「器」の語源 投稿者:タカ 投稿日:2004年 12月 8日(水)03時47分35秒 はじめまして。 Googleで放浪するうちに、こちらに辿り着きました。 「器」という字の語源等、教えて頂けないでしょうか。 どうぞよろしくお願いします。 |
re:「器」の語源 投稿者:nothing
投稿日:2004年 12月10日(金)01時35分19秒
タカさん、こん○○は。
「器」も、漢字語源辞典に掲載されていませんね。
まずは、とりあえず「学研大漢和」から
【器】 口部 12画 総画数 15画
■解字
会意。
「口四つ+犬」で、さまざまな容器を示す。犬は種類の多いものの代表として加えた。
■音
【呉音・漢音】キ
■訓
うつわ、うつわとする
■意味
(1)うつわ(うつは)。いろいろな入れ物。また、道具。「土器」
「兵者不祥之器=兵者不祥之器なり」〔老子・三一〕
(2)うつわ(うつは)。才能。「斗勹之器(トショウノキ)(つまらぬ下級役人にしかなれない才能)」
「管仲之器小哉=管仲之器は小なる哉」〔論語・八?〕
(3)うつわとする(うつはとす)。りっぱな才能の持ち主であることを認める。「器重」
「先生器之=先生これを器とす」〔蜀志・諸葛亮〕
(4)こまごました実用にだけ役だつもの。
「君子不器=君子は器ならず」〔論語・為政〕
(5)朱子学や陽明学では、現実の物象を器といい、その根原を道という。
さらに調べてみます。
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re^2:「器」の語源 投稿者:nothing
投稿日:2004年 12月10日(金)01時56分40秒
『辭源』を見てみましたが、(1)~(6)の個別の意味が掲載されているだけですね。
ただ、
(3)有形的具体事物、與、"道"相対。易繋辞上;「形而上者謂之道、形而下者謂之器」とあります。
これは、学研漢和大字典の
(5)朱子学や陽明学では、現実の物象を器といい、その根原を道という。
にあたります。
出典は『易』で、周易・系辭上傳の最後の部分に
則乾坤或幾乎息矣。是故形而上者謂之道,形而下者謂之器,化而裁之謂之變・・・・・・
とあります。
※一陰一陽の流動変化そのものを「道」とよび、それが現象面に形となって以降のものを「器」(道具)とよぶ。時間的な先後をいうのではなく、「器」を離れて「道」はない。易の「卦」「爻」「辞」も、一陰一陽の「道」が形となって現象した「器」であると考えられる。
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