っており景観については東京以上に完成されていました。

そのまま、御堂筋線で動物園前駅に移動するとすぐにあいりん地区に着きます。予約していたドヤに行ってみると外観は雑居ビルですが、部屋や大浴場も清潔な所で、電子レンジやウォシュレットも完備していました。

大手の予約サイトやアプリでも取り扱っているので安心して泊まれます。

　

（室内の様子です。殺風景ですがテレビや冷蔵庫、布団があり清潔でした。）

完全に観光客をターゲットにした経営方針のようで、エレベーターや階段に日本風の壁紙や装飾が多く宿泊客も外国人バックパッカーや若者が多かった印象です。

この日は夜遅くについたので、玉出というスーパーで総菜と酒類を買って夕食にしました。このスーパーは異様な安さで有名ですが、たいして味は悪くないので学生の時によく利用した思い出のスーパーです。今回は、総菜のおにぎりと何故か100円になっているワンカップを買って道路の反対側にあるホルモン屋さんで持ち帰りのホルモンを買って夕食にしました。

ここら辺のホルモン焼き屋さんはどこも安くて美味しいです。ツマミにも御飯のお供にも最適な一品ですし、東京では滅多にこのレベルのホルモンは食べることが出来ないので大阪では必ず食べることをお勧めします。

翌日、観光がてら周辺をブラブラしていたのですが10年程前と比べ、あいりん地区の異様な雰囲気は減って旅行者による妙な活気がありました。特に、外国人旅行者が増え、日本人の若者も結構います。どうも、近年はYouTubeやSNSにおいて安宿街との情報が国内外に広がっているようです。海外ではバンコクのカオサン通りが安宿街としては有名ですが、外国人バックパッカーにとっては同じような感覚なのかもしれません。

学生の頃は、リーマンショック直後でしたからあいりん地区も日雇い労働者の割合が多く、昭和の頃程ではないにしても活気というか喧噪がある時期でした。しかし、今では旅行者の方が主流となり、ネット予約の導入も進んで日雇い労働者の居場所がなくなっているようです。しかし、高齢化で利用者の減少が続いていたドヤにとっては観光客は救いでしょうから何とも言えない状況ですね。私自身は住居があるとはいえ、日雇い労働やウーバーイーツで生活していた身ですから微妙な心境になります。

あいりん地区はイメージでは怖い場所と認識されていますが、あいりん地区のある西成区も大部分は東京にもあるような普通の街です。また、大阪のど真ん中で交通の便も良く、通天閣や新世界といった有名観光地の至近に位置するので大阪に観光に行かれる際に泊まるのは悪くない選択肢だと思います。

昔は、個人旅行者のブログ等しか情報がないドヤが多かったですが、今は予約サイトで部屋や設備の写真を確認してから泊まれますので興味のある方は是非泊まってみてはいかがでしょうか。