漢字家族BLOG版(漢字の語源)

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re:「飴」という漢字の由来

2006年02月16日 05時03分50秒 | 漢字質問箱ログ

 [ブログ内検索] [漢字に関する書籍] [漢字源] [中国古典選]
「飴」という漢字の由来 投稿者:飴職人 投稿日: 2月15日(水)08時30分43秒

飴の製造販売会社の営業をしております。得意先様より「飴」という漢字はなぜ「食」と「台」と書くのですかと聞かれ、恥ずかしながらわからなかったのです。
どうか教えて下さい。


【飴】

■解字
会意兼形声。
「食+音符台(人工を加えて調整する)」。
穀物に人工を加えて、柔らかく甘くした食物。

《台の家族》
人工をくわえる・はじめる ・・・・ タイ・イ・チ・ジ(ヂ)・シ

─ 台 ─ 怡 ─ 詒 ─ 治 ─ 怠 ─ 飴 ─ 笞 ─ 始 ─ 胎


【始】
始:図解
■解字
会意兼形声。
厶印はすきの形。曲がった棒の形で、工具を用いて人工を加えること。
台は「口+音符ム(=以)」の会意兼形声文字で、ものをいったり、工作をするなど作為を加えること。
台は以と同系で、人間がすきを手に持ち、口でものをいい、行為をおこす意を含む。
始は「女+音符台(イ)・(タイ)」で、女性としての行為のおこり、つまりはじめて胎児をはらむこと。
胎と最も近い。
転じて、広く物事のはじめの意に用いる。


【治】

■解字
会意兼形声。
古人は曲がった棒を耕作のすきとして用いた。
以の原字はその曲がった棒の形で、工具を用いて人工を加えること。
台は「口+音符ム(=以)」の会意兼形声文字で、ものをいったり、工作をするなど作為を加えること。
治は「水+音符台」で、河川に人工を加えて流れを調整すること。
以・台・治などはすべて人工で調整する意を含む。

re:仁・菜について -- 漢字家族

2006年02月05日 00時47分10秒 | 漢字質問箱ログ

 [ブログ内検索] [漢字に関する書籍] [漢字源] [中国古典選]
仁について (子供の名前について)  2006-02-04 00:33:18

こんばんわ。
子供の名前を図書館で借りた本に照らし合わせて一生懸命に考えたのですが、メモを取り忘れていた為、詳しい意味を忘れてしまいました。
子供が大きくなって悲しい思いをしないように
漢字の意味と由来をご教授下さい。
「菜」「仁」の名前の由来を教えて下さい。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


 こんばんは。

「仁」の由来については・・・
「人と民 -- 漢字家族」

 をご覧くださいね。

【仁】

■解字
会意兼形声。「人+二」で、二人が対等に相親しむことを示す。
相手を人として扱うこと。また、柔らかいこと。
人(ジン)・(ニン)と二(ジ)・(ニ)と、どちらを音符と考えてもよい。
■音
【漢音】ジン 【呉音】ニ, ニン
■訓
ひと
■名付
きみ, きん, さと, さね, しのぶ, ただし, と, とよ, にん, のぶ, のり, ひさし, ひと, ひとし, ひろし, まさ, まさし, み, めぐみ, めぐむ, やすし, よし
■意味
(1)ひと。人間。《同義語》⇒人。
 「井有仁焉=井に仁有り」〔論語・雍也〕
(2)(ジンナリ)自分と同じ仲間として、すべての人に接する心。
 隣人愛や同情の気持ち。また、そのような気持ちをもつさま。
 「仁者愛人=仁なる者は人を愛す」〔孟子・離下〕
(3)「仁(2)」の心をそなえた人。仁徳をそなえた人。「仁者」
 「観過、斯知仁矣=過ちを観れば、斯に仁を知る」〔論語・里仁〕
(4)柔らかい果物のたね。「杏仁(キョウニン)(あんずのたね)」
(5)「不仁(フジン)」とは、手足の動かない病気のこと。

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ライン


【菜】

■解字
会意兼形声。「艸+音符采(サイ)(=採。つみとる)」。つみなのこと。
■単語家族
才・栽・災・采・宰・在・賊 ・・・・ せき止める、たち切る才:図解才:図解

「災」の字の上部は、川がせき止められた姿を示す。
この堰(せき)の形だけをとったのが「才」の字の原形。途中で中断すること。
の原字は、甲骨文字ではで代用されることも多い。金文では「土」を加えて、土でせきとめる意を表す。つまりの原義は、せきとめて停滞すること。「在某所」のような使い方は、行進を中絶して、某所に滞留する意味であった。
「せき止める」という意味は、他方では伸びたものを中断して、切り止める意ともなる。
とは切った木であり、とは衣を切ること。とはむやみに伸びた植物の枝を切って止めること。の右側の字形は「戈(ほこ)+才声」から成り、刃物で中絶する意を示したもの。
伸びた枝葉を切りとるには、刃物を用いるとは限らない。爪先で茶の葉や若芽をつみとるのも、やはり「中絶する」ことにほかならない。
の原字で、「爪(てさき)+木の会意」から成っている。のち採取の採に用いられるが、本来は(枝を切り取る)や(切った木)と同系であった。
【采】伸びた枝葉だけを手でつみ切って取ること。中途から絶ち切る
【菜】伸びた若芽だけを手で中途から絶ち切る
*** 以上、『漢字語源辞典』(藤堂明保・学燈社)p.107 参照 ***

■音
【呉音・漢音】サイ
■訓

■名付

■意味
(1)な。葉・くきを食用とする草本類の総称。つみな。なっぱ。「野菜」「蔬菜(ソサイ)」
(2)な。草の名。種から菜種油をとる。あぶらな。「菜子(なたね)」
(3)副食物。おかず。また、料理。「菜館」「惣菜(ソウザイ)」