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エクセルでたったの3分! ”ちょー簡単な”経営分析&ビジネスモデル分析!

2011-09-06 16:37:29 | 11期生のブログリレー

みなさんこんにちは。矢本です。

 

さて、今回はまた分析に使えるデータ解析のお話をしてみます。何に使うかというと・・・何と「経営分析」!。

皆さんを前に経営分析を語るのは・・・ちょっと不遜なのですが・・・。

 

先週のプロコン塾で、國貞先生の財務3表分析と亀田先生の執筆企画の話を聴いたので、

小ネタですけどちょっと披露したくて。

 

さて、素材はJリーグ経営にしました。Jリーグの経営データはちゃんと協会のページに出ています。

http://www.j-league.or.jp/aboutj/document/jclub/2010-11/pdf/club2011.pdf

ちなみに2009年のデータはこんな感じで載っています。

 

 

 

 

この表からは、売上高利益率、総資産回転率、売上高人件費率などの指標は計算できます。

 

だから、診断士試験にでるような経営分析は簡単にできちゃう。

 

でも、今日お伝えしたいのは、まずこの業界のビジネスモデルを把握すること。そして各チームの経営分析すること。

この財務データをどう料理するかって言うと、横串分析すればいいんです。

 

ここでいう横串分析とは

「全チームをまとめて、各費用や利益項目がどんな関係にあるのか」の傾向を把握することです。

これが分かるとある程度ビジネスモデルが想像できます。

例えば、「収入が大きいところが利益率も高いなら、固定費型ビジネス」とか。

 

理屈はこの位で、実際ちょっとやってみましょう。

 

まず2009年のデータをエクセルにコピペして、エクセルの相関分析をやってみます。するとこんな感じの相関係数表が出来ます。

初めて分析するときには分析のアドイン操作が必要だけど、それでも3分くらいで表ができちゃいます。

 

 

 

さて、この表が何を言っているかというと、例えば

 

1.人件費(選手とスタッフ)が多いところが順位も良い・・・人件費と順位の相関係数は0.42ある

確かに、選手やスタッフの人件費をかければ、よい選手や監督を雇えるから強くなりますよね。

 

2.収入が大きいところが利益率が高い・・・相関はやや弱いが相関係数は0.47ある

良く調べてみると、Jリーグは試合でスタジアムを借りる費用も固定費だし、練習用のグラウンドも(レンタルでも)固定費。やっぱり固定費が多いビジネスです。

 

ほかにも、収入が大きいところが人件費をかけている(相関係数0.84)などありますが、これはある意味当然ですね。

相関が弱くてもビジネスモデルの特徴の確認が大事です。

  

まとめてみると、Jリーグのビジネスモデルの特徴はこんな感じになりそうです。

収入の大きいチームが、利益率も高く、人件費もかけて順位も高く、人気が出てまた収益も伸びて・・・という傾向がありそうです。本当は何年分かやるほうがよいのですが。

 

 

 

さて、次に経営分析を考えます。

 

業界平均的なビジネスモデルが分かれば、それと比較して各チームを論ずることが可能です。

たとえば、エクセルで人件費と順位の関係の散布図をつくるとこんなことが分かります。

 

 

近似直線より下側が人件費が少ないのに成績が良かったチームです。逆に上に離れるほど投資効果が悪いチームです。

 

ちなみにこの年の順位は、

1鹿島、2川崎F、3G大阪、4広島、5F東京、6浦和、7清水、8新潟、9名古屋、10横浜FM、11磐田、12京都、13大宮、14神戸、15山形、16柏、17大分、18千葉

 

1位鹿島、2位川崎、4位広島は人件費投資効果が良いですね。直線から大きく下に離れた3チームです。

また、15位の山形は少ない人件費だけど妥当な順位です。

逆に13位の大宮、16位以下のチームは、近似直線から大きく離れて、人件費の投資効果が非常に悪い・・・。13位の大宮は監督の戦略が悪いなど、いろいろ言われたチームです。人件費投資効果が悪いチームは改善点(チームの戦術とか、監督の采配とか、けがの多さとか)があるはずです。

 

ちなみに、英国のプレミアリーグの場合は、人件費と順位の相関係数は0.9近くになるそうです。

つまり、選手にお金を払える金持ちチームほど強い事が明確です。おそらく、ヨーロッパはリーグの数も多く選手の流動性も高いので、報酬によって実力ある選手をすぐに補強できるということでしょうが。

 

人件費と順位以外にも、相関関係はいろいろありますから、これらを散布図にすることで、平均的傾向からの優劣分析ができます。

 

この分析のメリットは、普通の経営分析の手法と比べて、ビジネスの特徴的な部分(人件費と順位の効果や規模の経済効果など)の発見と比較ができることにあります。ただし業界の数社のデータがある場合になります。

 

 

今日はデータ解析をちょっと使った経営分析の小ネタでした。

 

こんなコンテンツが役に立ちそうですか? 

ちょっと伺いたかったので記事にしてみました。

・・・内容が弱い?・・・わかりにくい?・・・それとも当たり前?・・・。

コメント (3)
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