「経」という漢字の由来 投稿者:普通tの主婦 投稿日:2007-08-31 11:12:04 済という漢字の由来、楽しく読ませてもらいました^^ 先日、子供から経済という言葉について聞かれて困ったことがきっかけで、このHPを探してきました。 「経」と「済」きっと意味のある漢字の由来があるのでは? よろしければ「経」という漢字の由来も是非教えてください。 |
すみません、さきほど「普通tの主婦」さんのコメントに気づきました。「経」については、漢字質問箱バックナンバー:「経営」の語源はなんなのですか? をご覧いただきたいですが、こちらの方にも転載します。「経済」については、現在は「economy」の意味で使用されていますが、そもそもは「経世済民」の略語。国をおさめ、人民の生活を調整する(世の中を調整して人民の生活のでこぼこをなくする)ことですね。
「経営」の語源はなんなのですか? 投稿者:とみとみ 投稿日:2002年 11月21日(木)00時04分36秒
卒論で「経営」に関することを書かねばなりません。
国語辞典(広辞苑など)や漢字辞典で、いろいろ調べたのですが
おおそういうことだったのか!というようなくわしい答えは見つかりませんした。
ですので、下記のこと、よろしければご教授くださいませんでしょうか?
お願い致します。
質問1
「経」の漢字の成り立ちと語源、
「営」の成り立ちと語源は、どうなっているのか?
質問2
かかる言葉が一番最初にでてくる文献は何か?
その文献は,いつ頃、誰によって書かれたものか?
(いくつもの諸説があるようですが・・・ほんとうはどれなのか?)
よろしくお願いします。
Re:「経営」の語源 投稿者:Nothing 投稿日:2002年 11月21日(木)02時10分31秒
まず、「経」ですが・・・
ご存じのとおり、これは
字形としては :「まっすぐにとおった織物のたていと」のこと。
ことばとしては:徑(ケイ)(=径。まっすぐな近道)・莖(ケイ)(=茎。まっすぐなくき)・頸(ケイ)(まっすぐな首)・脛(ケイ)(まっすぐなすね)などと同系。
意味は :
(1)たていと ※ヨコ糸=緯 転じて東西を経・南北を緯という。
(2)時代をたてに貫いて伝わる不変の道理。物事のすじ道。
(3)儒教で、不変のすじ道を説いたとされる書。「経書」「五経」
(4)まっすぐとおりぬける。場所や時間をとおりすぎる。「経過」
(5)おさめる(をさむ)。すじ道やたての線を引く。また、転じて、物事の大すじをたてて処理する。管理する。
「経営」「経之営之=これを経しこれを営す」〔詩経・大雅・霊台〕
つぎに、「営」・・・
字形としては :營の上部は炎が周囲をとり巻くこと。營はそれを音符とし、宮(連なった建物)の略体を加えた字で、周囲をたいまつでとり巻いた陣屋のこと。周囲をぐるりと壁で区切ってとりまき、その中に住むこと。
ことばとしては:埒(エイ)(とり巻く)・螢(ケイ)(=蛍。光の輪がまるくとり巻いたほたる)・榮(=栄。まるくとり巻いて咲く花)などと同系。
意味は :
(1)ぐるりをとり巻いて守った陣屋。「兵営」「営舎」
(2)周囲をとり巻く。▽直線の区画を切るのを経(ケイ)といい、外がわをとり巻く区画をつけるのを営(エイ)という。あわせて、荒地を開拓して畑をくぎるのを「経営」といい、転じて、仕事を切り盛りするのを「経営」という。
(3)いとなむ。仕事を切り盛りする。
(4)「営営」とは、ぐるぐる周囲を巡るさま。また、せっせと働くさま。
<出典>
(a)事業をはかりいとなむこと。「経営四方=四方を経営す」〔詩経・小雅・北山〕
(b)土地をはかって縦線と外わくの線とを引く。転じて、土台をすえて建設すること。〔書経・召誥〕
(c)苦心して仕事につとめること。「経営無太忙=経営太だ忙しきこと無からんや」〔韓愈・調張籍〕 ★韓愈
「経」と「営」(言葉の系譜)より 投稿者:Nothing 投稿日:2002年 11月21日(木)02時40分39秒
紀元前の八世紀、周の国の詩人は祖先文王が「霊台」という祭壇を築いて建国のシンボルとしたことを追想して、
霊台を経始し、これを経しこれを営す。
庶民これをおさめ、日ならずして成る。
と歌っている。土木工事や建築を始めるさい、まず経と営という作業を行ったのである。
経の字の右側は・・・
--- 中略 ---
そこで、タテに伸びた草木のクキを茎といい、タテに張った人体のクビを頸という。屈曲した道路をタテにつなぐ近道は径という。・・・
--- 中略 ---
土木工事や建築にとりかかるさいにも、まずクイを立てて、その間にピンと縄を張り渡し、削る所や掘る部分、支柱の位置などの予定をつける。その作業を経というのである。つまり、工事にかかる前の縄張りの作業である。
営はもと營と書いた。・・・
--- 中略 ---
・・・螢の火も同様で、やはりおしりを丸い光の輪がとり巻いている。木蓮や桐の花が満開となると、白い花の輪が木全体をとり巻くので榮という。ふつうのハナは花・華というが、その木全体を外からとり巻いて、ホタルの光冠のように咲く花は栄というのだ。繁栄の栄(さかえる)はその派生義である。
してみると、營もまた建物の周囲に丸い外枠をめぐらすことだ。だから、大将の幕舎の周囲に垣をめぐらしたのを「陣営」といい、外側をヘイでとり巻いた兵舎を「営舎」というのだ。工事の初めに、外枠に縄を張りめぐらしてクイを打ちこみ、全体の大きさ、規模を定める動作が営である。
経も営も、事業の当初に慎重に要所を定め、規模を予定する作業である。
どちらも、周到な事前の準備のことであって、事が起こってからあわてて手当をすることではない。孫子の兵法にまねて、ドロ縄式の奇策を弄したり、伊賀の忍法を学んで産業スパイを試みるなどは、経営の本旨に反することはなはだしい。
<言葉の系譜・藤堂明保・1964年7月25日発行(絶版)>
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