中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

地球を救うのは「笑顔」かも知れない・・・

2010-11-03 18:03:20 | 中国
地球を救うのは太陽かも知れない・・・と言ったSHARPのCMをよく見かけたのは2010年、今年の正月だったような気がします。非常に的を得たメッセージだなあと思ったものです。実際、今回の出張で、上海浦東空港に着陸する際、機内から見下ろした浦東の住宅地には、どの家の屋根にもソーラー発電機が設置されていて、カメラのフラッシュがあちこちで焚かれているかのように光っていました。夏は40度以上にもなる上海、太陽を恨む前に、その膨大なエネルギーをもっと早くから活用していれば、地中の油や石を掘り起こし、それを巡って戦争することもなかったかも知れませんね。

日曜日に上海に入り、今日で4日目になります。上海にいるからと言われるかも知れませんが、反日感情や反日運動の気配もまったくないままに、中国は今日も鼓動しています。広州では、自動車の規制をかけると同時に、地下鉄を1日無料にするなど、様々な実験が行われています。不便に感じる人、得をする人、損をする人、色んな意見は13億でなくとも存在するわけですが、それなりのリーダーシップと強権を発動しないと、国の秩序は保てません。会社でさえ、リーダーシップ、トップダウンが必要なのに、国家の責任者が独断で動けないようであれば、国は右往左往するのも自明の理とも言えます。もちろんそのリーダーが優秀であればこそ、また優秀の意味は、本当に国家、人民全体を見て、決断ができるかどうかです。日本も選挙のしがらみだらけ、おらが村を背負った国会議員ではなく、本来、学歴も優秀で、当初は志も高い官僚のトップにこそ、責任と権限を与えて国を運営したほうがいいのでは?と思うことがあります。上司がレスラーや芸能人では、その実力を別のところに使ってしまいたくなるのもわからなくはないです。権限と責任、責任とは国力を上げること!それがシンプルです。

題目と関係のない話で半分以上使ってしまいましたが、言葉も不自由な状態で中国人の方とお付き合いしている中で、何よりも大事なコミュニケーションスキルは、「笑顔」だと思いました。意味もなく笑っている必要はありませんが、第一印象はもちろん、一緒に仕事をしていく上で、適度な笑顔が板についている人は、結局、まわりの人にも笑顔が伝染して、いい職場になるのではないでしょうか?日中異文化以前に、日本人同士でも言えることであり、ましてや外国人同士、笑顔もない人の百の言葉には、誰一人感銘を受けません。

以前にも、「明るいこと」が中国で重要と述べましたが、明るい人は人を照らします。人の上に立つべき人の条件として最も重要なのかも知れません。管理や制圧は暗くて残酷な人にでもできるでしょう。が、本当のマネジメント、リーダーシップを発揮できる人には、険しい表情で仕事をする「背中」と、とびっきりの「笑顔」が重要なのでは・・・たまに、疲れのせいにしてご機嫌斜めで出社をしてしまうわが身を恥じました。ここ中国で、まずは笑顔の質を高めてみたいと思いました。


これからはインドが脚光・・・ちょっとその前に!

2010-11-03 00:03:06 | 中国
日本を発つ前に見たニュースでは、インドとのEPA(経済連携協定)の正式合意の映像が流れていました。12億市場と言われるインドの市場に期待する向きも多い反面、日本の農業政策も関係して、一足飛びに自由貿易とはいかない模様です。そもそも自由貿易になるということは、向こう側の市場にも参入できますが、日本の市場にも安価なものも含めて様々な物品が入ってくるわけで、国際化と言って別に外国に出かけなくても、日本国内にいながら、熾烈な国際競争に巻き込まれる・・・自由とは最大のリスクかも知れません。

また、菅首相は、アメリカにけしかけられたのか、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に前向きとの表明をしていました。シンガポール・ブルネイ・チリ・ニュージーランドの4カ国で発効した経済協定に、オーストラリア・ペルー・アメリカ・ベトナム、さらにはカナダやコロンビアなども参加を要望している経済の枠組みで、あまりにも広すぎる太平洋を囲んだ国々の連携をはかるようです。なんだか地勢学的にとってつけたようなカテゴリーな気がしましたが、中国抜きでいいのかと思いきや、案の定、中国加盟の噂が流れてきたりしました。

いずれの2つのニュースも、日本が中国との関係を悪化させた今日この頃に表舞台に浮上したテーマです。あたかも、問題の多い中国とは付き合わずに、「僕たち日本は、別の世界に目を向けています!」的なPRに感じましたが、さて、そんな悠長な国策で、この国は生き残れるのでしょうか?

まずは、インドです。若年層の多い人口は間違いなく魅力ではありますが、実際には、インフラの不整備、カースト制度の弊害、水・食べ物の問題など、日本企業がそう簡単に切り崩せる市場でもありません。さらに、中国同様に、韓国はじめ世界各国が自由貿易の名の下に虎視眈々と市場を狙っていて、先んじたことで大きなシェアのある日本の自動車メーカーでさえ、市場が拡大する反面、ライバルも台頭が危惧されています。

そもそも、中国はリスクが大きいからと、他の国に逃げたところで、インドにも中国勢が食い込んでいますし、国際都市上海での世界タイトルマッチ的な市場争いは、いずれの国でも繰り広げられるわけです。TPP問題にしても、国内の農政がネックとなって佇んでいる間に、他国に先を越されてしまいます。国の事業計画・・・いつになったら書けるのやら。AKB48の人気投票的な選挙とマスコミ洗脳が存在している限り、日本の未来は暗いです。

私が、ここで焦っても仕方ありませんが、中国で世界のニュースを見ていると、日本は北方領土問題くらいしか取り上げられず、かつて世界を牽引する活躍や開発をしていた頃が懐かしくさえ思います。若い世代に期待する前に、バブル世代の私どもこそ、日本復興のためにできることがあるのではないでしょうか!