ウィーンで学ぶ

---ウィーン医科大学心臓胸部外科
留学日記とその後...---

ウィーンから日本の学会へ

2007年11月22日 | 病院
ウィーン医科大学(MUV)に心臓外科を専門とする教授は10人強いるが、この秋2人が相次いで日本の学会に招聘され講演に行った。

日本で定期的に開催される全国規模の学会には世界的に著名な教授が数名程招聘されることが多い。症例数が多く、治療水準の高い米国の一流施設の先生方が頻繁に招聘されるのは当然といえるが、人口800万人程の小国の1施設(MUV)の当科に、相次いで日本から声がかかっているとは想像もしていなかった。

先週若手のZ教授が自分を見つけるやいなや、頭を下げた。「日本では45度に深々とお辞儀をするのが良い挨拶でしょう?」と。「来週日本に行くから練習しなければ」と冗談交じりで言うのだ。彼も仙台で開催される学会に招聘されていたのだった。彼で3人目となる。

その彼の日本話が面白かった。以前大阪周辺で開催された学会へ講演に行き、そのとき印象に残ったことが沢山あるという。「芸者は若い女性であると想像していたのに、60歳だったよ」、「宴会で何かを食べさせられたが、それが何か今でも分からないよ」、「公衆浴場に入るときのマナーを学んだよ」など、日本人の視点では気づかないことが明らかになる。

さらに「日本のTanuki storyを勉強したよ。ウィーンでも郊外の山にタヌキのような動物がいて、以前彼とすれ違ったんだよ。そのとき自分もタヌキもお互いに相手の存在にビックリして、目と目が合ったよ。そのままお互いに別方向に進んだのだけど、10m程離れたところでふと振り返るとお互いに相手を見ていたんだよ。タヌキがヒト化するという話はウィーンでもあるのだよ」と。意外な話にこちらが驚いてしまう。Tanuki storyって、万国共通なのか?

日本通の彼に今回の滞在でラーメンを試すことを薦めてみた。帰国後に日本の庶民の味の感想を聞いてみたい。彼が日本でタヌキに会わないことを祈る。
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