漢字家族BLOG版(漢字の語源)

漢字に関する話題など。漢字の語源・ワードファミリー。 現在、荘子「内篇」を素読しています。

いわゆる「正しい筆順」について投票中間報告

2007年07月28日 04時42分13秒 | Weblog


漢字を筆記する場合の「正しい筆順」はあると思いますか?
ある(336票)
ない(41票)
(2007年 7月28日 4:39現在)

 筆順(書き順)の強制について -- 漢字家族
 re:「曜」の字形について
 「漢字テストのふしぎ」-- 長野県梓川高等学校放送部

いわゆる「正しい筆順」について(4)

2007年07月16日 13時19分32秒 | Weblog


漢字を筆記する場合の「正しい筆順」はあると思いますか?
ある(193票)
ない(30票)
(2007年 7月16日 11:50現在)

 さて、「タイプライター」が我が物になり欣喜雀躍。家に帰るなり何をもさておいてケースから取り出す。
 (そうだ、従兄弟はわざわざ××駅前まで持参してくれたのだが、いっしょに食事をしたあと、すぐにひっかえしたのだった。忙しかったのだろう。一人っきりでタイプライターとご対面)

 なにしろ初めて見る機械だから、最初は機能を確かめることに熱中。いじくりまわしているうちに、ほとんどの機能を解明した。即座には解明できなかったのは「TABキー」くらいである。このキーの意味はすぐにはわからなかったので、その時はそのままにし、とにかく英文を打ちまくってみる。

 「どうしてABC順に並んでいないんだ?」などとぶつぶついいながらやっていると、何日かやっているうちにキーの配置は覚えてしまうものだ。そうしてタッチがだんだん早くなってくる。

 でも、数日後には物足りなくなってくる。映画の中で、社長秘書かなんかがタイプライターを打つシーンは、ピアニストの演奏する姿のように美しい。あのようにかっこよくスピーディーにやりたい。そのためには、今のようなでたらめな打ち方では限界がある。「もっと早く打つためには、決まった位置に指をおいて構えていた方がいいな」と感じてくる。あのようにかっこよく素早く打つためには、アルファベットと指を対応させて、決まった指で決まったキーをたたいた方がいい。それに、ピアニストもタイピストも、キーや鍵盤を打つときにいちいち目で確認するわけではない。タイプライターに目を落とさずにタイピング(ブラインドタッチ)したい。そこで、あらためて各キーの配列をながめる。

 主要なキーの列は4段。今のPCのキーボードとは異なり、4段のキーの列は階段状になっている。いつも決まった位置に指をおいて、「構え!」のポーズをとるとすると、どの列にすべきか。主要なキーは4段に配列されているから、その真ん中をとるとすると、上から2段目か、下から2段目のいずれかとなる。でもそれはすぐに決まる。いちばん上の段は、数字キーの配列である。数字を打つ頻度はあまり多くないので、下から1段目から3段目のうち、真ん中の2段目にすればよい。もう一つの理由は、上に一段飛び越えてキーを打つのは簡単だけれど、下に一段飛び越えてキーを打つのはかなり難しい。これでどの列に指を置くかという問題はすぐに解決。

 さて、次は左右の位置である。
 5本指を使うと、キーの数と手指を対応させることはできる。しかし、「G」を左手の親指、「H」を右手の親指で打つには相当な無理がある。そこで、親指は一番下にあるながーいキー(スペースバー)を担当させることにした。その構造を見ると、親指でたたくために配置されているであろうことも推測できる。

 そうして、主要キーを分担するのは親指を除く4本指とする。あとは、親指を使わないので、どれかの指にその分を分担させねばならない。分担させるとすれば、いちばん端っこの「小指」か「人差し指」しかない。そのうちのどちらに各列の主要キーの2つ分を分担させるか?これも決めるのは簡単。小指は不器用で短いのに対して、人差し指は長くて器用だ。他の指の2倍の仕事を分担させるのは人差し指にすればよい。(本当は2倍どころではないけれど)

 そのような理由から、真ん中の「G」と「H」の両側に、それぞれ4本指をおいて常時待機させることにし、待機している位置よりも上の段や下の段のキーをたたいたときには、すぐさま常時待機位置までもどることにした。

 このようなやり方でやってみると、予想通り、タイピングスピードはどんどん速くなり、今でいうブラインドタッチも自然にできるようになる。

 こうして、当時中学2年生になったばかりであった私は、自分にとっていちばん都合のよいタイピング方法を見つけていったのである。

 ところが・・・

 最近のPCのマニュアル等では、「正しい指の位置」とか、「正しいホームポジション」などといっている。学校教育でも「正しいホームポジション」が試験問題となったりすると聞く。

 誰が「正しいポジション」などと言い出したのだろうか?本当にお節介な人がいるものだ。
「こういうふうにやると、打ちやすくて便利ですよ」と親切にアドバイスするというのならともかく、「正しいポジション」とは、どんな権限があって決めたのか。「小さな親切、大きなお世話」という言葉が過去に存在したが、試験問題にまで出されては「大きなお世話」などと言っていられない。

 「いきあたりばったりの打ち方をするよりも、もっと合理的なやり方がありますよ」とアドバイスしたとしても、「オレは、このやり方で納得しているんだ」と言う人もいるだろう。それに対して「あなたは間違っている!」という方がどうかしている。横暴すぎるのである。(たとえ、タイプライターが、指の構造を考慮して、そのようなタイピング方法をとることを前提として発明されたものであったとしてもである)

 漢字の筆順や字形の問題にしてもそうだ、字形については、次にふれます。


 筆順(書き順)の強制について -- 漢字家族
 re:「曜」の字形について
 「漢字テストのふしぎ」-- 長野県梓川高等学校放送部

いわゆる「正しい筆順」について(3)

2007年07月15日 05時03分54秒 | Weblog


漢字を筆記する場合の「正しい筆順」はあると思いますか?
ある(181票)
ない(26票)
(2007年 7月15日 4:10現在)


 「タイプライター」を知らない世代が・・・。先日、英語の先生との会話中に、「タイプライター」の話題を出したところ、その先生に怪訝な顔をされてしまった。

  「先生はタイプライターを知らないんですね」(汗) (^^;
  「はい、知りません」

 そうなんだ。タイプライターを知らない世代なんだ。それはそうだろうなあ。「タイプライター」という単語もはじめて耳にしたはずだろうし、タイプライターなるものを見たこともないだろう。その先生の年齢は、おそらく20歳代後半から30歳代だろうと推測されるが、この世代の人たちはタイプライターがこの世から姿を消して、ワープロ専用機の登場した時代も知らず、いきなりPCなのだ。考えてみればごくあたりまえの話なのだが、今さらながら自分自身の年齢を思い知って愕然とする。

 さて、その今は忘れ去られてしまった、時代物の「タイプライター」の話である。

 中学時代は、私も英語が大好きだったのだ。そしてタイプライターがほしくてたまらなかった。当時流行していたのが、「ブラザー ヤングエリート」という機種で、毎日テレビコマーシャルをやっていた。携帯に便利な薄型タイプであった。(そうだ親戚の兄ちゃんが使っていたのもこれだったような気がする。次に出てくる従兄弟とは別の従兄弟)でも、このようなものは田舎の人間にとっては贅沢品で、私のクラスメイトも、ヤングメイトに限らず、タイプライターなどは持っていなかった。

 それでも常日頃から「ほしい、ほしい」と思っていると願いがかなうもので、ある日突然、タイプライターが私のところにやってきた。それも、オリンピア(西ドイツ)製なのだ。<この、「西ドイツ」という言葉も古いねえ>

 ほんとうに「やってきた」という感じだったですねえ。貿易をやっている従兄弟が、遠方からわざわざ田舎まで持ち運んでくれたもので、英語が好きだった私へのプレゼントであった。私は狂喜乱舞(本当にそんな気持ちなんですよ)、舞い上がってしまうほどうれしかった。この気持ちは何でもすぐに手に入る時代の人にはわからないだろうなあ。

 さて、タイトル「漢字の筆順」と、このタイプライターの話題とは、いかなる因果関係があるのか?

 長くなるので、今日は前置きだけにしておきます。


 筆順(書き順)の強制について -- 漢字家族
 re:「曜」の字形について
 「漢字テストのふしぎ」-- 長野県梓川高等学校放送部

いわゆる「正しい筆順」について(2)

2007年07月08日 03時09分29秒 | Weblog

  話題としては、季節的にミスマッチですが・・・。「還暦祝い」のお話しからはじめます。

 「教えてgoo」「Yahoo 知恵袋」などの質問コーナーに、「還暦」を迎えるのはいつですか?とか「還暦のお祝いをするのはいつですか?」という質問があるようで、その回答の参照先として、私が数年前にアップした「十干十二支 -- 干支(えと・かんし)」へのリンクが貼られていたりします。

 私が見た質問と回答の要点は、


[質問]「正しい還暦の祝い方」について
  ・正式に還暦を迎えるのはいつ?
  ・お祝いをする日はいつ?(正しい日取りについて)
  ・プレゼントの「正しい」選び方は?

[回答]
   「誕生日に行うべし」
   「正月に行うのが正しい」
   「赤いちゃんちゃんこは時代にマッチしないので、温泉旅行券をプレゼント」

 等々というものでした。さきほど確認しようとしたのですが、すでにそのサイト(質問コーナー)は閉じられていているようでリンクを貼ることができません。
 何か、気むずかしい義父の還暦祝いをするために「理屈づけ」がほしいという内容であったと思います。

 その他にも、「正しい」還暦の祝い方についての質問が少なくないようです。ただ、質問の内容は「正しい」やり方を教えてほしいという形にはなっているのですが、じつは「自分はこうやりたい」という意思があり、ベストアンサーにえらばれるのは自分の意思にそったものとなります。

 それなら何故わざわざ質問するのかというと、自分のやろうとすることに「お墨付き」がほしいのでしょう。でも、どうして自由な発想ができないのでしょうか?上記の「気むずかしい義父」の場合は、義父を納得させるための理屈が必要となるので、しかたがないのでしょうが、ごく仲のよい家族の間での還暦祝いは、自分たちの都合のよいようにすればいいではありませんか。

 お祝いをしてあげたい。祝ってくれてありがとう。---- 心がこもっていれば、どの日を選択したとしても、どのようなお祝いの仕方であっても家族の絆は深まることでしょう。

 私が「十干十二支 -- 干支(えと・かんし)」にコメントしているのは、還暦を迎えるのは数え年61歳を迎える日(正月)であり、満60歳の誕生日ではないということだけです。これは「明日の7月9日が私の誕生日で、じつは明日還暦を迎えます」などというような会話がよくあり、ラジオのパーソナリティーもそのようなことを流布していましたので、すこし気になっていたことを、「十干十二支」の説明時に記述したまでです。(「十干十二支」の説明には不可欠ですよね)

 これは決して、「還暦祝いは正月にやるものだ」とか「還暦には赤いちゃんちゃんこを贈るものだ」などという主張をしているわけではないのです。お読みいただければわかると思いますが。

 私としては、「還暦祝い」をするのに、なぜわざわざ「正しいやり方」を尋ねなければならないかというのがとても不思議なのです。自分たちの家族が都合のよい日、いちばん喜んでもらえそうな日取りと方法を自分たちで見つければよいのであって、自分たちの家族の行事を、自分たちの都合を知らない他人に決めてもらうというのは、どう考えても不合理だと思うのです。

 意識の底にはいろんな働きがあると思いますが、その考察は面倒なのでやめます。
 ただ、自分で決めるには「不安」があり、自分で決めると「責任」が生じます。それよりも「こうやるもんだ!」と誰かが言ってくれれば(それも自分の都合にあう意見を)安心するし、責任逃れもできるわけです。

 けれどもいちばんおかしく思うのは、自分の家庭内で「還暦祝い」をするというだけで、こんなに不安感を抱いたり、責任逃れをしたり・・・この緊張感とは何なのかということです。

 こういったごく普通の家庭内の行事を決定するにも、水戸黄門さまの印籠よろしく、「どうだ、恐れ入ったか!」「へへーーーーー」という図式があって、質問者には悪いのですが、とても面白いと思います。
 「正しい筆順」を知りたがる人たちにも同じ図式があてはまりそうです。そして「恐れ入ったかあ!」と印籠を差し出す側の先生たちは、その根拠を問われると、「漢字テストのふしぎ」のように、責任逃れをします。

 ほんとうに何故「正しい****」ということにこだわるのでしょうか?このような場合の「正しい」とは何を意味するのでしょうか?

 また、こころのおもむくままにダラダラと書いてしまいましたが、次回は別の事例をあげたいと思います。


筆順(書き順)の強制について -- 漢字家族
re:「曜」の字形について
「漢字テストのふしぎ」-- 長野県梓川高等学校放送部