薫るクロニクル。

日常生活で思ったことや、趣味の山歩きの話しなど、思いついたことを綴る記録です。

品質を左右する工程。

2005年12月09日 18時49分49秒 | コラム・エッセイ。
このコラムは浜松百撰の6月号~9月号に記載されたものです。





品質を左右する工程 1

コーヒー生産国でコーヒーの品質を左右するもののひとつに精製工程といわれる工程があります。今回からその精製工程のことを、数回に分けて話したいと考えています。精製工程とは生のコーヒーチェリーから水分値を13%前後程度まで抜くことで発芽させなくし長期保管を可能にさせる工程です。コーヒーチェリーはその名のとおりサクランボのような色と形をし、その種子がコーヒー豆となります。完熟すると糖度は20度を超えるほど甘みのある果肉ですが、その果肉は薄く種子以外の利用はされてないのが現状です。そのかなりの糖度が精製工程上での品質を左右してしまうのです。つづく

品質を左右する工程 2

なぜコーヒーの果肉の糖度が品質に左右するのかというと、生産地の気温が高いため、そのまま放置してしまうと糖度が高いがために発酵が始まり発酵臭という嫌な臭いがコーヒー豆である種子に付いてしまうのです。もちろん良質のコーヒーには雑味はあってはならないので、そのようなダメージのあるコーヒー豆は高値で売買されることはありません。コーヒー豆の品種や生産地域の気候、土壌による品質以外にも、人為的に品質が左右してしまう工程が精製と呼ばれる工程なのです。その精製工程は基本的には「自然乾燥式(ナチュラル)」と「水洗式(ウォッシュド)」の2通りがあるのです。つづく。

品質を左右する工程 3

自然乾燥式(ナチュラル)はその名のとおり、天日により数週間干し自然に乾燥させる昔ながらの精製方法で、特徴は酸味のでかたが柔らかくまろやかであると認識しております。しかしデメリットもあります。自然乾燥式の欠点は、収穫された豆を全てそのまま自然に乾燥させるため未熟豆・死に豆(実が入っていない)・石などの混入物が入りやすいということです。特に未熟豆の混入は味に影響を与えるため、混入率は当然少ないほうが良いのです。その未熟豆をはじめ欠点のある豆を除去するために考えられた精製方法が水洗式(ウォッシュド)という精製方法なのです。つづく。

品質を左右する工程 4

混入物や未熟豆などを水と専用の機械を使うことによって取り除き、品質を向上させる精製行程が水洗式(ウォッシュド)といいます。しかし収穫期は乾期である生産地が多く、雨が降らないので、川や湧き水など豊富な水の資源が必要で、水源を確保できることと専用の機械を設備投資できる産地にてこの水洗式精製法が導入されています。この行程後に天日で数日間乾燥させるのですが、土の上・コンクリート・アスファルト・ドライテーブル(網を張ったネットの上で乾燥)などがあり、それぞれ味に影響をあたえ品質にも左右してくるほど精製とは技術が必要で重要な行程なのです。


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2 コメント

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なるほど。 (ゆみまま)
2005-12-10 05:53:14
細かい工程がよくわかります。

コーヒー豆そのものの味の違いだけでなく、工程のちがいが品質に大きく影響する・・。



後味のすっきり感とか、さわやかな香りは決して偶然の産物ではないんですね。

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ゆみままさん (店主イトウ@管理人)
2005-12-10 21:51:07
理解していただけると、繊細なコーヒーのすばらしさが判っていただけると思います。

なかなかないのですよね、味の輪郭のくっきりとしたピュアなコーヒーというものは。



そういうコーヒーと出会ったときに幸せを感じることができます。
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