中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

『語学力も仕事力』・・・国力と言語の必要性!

2010-11-06 00:25:53 | 中国
最近、大手英会話学校までもが、「語学力より仕事力」などと言い出しています。かねてから、私も同じ言葉をこのブログでも書いていますが、よく読んでいただけるならば、語学力より仕事力が基本、されど必要な語学スキル・・・というメッセージのはずです。単純な不等式でどちらが大事だと断定することではなく、どの国とどのようなビジネスを誰がするかに応じて、最適なバランスがあるはずです。

英語の公用語の話も叫ばれて久しいですが、乱暴な意見としては、語学力より仕事力が大事だ!などと言いながらも、国際化人材に必要な言語は、英語で十分!と言うパターンです。国際化=英語的な発想は、誰しも感じていることかも知れませんが、確かに英語は、別にその言語が優れているわけではなく、体系の整ったラテン語系の言語と比較すれば、海賊のスラングみたいなものだと私は思いますが、大英帝国、それを引き継いだアメリカの世界戦略に組み込まれた社会では、当然、その地位は揺るぎないものになっています。

欧米の植民地政策の勢力争いの結果として、南米のスペイン語、ポルトガル語、アフリカによく見られるようなフランス語、いつぞやはアジアの一部を日本語も席捲していました。GDPの世界ランキングがわかりやすい気がしますが、敗戦後骨抜きになった日本の日本語を除いて、世界第2位、圧倒的な言語人口を誇る中国語は、EUに同化したヨーロッパ言語(フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語など)を凌いで、英語と並び立つ影響力であることは、まともに経済の分析をすればわかることです。

ダイエー創業者、故中内氏の「英語、パソコン、中国語はビジネスマンの三種の神器」とのメッセージは、随分前のブログで触れましたが、20年近く前の預言は、反中感情などを掻き立てている日本のマスコミを除いては、中国語の必要性も世界の常識になっていると思います。これは、英語において絶対的優位に立つアメリカが小学生から中国語を教育していることからも明らかです。私が中国語関係の仕事をしているからではなく、中国ビジネスにおいては、英語も当然のように必要になりますが、まともにビジネスやマネジメントをする上では中国語も必要です。どの国でその母国語が必要か・・・これは世界での政治、経済の国力に比例しています。

ふと、韓国語について考えてみました。日本では、未だにサムスンのテレビは売れませんが、中国も含めて世界市場に出てみると、日系大手企業が束になっても勝てない巨大企業になっています。私自身も、韓国語の必要性など説いたこともありませんが、ふと日韓の国力の差を目の当たりにした時、韓国とビジネスする上で韓国語は欠かせない・・・そんな時代がくることも十分に予測できてしまいました。彼らも英語を話します。英語は絶対的権威ではなく、世界の保険のような位置づけです。そこから先は、国別世界ランキングの優劣によって、仕事力に欠かせない「語学」の必要性が生まれてくるものだと思います。