漢字家族BLOG版(漢字の語源)

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巳(シ・み),蛇(ダ,ジャ・へび)-漢字家族に記事を追加!

2012年12月30日 15時17分33秒 | Weblog
巳(シ・み),蛇(ダ,ジャ・へび)-漢字家族に記事を追加

 (ウ)

禹:yu3.png
 後足をふまえて尾をたらした、頭の大きい大とかげを描いたもの。もと大とかげの姿をした黄河の水の精。からだをくねらせた竜神のこと。のち、それが儒家によって人間の聖王に転化された。
 「禹」は、左の篆書の字形を見てもわかるとおり、その上部はハブのような顔であり、下部には、両足を踏み出した間に、長い尾がとぐろを巻いてのぞいている。
 虫歯のことを歯(ウシ)といい、そのの字は「歯+音符」からなっている。
 つまり、「禹」(ウ)が(へび)であることを、歯の「齲」ということばが暗示している。

 「禹」とは、迂曲(ウキョク)の(太い曲線をなして曲がる)と同系のことばであった。

【禹に関する民話】----
 ある時、黒い竜が大あばれをして天地をうちこわし、大洪水が起こってすべてが濁流に呑まれてしまった。鈍重なサンショウウオがその収拾を命ぜられたが、いっこうにラチがあかず、洪水はますます荒れ狂うばかりである。ついに俊敏なトカゲもしくはヘビの精が出てきて、永年にわたる奮闘のすえ、とうとう洪水を治めて山々はおちつき、河川は河道に戻って海に注ぐようになった。鈍重なサンショウウオはその責任を問われて、処罰された。それゆえに今でも深い水底にひそんで顔を出さないのである。

【民話をもとにした説話】----
 堯(ギョウ)の時代に洪水が起こり、まず鯀(コン)にそれを治めさせたが、九年に及んでも実績があがらない。人々が舜(シュン)を推挙したので、堯は舜に位を譲った。舜は禹に命じて洪水を治めさせた。かくて共工を幽州に流し、驩兜(カントウ)を崇山に放ち、三苗を三危に竄(しりぞ)け、鯀を羽山に殛(はりつけ)にす・・・・帝いわく「ああ禹よ、汝(なんじ)水土を平らげよ、これを務めよや!」(『書経、舜典』
 ・・・というわけで、禹が鯀の失敗のあとを受けて、治水に乗り出したのである。

【原文】『書経、舜典』)----
 流共工於幽州,放歡兜於崇山,竄三苗於三危,殛鯀於羽山,四罪而天下咸服


 → 盃中蛇影(盃中の蛇影)<故事成語>
 → 蛇足(画蛇添足)<故事成語>
 → 巳(シ・み),蛇(ダ,ジャ・へび)-漢字家族
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盃中蛇影(盃中の蛇影)<故事成語>

2012年12月27日 19時37分25秒 | 故事成語

盃中蛇影(盃中の蛇影・ハイチュウのダエイ)
 つまらないことで心身症が発症してしまうこと。
 ごくつまらないことでもストレスがたまり、体の病気となってあらわれることがある。
 「心身症」はストレス社会では、数多くの人に関係している。「神経性胃炎」などは、心身症の代表例。
 さて、「晋書」に出てくるお話だから、今から1,360年以上も前のこと。

盃中蛇影(盃中の蛇影・ハイチュウのダエイ)

 晋(シン)の楽広(ガクコウ)という人が河南の長官だった時、客を招いて宴会を催した。その時の客であった親しい友人が久しく見えないので、心配してたずねてみると、その客は病気であった。
 ところで、その病気のきっかけがおかしい。
 彼が前に楽広の官舎に招かれたとき、酒を飲もうとすると、盃の中に蛇の影が見える、どうも蛇は苦手だなあ。いやなものが見えるが、せっかく招かれたのであるから「ここは我慢」、と 無理をしてその酒を飲んだ。が、どうにも気持ちが悪い、それから帰宅後に病気になったのだという。
 「変なこともあるものだ」と楽広は、宴会の部屋を調査した。
部屋には、角(つの)でできた弓が壁に掛けてある。そして、その弓は漆(うるし)塗りで、一見蛇のようにも見える作りであった。
 そこで、楽広は、再び宴会を催し、客を前と同じ席に座らせた。
 「盃の中に、また蛇が見えますか」
 「わあっ!見える、前の時と、おんなじです」
楽広が種明かしをして、弓の影が映っているだけだと説明すると、「なあんだ」というわけで、客の気も静まり、病気もけろっと癒(なお)ってしまった。

line

  『列子』に出てくる、疑心生暗鬼(疑心暗鬼を生ず)という話に似ている。
  心因性の病気の中には、この話のように、原因が解明されてしまうと嘘のようにケロッと治癒してしまう場合もある。


 『晋書』には「漆畫作蛇」(漆画にて蛇を作れり)とある。弓の格好も模様も蛇そっくりだったらしい。
 疑心(こうではないかとためらい、思案して先へ進めない心)
 (思案にくれて進まないこと)騃(ガイ・馬がとまりがちで進まない)・礙(ガイ・とまって進まない)・凝(ギョウ・とまって進まないと同系。
 暗鬼(暗闇の中の幽霊)
 (漢文では、「オニ」ではなく、亡霊・幽霊のこと)
 鬼神(陽の魂が「神」(シン)、陰の魂が「鬼」(キ))
 
 → 蛇足(画蛇添足)<故事成語>
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蛇足(画蛇添足)<故事成語>

2012年12月24日 03時13分08秒 | 故事成語

 「蛇足ですが・・・」などと断りながら、本題とはそれた話をする場合がある。思えば、私のサイトは「蛇足」だらけだ。
 でも、世の中には「蛇足ですが・・・」などと言って、じつは「本音」を言う人もいるから安心できない。「蛇足」を装いながら、そこにこそ「本音」をしのばせるのである。

 それはともかく、よけいなことをして、せっかくできあがったものをダメにしてしまうのを「蛇足」という。

 中学や高校で習う故事成語だが、国語の時間の説明では肝心な部分が欠けている。何故この「蛇足」ということばが成語となったのか、というところがポイントなのだ。

蛇足(画蛇添足)

 戦国時代の楚の国で、ある人が酒を振舞った。ところが、どういうわけか亭主が振舞ったのは、たった一杯だけである。
 ケチな話だが、一杯しかないのだからしかたがない。そこで皆が相談する。
 「たった一杯の酒を、数人で分けて飲むには足らぬじゃろ。ちょうどひとり分じゃ。そこで、今から地面にの絵を描く競争をしよう。一番先に描ききった者がこの酒を飲むことにしよう」
 相談の結果、そのように話が決まり、皆が競争で絵を描き始めた。
 すると、間もなく一人の男が、の絵をまっさきに描きあげて、「完成!そら、一番じゃ。わしが飲むぞ」と、左手に杯を持ちながら、「どうじゃ!早いじゃろう。みんなが描けないうちに、わしは足まで描けるぞ」と、得意になって足を描きだした。
 そこに、もう一人の男が、の絵を描き終えて、杯を横取りした。
 「に足などあるものか。足を付けたらではない!」
 と言って、その酒を飲んでしまった。
 先に描いた男は、せっかく描き上げたのに、余計な蛇足を付けたばかりに、飲めるはずの酒を横取りされてしまった。

 為蛇足者、終亡其酒 戦国策・斉策)
  蛇足を為(つく)りし者、終(つい)に其の酒を亡(うしな)う。

line

 この話は、次のようないきさつでうまれた。
 楚の昭陽(ショウヨウ)という将軍が、魏の国を攻める命令を受けて進軍し、結果は大成功。得意になり、もっと強いところを見せようとして(セイ)の国まで攻めようとした。
 一方、には、陳軫(チンシン)という賢い人がいて、昭陽を説いた。
 「将軍は、魏を攻める命令を受けて、魏を降参させました。命令にないを攻めるのは蛇足です」と、この話をした。
 を攻めて少しでも失敗をしたら、魏を攻めた手柄が蛇足になるとさとった昭陽は、を攻めるのをやめた。



 「戦国策」には、このようなパターンのお話がいっぱいつまってます。

 たいていは、
    ・・・ 説得を依頼する人。
    ・・・ 説得を依頼される人(説得する人)。
    ・・・ 説得される人。
 の三者があり、説得が功を奏すれば、「三方一両損」どころか、「三者大満足」の結果となります。
 は、「ああ、よかった!」と胸をなでおろし、に感謝され謝礼をもらい、依頼者からはたんまりとご褒美がいただけるので、三人とも大満足。
 この場合は、(斉王)が、(陳軫)に依頼して、(昭陽)を説得させたという形。

 この典型的な例が、「漁父之利」ですが、他にも「先従隗始」(先づ隗より始めよ)など、有名な話がたくさんあります。
 
 → 「漁父之利」
 → 盃中蛇影(盃中の蛇影)<故事成語>
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蛇足ですが、巳(シ・み),蛇(ダ,ジャ・へび)

2012年12月23日 12時36分21秒 | Weblog


 巳(シ・み),蛇(ダ,ジャ・へび)-漢字家族

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 最初は、「蛇足」で失礼。

 → 蛇足(画蛇添足)<故事成語>
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