goo blog サービス終了のお知らせ 

にちにち蛙鳴蝉噪

大阪・兵庫・京都・奈良で食べられるトルコライスの紹介を中心に。制作:近藤亨 2004-2023

ビストロはねだ(兵庫/神戸市垂水区・垂水) 閉店

2007-12-19 19:08:23 | 関西トルコライス巡礼
ブログ「Wakkyの毎日」で知ったビストロはねだ。商店街からはずれたところにあり、たどり着くのに苦労しただけに、閉店を知った時の残念さたるや。

―――

2007年12月現在、ギター侍ばりに「残念!!」とか口走ったら周りにどんな反応をされるだろうか。2年くらい刑務所に入ってたと思われるのかな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フルール(京都/長岡京市・長岡天神)

2007-11-29 15:05:11 | 関西トルコライス巡礼
グルメ界が黒船ならぬ赤船の来襲で喧しい。ミシュランガイドの東京上陸は、その内容や調査方法に賛否両論あるとはいえ、美食熱、美食論を再び活性化する可能性を秘めていることは間違いないだろう。

小欄もここで美味しいポークカツとは何かを考えてみる。
必要な要素としては、パン粉ひと粒ひと粒がピンと立った衣や鼻腔をくすぐる揚油の香り、そしてなにより豚肉自体の味などが挙げられるが、そのやわらかさも外せないところではないか。肉を噛みちぎるという行為は、人間が本来持つ野生を呼び覚まし、根源的な歓びと達成感をもたらしてくれるものだが、あまり抵抗ある肉も考え物だ。我々は石器時代ではなく21世紀に生きているのだ。
その「やわらかさ」という要素に特化し成功したのが近畿以東でチェーン展開を行うキムカツであろう。この店では薄切り肉をミルフィーユのように重ねることによって厚みとやわらかさを両立し、おまけに肉汁豊かな食感を実現することに成功している。

しかしポークカツを扱う全ての店が採用できる方法ではないのもまた事実だ。特許云々に関しては寡聞にして知らないが、なにより下ごしらえに手間と時間がかかるのは間違いない。ならばやわらかな一枚肉でと考えても、よい肉はそれだけコストがかかるものだ。高コストの価格転嫁は客離れを呼んでしまう。
もっと簡単にやわらかさを備える方法はないものだろうか。

そこでフルールのトルコライスである。
カレーチャーハンの上に鎮座するポークカツ。普通ならば幅広な4~5切れがそこにあるものだが、肉自体がやや大ぶりなこともあってか、10切れに切られている。つまり、通常の感覚からすると一切れあたりの幅が狭い。それにより、口に入れやすいプラス面に加え、肉片の細さからくる噛み切りやすさがさらなるやわらか感に繋がっている。

結論。
やわらかいポークカツを実現する最も簡単な方法は、やや細く切ることである。これならばよく切れる包丁が一本あれば誰にでも実現可能だ。ポークカツにおけるコペルニクス的発想の転換がここにある。

それを体現しているフルールのトルコライスに、当ブログから三ツ星を進呈したい。

全然喜ばれないのは承知の上で。



トルコライス1030円

京都府長岡京市天神1丁目8-2 
075-951-6759
営業:10:00~22:00
月曜休

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポートエリザベス(兵庫/神戸市西区・西神中央)

2007-11-22 09:54:04 | 関西トルコライス巡礼

西神中央駅は神戸市営地下鉄山手線の西端にあるターミナルだ。ターミナルといっても乗換駅ではなく、文字通りの終点、どん詰まりである。

端っこなのに中央、ということで思い出されるのは東急田園都市線の中央林間駅だ。学生時代付き合っていたガールフレンドが長津田に住んでいて、渋谷から田園都市線に乗るたびに「中央林間」の字を目にしたものだ。そんなことはありえないことをわかっていながらも、大きな雑木林の中に木造の駅舎がひっそりと建っているさまをその駅名から想像しては、ぼんやりした興味を掻き立てられていた。実際に足を伸ばすことは無かったが。
Wikipediaにはこうある。「1929年(昭和4年)4月に小田急江ノ島線が開通すると同時に、小田原急行鉄道(現・小田急電鉄)によりこの地域の開発が始められることが決定した。この開発計画が、『林間都市計画』である。林間都市という名の由来は、この地域が全くの雑木林であったためである。林間都市には三つの駅が設置されることとなったが、このうちの一つが中央林間都市駅(他は南林間都市駅と東林間都市駅)であった。小田急は1929年から1931年(昭和6年)にかけて林間都市の分譲を始めたが、開発は思うようには行かず、駅名に『都市』を冠する規模には程遠いものであり、1941年(昭和16年)に計画に該当する三つの駅名からそれぞれ『都市』を除いた」。
企業の計画通りにことが進まないのはよくあることだが、どん詰まりの「中央」にはそこはかとない淋しさが付きまとっている。

西神中央駅からバスで「かりばプラザ」に向かう道のりは約15分である。街路樹の紅葉は神戸市中心部に比べて段違いに進んでいて、一戸建てが立ち並ぶ街並みの空は広く青い。名も知らぬ鳥の鋭い鳴き声がバスのエンジン音を切り裂き耳に届く。郊外特有の寂寥感、端っこ感はどんどん高まってゆく。

そうしてたどり着いたポートエリザベスのトルコライスは所謂長崎型だ。ナポリタン、ピラフではなく炒飯、その上にポークカツという構成である。デミグラスソースの量はかなり控えめで、彩りという面で寂しさが影を落とす。しかし、ナポリタンの味は濃い目なものの、べたっとせずに結構しゃきしゃきしているし、トマトソースが炒飯に侵食してしまっている部分が意外にも結構いけた。ポークカツは通常の横方向の切れ目のほかに、縦に一本包丁が入っていて、食べやすいよう配慮がなされている。全体のボリュームはあり、セットのサラダもあわせ満腹感を味わえた。
メニューによれば、オーナーシェフが長崎大在籍時に通い詰めた喫茶店の名物を再現したものだそうだ。本場仕込みのようなものである。

そういえば、長崎もいわば日本列島の西端だ。端っこにはトルコライスが似合うということか。
値段が「中央」並みなのがちょっと引っかかるところだけれど。



トルコライス1300円(サラダ付)

神戸市西区狩場台3-9-15 かりばプラザ内 
078-991-2523
営業:7:30~18:00
年中無休

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カフェ・パブ ロメオ&ジュリエット(大阪/大阪市北区・中津)

2007-05-19 15:04:53 | 関西トルコライス巡礼

高校を卒業して15年、かなり今更だけれど、「文化祭」って相当大きく出た言葉だと思う。素人仕事の絵画や音楽、演劇の発表会を「祭典」と銘打ってしまうのは習慣とはいえ凄いことだ。

「カフェ・パブ ロメオ&ジュリエット」がある「中津芸術文化村ピエロハーバー」は文化祭の雰囲気が色濃く漂う阪急電車高架下のスペースである。天井が高く、広さはバレーボールコート4面分ほどあるだろうか。その壁面、床部に大小様々な壁画や絵画、オブジェ、観葉植物などが配されていて、やや貧弱な電飾が彩りを添えている。その統一感のなさに、クラス毎にてんでばらばらな催しをしていたノスタルジックな記憶がしばし蘇る。

トルコライスはドライカレーの上にポークカツ、脇にナポリタンという構成であり、ドライカレーとナポリタンの比率は4対1といったところ。大粒の挽肉とざく切りの玉葱がドライカレーに歯応えを加えているが、その分隣のナポリタンがぐずぐずである。足して2で割れればいいのだろうがそういう訳にもいかない。
ポークかつにはデミグラスソースではなく普通のウスターソースであるが、これが意外にドライカレーの味わいと合うのは新しい発見だった。
そして最大のインパクトは画像奥、付け合せのレタスである。重ならずに一枚ずつ並べられているその風情はサラダというよりもアートだ。

このあたりに「芸術文化村」の魂を見る思いがした。あ、あと「ロミオ」ではなく「ロメオ」というところにも。
逆に言えばそれくらいしか、いや、なんでもないです。



トルコライス 780円

大阪市北区中津6-1-10 
06-6451-7780
11:30~23:00
毎月2日休

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セサミ・カレーショップ(大阪/守口市)

2007-02-21 22:54:30 | 関西トルコライス巡礼

アラビア語では、セサミ、つまり胡麻は小さくて美しいものの象徴なのだそうだ。エジプトではふくよかな中にも鼻や耳が小さいことが美人の条件らしいのだが、「胡麻のよう」といって褒め称えるのだという。

さて、こちらのセサミは、美しさはさておき決して小さくない。
「トルコ風ライス」はドライカレー300g、ナポリタン200g、ポークカツ120g、トータル620gのボリュームが見た目からして圧倒的だ。
ドライカレーはややべったり感があるものの、スパイシーでコク深く、さすがはカレーショップだと唸らされる。一方ナポリタンは直球勝負のケチャップ味で、ウィンナーもふんだんに入っている素朴な味わいだ。高級感とB級感のコンビネーションが興味深いのだが、とにかく双方味が濃い。結果、ポークカツを箸休めに食べるというとんでもないバランスになるのもまた醍醐味か。

しかしそれにしても量が多い。夜勤明けの弱った身体には正直きつい。
アラビアンナイトでは、アリババが宝物の入った部屋への扉を「開けゴマ!」という呪文で見事に開けた。
あやかって「減れゴマ」と呟いたが、そんなことで減ってくれるわけもないのだった。
うぷ。



トルコ風ライス750円

大阪府守口市京阪本通2-1-2 
06-4250-0150
11:00~17:00
日曜休

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Restaurant And Cafe KAANAPALI(大阪/堺市堺区)

2006-12-23 01:52:52 | 関西トルコライス巡礼

店名はそのまま「カアナパリ」と読む。カアナパリとは、ハワイ・マウイ島のビーチの名前らしい。黄金海岸と呼ばれる約5kmの美しい白砂のビーチで、マウイリゾートの代名詞的存在なのだそうだ。

ああ、行きてえ。一昨年去年とアジアビーチリゾートに出かけていたものの、今年の夏休みは私事とふたつの披露宴で潰れてしまったし。
おお、青い海、南国の強い日差し、トロピカルカクテルに肌を優しくなでるさわやかな潮風よ。

でも堺の海は青くないし、冬至に夏の日差しは望むべくもない。そんな時にトロピカルカクテルを飲んでも美味しくないし、潮風はいつのまにか排気ガスをはらんだ風になって僕らの鼻腔をくすぐるだけだ。

ここカアナパリのトルコライスは、せめて潮風感でも、ということでもないだろうけれど、デミグラスソースが結構しょっぱい。薄焼き卵の下のチキンライスも一瞬ドライカレーかと思うほどスパイシー。全体的に塩辛さにベクトルの向いた濃い味という印象である。
この刺激に「ああ、ビーチリゾート…」と頭の上に漫画の吹出し状に漂っていた幻想はきれいに吹き飛ぶ。

そうなのだ。青い海や白い砂浜だのを呑気に想像している場合ではない。何かとせわしない年の暮れ、今のうちに片付けておかなければいけないことは山のようにある。夢想する暇があったらとにかく動かないと。ビーチに寝そべってマイタイを飲んでいればことが全てうまく運ぶなんてことは、人生、ほぼありえないのだから。



トルコライス850円
(スープ・サラダ・ソフトドリンク付きの「トルコライスフルセット」は1250円)

大阪府堺市堺区南田出井町4-1 
072-229-6332
営業:10:00~22:00 
水曜休

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジュネス(京都/京都市左京区・北白川別当)

2006-12-12 21:50:00 | 関西トルコライス巡礼

JR京都駅前から北白川別当交差点まで市バスに乗ったら45分もかかってしまった。45分といったらJRならば新快速で京都から三宮の手前くらいまで行ける時間だ。とりわけ交通量が多いとは思えない午後2時前後の話なのだが。
Mapionの「キョリ測」で測ったところ、道のりは7.3キロ位である。それに45分かかったとなると、時速はおおよそ9.4キロということになる。ジョギング(時速約8キロ)より少し速く、どうも江戸時代の飛脚がこれくらいの速さだったらしい
さすが京都、失われた日本の「和」の伝統を市バスにもとどめているということか。

そうしてたどり着いた北白川別当交差点に面するカフェレストラン「ジュネス」のトルコライスはまず海老フライ乗せのスタイルが目を引くが、味覚上の特徴は何といっても写真で皿右上に配された山盛りのきざみ海苔である。
デミグラスソースときざみ海苔。洋と和を代表するソースと食材であるけれど、この両者が意外にマッチする。デミグラスソースがややコクの無いさらっとしたタイプであることも手伝っているのだと思うが、酸味と甘みの後にきりっとしたコクと香ばしい香りがやって来て重層的な味わいを見せてくれる。
もちろん海老フライも見かけ倒しではない。長さはさほどでもないが、海老の身が太い。下付けされた胡椒の香りが海老の甘みを一層引き立てている。
半熟卵のとろみも申し分ない。

ただし、食べ終えた後に口内に残る後味は海苔のそれ一色であることを付け加えておかなければなるまい。多分海苔の量がバランスの上で少し多いのだと思う。あとげっぷも海苔の香りで。

さすが京都。最後はここでも和の心意気である。



トルコライス 1100円

京都市左京区北白川堂ノ前町38-1 
075-781-5700
日月休

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピザハウスF(兵庫/神戸市灘区・六甲)

2006-10-23 15:07:39 | 関西トルコライス巡礼

「トルコ」という名称は日本では受難の歴史がある。
いうまでもなく「トルコ風呂」問題である。
1970年代頃から、性風俗店としての「トルコ風呂」は広く通用する言葉になっていて、それはさらにしばしば「トルコ」と略して呼ばれた。また当時「大使館」という名前の店が50音別電話帳に「トルコ大使館」と載せていたため、本物のトルコ大使館に間違い電話がかかってくることもしばしばだったという。
これに対し、日本に滞在するトルコ人の間では、祖国の名称や伝統文化が性産業と結び付けられて使用されていることに対する反発が生まれた。81年に東京大学に留学していたあるトルコ人学生も「トルコ風呂」の名称にショックを受けたひとりであり、彼は再来日した84年に当時の厚生省に「トルコ風呂」の名称変更を直訴するなど、改名運動を行った。
この運動が当時のマスコミに大きく取り上げられ、同年10月に横浜市の業界団体が「トルコ風呂」の名称を用いないことを決定、同年12月には一般公募の末、新たな名称として「ソープランド」が決定された。
これが「トルコ風呂」名称問題のあらましである。

この店のトルコライスは一見ただ生卵が乗ったカレーに過ぎない。どんな仕掛けがあるのやら、と思い食べ始めると、これが本当にカレーそのものなのだ。ルーもごく普通のものである。
ただ、一口目の「濃さ」が明らかに普通のカレーとは違う。よく確かめてみると、ルーの下のライスはミックスベジタブルと軽く炒めあわせた痕跡が見て取れる。そういえばご飯が少し香ばしい。初めて食べたけれど、炒めたご飯とカレーの相性というのは最高なのだ。カレーの香りに違う角度の香ばしさとコクが加えられて、空腹感をより刺激し、かつ味が重層的になっている。初めて中華料理店で炒飯に麻婆豆腐をかけて食した時の感動がよみがえった。
家で食べるレトルトカレーもこのやり方でひと味もふた味も違ってくるのではないだろうかと思う。早く自分でも試してみたい。

しかし美味いことは美味いのだが、気がかりなのは、この店における「トルコ」という概念が「ご飯をミックスベジタブルと炒める」というただ一点に集約されていることである。これが無ければただのカレーなのだから。
それってなんか、中華っぽいというか、早い話が炒飯だよなあ。
多分店側もそのあたりは自信が無いのだと思う。調理してくれた女性が「こういう代物です」と言いながら出してくれたのを思い出す。
近隣の神戸大学や神戸松蔭女子学院大にトルコ人留学生はいるのだろうか。このメニューを見つけて「コレガ『トルコ』ッテドウイウコトデスカ!」と憤慨しないことを祈るばかりである。

あ、トルコライスというカテゴリー自体が彼らにとっては納得いかないか。



トルコライス 650円

兵庫県神戸市灘区宮山町2-4-4 五光マンション1F   
電話 078-821-3994
営業時間 12:00~14:30(L.O.14:00)、17:30~1:00(L.O.0:00)
無休







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

のらくろ(京都/京都市左京区・下鴨)

2006-10-03 23:28:06 | 関西トルコライス巡礼

田川水泡の漫画「のらくろ」の主人公「野良犬黒吉」は「性格は明朗快活、マイペースでお調子者のところもあるが、孤児であることにコンプレックスを感じている(Wikipedia)」という設定だった。退役後は大陸に渡り、金山を掘り当てて成功を収め、帰国後は、職を転々とした後、喫茶店のマスターを務めたという。

ここ「のらくろ」のトルコライスは優しい味がする。
ケチャップライスと半熟薄焼卵、そしてそれにとじられた一口カツという構成それぞれがやや薄味で、デミグラスソースもほんのりとした風味だ。これが京風の味付けというものなのか。いや、まさか。だいいち洋食なのだし。
実家の母にトルコライスの概要を教えて作ってもらったような味、という例えがしっくりくるような気がする。

店は繁華街を遠く離れた下鴨神社近くの住宅街にあり、気取らぬ格好の老若男女が席を埋めていた。おそらく地元住民の愛顧に支えられての営業なのだろう。あまり大きな声で話をする人はいない。店内道路側にはすりガラスがはめ込まれていて、そこから初秋の京都のやわらかな光がこぼれてくる中、ひそやかな、しかし親密そうな囁きがその空間を埋めていく。
おだやかな、優しい空気。

孤児だったのらくろが開いた喫茶店はどんな店だったのだろうか。
そこには、自分が体験できなかった母の穏やかな愛情への憧憬があったのでは。
とすれば、と思う。
この店みたいな感じだったのかも。



トルコライス650円

京都府京都市左京区下鴨宮崎町69 
075-781-2040
定休日:火曜日・第3水曜日
営業時間:11:00~14:00 17:00~20:00

        


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中華料理 西遊記(大阪/大阪市西区・新町)

2006-06-21 00:10:01 | 関西トルコライス巡礼

強烈な個性こそが、結局は生き残る。

「西遊記」と聞いて我々の世代が思い出すのは、「♪ニンニキニキニキ」のテーマソング、ドリフターズによる人形劇ドラマ「飛べ!孫悟空」である。孫悟空を志村けんそっくりの人形が演じ、以下同様に、三蔵法師をいかりや長介、猪八戒を高木ブー、沙悟浄を仲本工事を模した人形が演じた。
本来の西遊記の物語に沿えば、天竺を目指す一行はこの四名だけなのだが、この番組は違った。「カトウ」という、加藤茶そっくりのキャラクターが一行に加わっていたのだ。しかも物語の時代性を完全に無視し、「8時だョ!全員集合」で人気の加藤の持ちキャラ、酔っ払いハゲ親父のキャラクターでである。
加藤茶に何らかの役を当てなければならない事情は分かる。だがそれは別に魔物側のボス役でも何でも手はあったはずだ。にもかかわらずこの扱いは、やはり加藤茶のキャラクター、つまり個性が、ドリフターズメンバーの中でもひときわ際立っていたことの何よりの証明ではなかろうかと思う。
だからこそ、「全員集合」番組終了後20年、「ごきげんテレビ」終了後15年弱、ならびに「ドリフ大爆笑」終了後3年が経過した今でも、キャラクター商品 「御当地加トちゃん」でまだまだ一儲けできるのだ。

大阪・靱公園の近くにある「西遊記」は「トルコライス・大阪発祥の店」なのだそうだ。その真偽の程は別として、発祥地を名乗るからにはそれなりの長きにわたり定番メニューの座を守ってきたのだろう。
ドライカレー、ナポリタン(画像ではレタスの向こうに隠れてしまっている)、ポークカツという所謂長崎型の構成だが、長く定番メニューたらしめた強烈な個性は、ポークカツにかかるデミグラスソースのそのまた上を彩るマスタードだと見た。
正直、デミグラスソースとマスタードがこんなにマッチするとは意外だった。
デミグラスソースの甘みをまず感じた後、突然マスタードの酸味がやってくる。その後は当然のように辛味。それが通り過ぎた後にまだ残るデミの甘みは、その刺激を経てさらなる深さを湛えているように感じるのだ。
そのソースを擁したポークカツが皿全体を引っ張る形で、多目のボリュームもわしわし平らげられる一品になっている。
やはり料理の分野においても訴えかけてくるのはその個性なのだとうなずきながら、ランチタイムに付いてくるコーヒーを飲み干した。

ちなみに僕はこのブログでこの店の存在を知ったのだけれど(トルコライスの画像はこちらのほうが大きく鮮明)、作者のうりぱぱぱ氏が店名を「孫悟空」と思い切り間違えている。
この思い切りっぷりもある意味個性だなと感服した次第である。



トルコライス580円(スープ付き・ランチタイムにはコーヒー付き)

大阪市西区新町1-33-16 
06-6531-2838
営業:11:30~21:30
定休:日曜

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

千寿の湯内 お食事処千寿(大阪/堺市東区)

2006-04-30 22:13:37 | 関西トルコライス巡礼

スーパー銭湯流行りである。
神戸新聞によれば、兵庫県内に限っても、95年から05年の約10年で100店舗以上増えた。つまりはそれだけ商売になるということだ。

ゴールデンウィーク序盤の「千寿の湯」も盛況だった。
駐車場を埋めつくす車。ロビーにあふれる家族連れ、そして飛び交う子供たちの喚声。ロビーに併設されている「千寿」では湯上りの家族が夕飯をつついている。平和な光景だ。
しかし、驚くほどジャージ並びにスウェット上下着用率が高い。風呂の後寛ぎたいのは理解できるのだが、一応公共の場とされるところでジャージでうろうろ出来る神経はいささか理解できない。
その公共性の欠如が子供達の行動に反映されている。とにかくじっとしていられず、食堂を走り回り、転び、泣く。座敷席で兄弟が大声を出しながらじゃれあい、お兄ちゃんにぶたれたといっては泣く。親にジュースをせがみ、駄目だといわれては泣く。

うるせえ。

そんな状況下出てきたトルコライスは茶色と黄色、ツートンカラーのルックスで、濃そうな感じ。しかしそれがそうではなかった。
ドライカレーが単体では本格的に香ばしく辛いのだが、スクランブル状のふんわり卵がその香りを消し去る働きをしてしまっている。おまけにデミグラスソースはやや酸味が感じられる程度のさらりとした作りで、ほとんど味に影響を及ぼしていない。
その結果、食後感は「なんか、カツの乗ったご飯を食べたなあ」という淡い印象だけが残るのだ。

もそもそとトルコライスをかきこむ間も、僕の席の近くで子供がまた転んで泣き出した。親の言葉がふるっている。「そんなことでなんで泣くか」。
いやいや、もっと根本的に注意することがあるだろう。
そもそもGWに家族で行く場所がスーパー銭湯などという気の利かない連中に多くを求めるのが間違いなのかもしれない。しかし、こういった親が、自分と同様周りの見えない子供を殖やし育てていく。待っている未来は自分勝手で協調性のない、つまり社会性に欠ける大人だ。負の拡大再生産である。格差社会、階層化社会への流れは止められないだろうとうっすらと感じた。

…苛立ちながら食べたから味がわからなかったのか。ま、僕も気の利かない連中のひとりなので無理もない。



トルコライス 900円(千寿の湯会員価格は850円)

堺市東区日置荘西町1-18-8 
072-287-3726
営業:10:00~26:00
不定休


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カフェレスト とまと(大阪/大阪市中央区・アメリカ村)

2006-03-19 22:55:17 | 関西トルコライス巡礼

アメリカ村は疲れる。

いやいや何情けないこと言ってるんだ僕はまだ若い、たかが若者人口密度が高い街くらいなんだ、と胸を張り大股に街に飛び込んでいくのだが、まず歩道が狭く自転車が停めてあるせいで車道を歩かざるを得ず、その結果歩行中に何度も車をよける羽目になる。そしてたむろする若者は何故か歩みが遅いため、いらいらしながら追い抜かねばならない。そこにカジュアルショップから大音量で流れるヒップホップやらJポップやらの音の洪水が襲いかかってくる。ご丁寧に店舗ごとに違う音楽が、はかったように同じくらいのうるささなのが腹立たしい。歩きながらこの時期に驚くほど薄着の女の子を見かけては寒そうだなとこちらが身を縮め、黒人二人組が母国語でなにやら会話しているのを見つけては何の悪だくみだろうと身を硬くする頃になると、いつのまにか視線は落ち、背中は心なしか丸くなり、早くここを抜け出そうとピッチが早くなっている。
そんな感じでアメリカ村の南西のはずれにたどり着くとこの店がある。

ドライカレー、薄焼き卵、ポークカツ、上からデミグラスソースとオーソドックスな構成だが、構成要素ひとつひとつが濃いのが特徴だろう。
まずデミグラスソース。液体というよりかなり固形寄りで、ぼてっとなるまで煮詰めた印象だ。味も甘さとコクが共に強く、曖昧な部分がない。
そしてドライカレーは舌触りにざらっとしたカレー粉感があり、かなり辛い。
通常は両者の間に挟まる薄焼き卵が味をまろやかにブレンドする役割を担うのだが、およそ歯が立たず、両者の味が口の中でまともにぶつかり合う。濃さ二倍どころか二乗と表現してもよいかもしれない。
そこへ割って入ってくるのがボリュームあるポークカツ。肉と衣、共に厚みは十分で肉汁も潤沢だ。デミグラスソースとドライカレーのぶつかりあいに「脂を注ぐ」格好になる。
そんな味の強さにこちらもしっかり腰を据えて食べることになるが、セットの味噌汁が力の入った舌をほぐしてくれありがたい。これはただのサービスではなく、完食するために必要だからついているのだな、と気付く。
食べ終わったところで、ひとつ大きな息をついていた。

若さを試される味だと思う。僕はいつまで食べきれるだろうか。



トルコライス 950円

大阪市中央区西心斎橋2-17-13  
06-6212-0646
年中無休・24時間営業


 



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グリルはぜ(大阪/堺市) 閉店

2006-03-06 14:21:46 | 関西トルコライス巡礼
ここで紹介されていたグリルはぜ、2月15日をもって36年間の歴史に幕を下ろしたとのこと。
トルコライス食べてみたかったなあ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Kitchen TACO(大阪/大阪市中央区・南船場)

2006-03-04 23:45:56 | 関西トルコライス巡礼

天井が高い店はいい。
開放感があるのは当然ながら、音が上に抜けるせいか、他の席の話し声や食器の音等が心地よいざわめきに変わる。ちょうど空港ロビーのようなノイズ、と言えば分かりやすいだろうか。
この「Kitchen TACO」の天井も高い。大阪農林会館というビルの1Fにあるのだが、昭和5年築のこのビル、経済性より風格を建築に求めたようなところがある。少し古びたアーチ状の天井が目にも心地よい。EH bankGREEN HOUSEなど、神戸の天井の高い店はいくつか知っていたけれど、ここの雰囲気も負けていないと思う。

鉄皿に入ったトルコライスにはカツも薄焼き卵もなく、ドミグラスソースもかかっていない。かわりに千切りしてある胡瓜と人参、そしてみじん切りの黄ピーマンとトマトが鮮やかに食欲をそそる。ライスはややべたっとしたドライカレーで、鶏肉と椎茸がボリューム感を出している。そして中央には温泉卵が鎮座し、味をまろやかにしている。
これまで紹介してきた関西トルコライスが持つお子様ランチ的小型豪華感はないのだが、かえってこのカジュアルさが「ひょっとしたら、これってトルコ国内でほんとに食されているメニューなのではないか」という気にさせる。
いや、多分そんなことはないのだが。

実際にこのメニューを目の前にしたら「えー、いくらなんでもこれはトルコライスじゃないよー」と、店主を怒らせる恐れのある言葉を思わず口にしてしまう方もいるだろう。
でも御安心を。
頭上に大きく広がる空間が、その言葉を優しいノイズに変えてくれるはずだから。

僕の「ランチタイムにはやってねえのかよ!」という嘆きもやわらかに吸い込まれていった。



トルコライス800円

大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館1F 
06-6243-9900
営業:17:00~01:00(L.O.)
(平日の11:30~15:00もランチタイム営業しているが、4種類のランチメニューのみ。トルコライスは食べられない)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

竹馬(大阪/大阪市住吉区・杉本町)

2006-02-08 23:59:50 | 関西トルコライス巡礼
天王寺からJR阪和線で6駅13分、杉本町駅の東には大阪市立大学のキャンパスが広がっている。
「大阪市立大学」と字面だけを見るとなんだか地味だけれど、8学部・大学院9研究科の陣容を誇る日本最大の公立総合大学なのだそうだ。
今日が後期試験の最終日だったらしく、学生の数はそれほど多くなかった。が、その中で予想外に女子学生の数が多くて驚いた。試験期間だからかもしれないけれど、みんな割に地味なファッションである。
偏見に凝り固まった意見だけど、阪神間のちゃらちゃらした女子大に通っている学生より堅実で勉学に励んでいる感じがする。学費も安いし親孝行だ。もちろんちゃらちゃらしたところでしか得られない人生経験というものはあるし、何より僕自身が、私立の高い学費を親にせびった挙句、一気飲みとアルバイトと失恋程度の人生経験しかしなかったのだから偉そうなことは言えない。
生協の前で原付のシートに腰をおろしたまま携帯電話で話している男子学生は「…合流はいいけど、今俺170円しか持ってない」と言っていた。試験期間はアルバイトも控え目にせざるを得ないから金欠になるんだよな。懐かしい。

杉本町駅改札を出てすぐのところにある弁当屋兼定食屋兼焼鳥屋(暖簾には「おでん」とも書いてあった)、竹馬はそんな貧乏学生たちの味方だ。トルコライスが580円で食べられる。これまで紹介してきたトルコライスの中で文句なしの最安値である。
お店が満席だったので弁当でお願いした。スチロール容器にみっちり詰められているライスはケチャップライスでもピラフでもなく焼き飯。その上にデミグラスソースがけのポークカツとナポリタンがのっている。この焼き飯が非常に庶民的というか気取らないというか、具材の葱や玉葱、人参等がしばしば焦げていたりするのだけど、その香ばしさがアクセントになって箸が進む。ポークカツにはしっかり厚みがあるし、ナポリタンは期待通りぐずぐずで甘酸っぱい。そして学生街にある飲食店の必須項目、ボリュームも十分。キャンパスのど真ん中にあるロータリーのベンチで小さなげっぷを3発冬の空に吐き出した。

170円しか持っていなかった彼が次にこれを食べるのはいつのことになるのだろうか。




特製トルコライス 580円

大阪府大阪市住吉区山之内3-1-11 
06-4700-2305
日曜休

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする