特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その2・ドリフトしながら単振動する場合の時間の遅れ

2022-08-15 01:38:10 | 日記

「ドリフトしながら単振動する場合の時間の遅れ・相対論」: https://archive.is/5nTue :では振動方向にドリフトした場合を扱いました。

それで次は振動方向と直交する方向にドリフトした場合を扱う事になります。



ドリフトしながら単振動する場合の軌跡のイメージはこんな感じ。

(t,0.9994sin t)の媒介変数表示  0<t<5π 

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=%28t%2C0.9994sin+t%29%E3%81%AE%E5%AA%92%E4%BB%8B%E5%A4%89%E6%95%B0%E8%A1%A8%E7%A4%BA+%E3%80%800%3C%EF%BD%94%3C5%CF%80%E3%80%80

基準慣性系に対してはこのようなサインカーブを描く事になります。



さて媒介変数をxとし、Y軸方向に単振動速度:0.9994Cで振動し、X軸方向に0.001Cでドリフトしている場合を考えます。

sqrt(1- (0.001^2+(0.9994cos x)^2))をxが0から2πまでの範囲で積分

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=%EF%BD%93%EF%BD%91%EF%BD%92%EF%BD%94%281%EF%BC%8D+%280.001%5E2%2B%280.9994cos+x%29%EF%BC%BE%EF%BC%92%29%29%E3%82%92x%E3%81%8C0%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%92%CF%80%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%A7%E7%A9%8D%E5%88%86

答えは4.01019   ですが桁落ちしています。

それで以下の文をウルフラムに入れて

sqrt(1- (0.001^2+(0.9994cos x)^2))

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=%EF%BD%93%EF%BD%91%EF%BD%92%EF%BD%94%281%EF%BC%8D+%280.001%5E2%2B%280.9994cos+x%29%EF%BC%BE%EF%BC%92%29%29

定積分の項を見ると

0~π(パイ)までの積分で

2.00509469309713・・・を得ます。 これを倍にすれば0~2πまでの積分となりますので

桁落ち回避結果:4.01018938619426・・・

となります。



さてY軸方向に単振動速度:0.9994Cで振動し、X軸方向に0.001Cでドリフトしている場合の合成された運動の速さは光速Cを超えていない模様で、このままでも積分は出来ている様です。

しかしながら我々はこの場合は「相対論的な速度の合成が必要である」という事を知っています。

そうではありますが今回の場合は2つの直交する速度を合成しなくてはならず、従来の速度の合成則だけではだめなのです。

しかし世の中は広く、すでにそのような合成則が検討され公開されていました。



特殊相対性理論入門 公開用 第 1 版 : http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~tatekawa.takayuki/Note/SRelativity-v1.pdf :の21ページ、3.6.1 速度の合成 の76式~78式がその答えになります。(注1)

今回の場合はV=0.001CでありVx'=Vz'=0、Vy'=0.9994Cで振動 となります。

従って

Vx=0.001

Vy=(SQRT(1-0.001^2))*0.9994cos x

Vz=0

となります。

ちなみにγ(ガンマ)=1/SQRT(1-0.001^2)です。

それで積分対象はこうなります。

sqrt(1-(0.001^2+((SQRT(1-0.001^2))*0.9994cos x)^2)



sqrt(1- (0.001^2+((sqrt(1-0.001^2))*0.9994cos x)^2))をxが0から2πまでの範囲で積分

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=%EF%BD%93%EF%BD%91%EF%BD%92%EF%BD%94%281%EF%BC%8D+%280.001%5E2%2B%28%28sqrt%281-0.001%5E2%29%29*0.9994cos+x%29%EF%BC%BE%EF%BC%92%29%29%E3%82%92x%E3%81%8C0%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%92%CF%80%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%AF%84%E5%9B%B2%E3%81%A7%E7%A9%8D%E5%88%86

答えは 4.0102

例により桁落ちしています。

桁落ち回避の為、以下の文をウルフラムに入れて

sqrt(1- (0.001^2+((sqrt(1-0.001^2))*0.9994cos x)^2))

https://ja.wolframalpha.com/input/?i=%EF%BD%93%EF%BD%91%EF%BD%92%EF%BD%94%281%EF%BC%8D+%280.001%5E2%2B%28%28sqrt%281-0.001%5E2%29%29*0.9994cos+x%29%EF%BC%BE%EF%BC%92%29%29

定積分の項を見ると

0~π(パイ)までの積分で

2.00509844104252・・・を得ます。 これを倍にすれば0~2πまでの積分となりますので

桁落ち回避結果:4.01019688208504・・・

となります。



以上より、相対論的な加算式を使わない場合は

桁落ち回避結果:4.01018938619426・・・

でしたので、加算式を使う事で時間の遅れが0.99999813・・・程度に抑制されている事が分かります。

(加算式を使った方が時間の遅れが少ない。差分では0.00000749589・・)



注1:上記「特殊相対性理論入門」より引用

但し速度は光速Cで規格化とし、γ=1/SQRT(1-V^2)=1/SQRT(1-0.001^2)とする。

Vx=(V+Vx')/(1+V*Vx') ・・・76式

Vy=Vy'/(γ*(1+V*Vx')) ・・・77式

Vz=Vz'/(γ*(1+V*Vx')) ・・・78式



PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.fo/fagNu