グルメ界が黒船ならぬ赤船の来襲で喧しい。ミシュランガイドの東京上陸は、その内容や調査方法に賛否両論あるとはいえ、美食熱、美食論を再び活性化する可能性を秘めていることは間違いないだろう。
小欄もここで美味しいポークカツとは何かを考えてみる。
必要な要素としては、パン粉ひと粒ひと粒がピンと立った衣や鼻腔をくすぐる揚油の香り、そしてなにより豚肉自体の味などが挙げられるが、そのやわらかさも外せないところではないか。肉を噛みちぎるという行為は、人間が本来持つ野生を呼び覚まし、根源的な歓びと達成感をもたらしてくれるものだが、あまり抵抗ある肉も考え物だ。我々は石器時代ではなく21世紀に生きているのだ。
その「やわらかさ」という要素に特化し成功したのが近畿以東でチェーン展開を行うキムカツであろう。この店では薄切り肉をミルフィーユのように重ねることによって厚みとやわらかさを両立し、おまけに肉汁豊かな食感を実現することに成功している。
しかしポークカツを扱う全ての店が採用できる方法ではないのもまた事実だ。特許云々に関しては寡聞にして知らないが、なにより下ごしらえに手間と時間がかかるのは間違いない。ならばやわらかな一枚肉でと考えても、よい肉はそれだけコストがかかるものだ。高コストの価格転嫁は客離れを呼んでしまう。
もっと簡単にやわらかさを備える方法はないものだろうか。
そこでフルールのトルコライスである。
カレーチャーハンの上に鎮座するポークカツ。普通ならば幅広な4~5切れがそこにあるものだが、肉自体がやや大ぶりなこともあってか、10切れに切られている。つまり、通常の感覚からすると一切れあたりの幅が狭い。それにより、口に入れやすいプラス面に加え、肉片の細さからくる噛み切りやすさがさらなるやわらか感に繋がっている。
結論。
やわらかいポークカツを実現する最も簡単な方法は、やや細く切ることである。これならばよく切れる包丁が一本あれば誰にでも実現可能だ。ポークカツにおけるコペルニクス的発想の転換がここにある。
それを体現しているフルールのトルコライスに、当ブログから三ツ星を進呈したい。
全然喜ばれないのは承知の上で。
トルコライス1030円
京都府長岡京市天神1丁目8-2
075-951-6759
営業:10:00~22:00
月曜休
小欄もここで美味しいポークカツとは何かを考えてみる。
必要な要素としては、パン粉ひと粒ひと粒がピンと立った衣や鼻腔をくすぐる揚油の香り、そしてなにより豚肉自体の味などが挙げられるが、そのやわらかさも外せないところではないか。肉を噛みちぎるという行為は、人間が本来持つ野生を呼び覚まし、根源的な歓びと達成感をもたらしてくれるものだが、あまり抵抗ある肉も考え物だ。我々は石器時代ではなく21世紀に生きているのだ。
その「やわらかさ」という要素に特化し成功したのが近畿以東でチェーン展開を行うキムカツであろう。この店では薄切り肉をミルフィーユのように重ねることによって厚みとやわらかさを両立し、おまけに肉汁豊かな食感を実現することに成功している。
しかしポークカツを扱う全ての店が採用できる方法ではないのもまた事実だ。特許云々に関しては寡聞にして知らないが、なにより下ごしらえに手間と時間がかかるのは間違いない。ならばやわらかな一枚肉でと考えても、よい肉はそれだけコストがかかるものだ。高コストの価格転嫁は客離れを呼んでしまう。
もっと簡単にやわらかさを備える方法はないものだろうか。
そこでフルールのトルコライスである。
カレーチャーハンの上に鎮座するポークカツ。普通ならば幅広な4~5切れがそこにあるものだが、肉自体がやや大ぶりなこともあってか、10切れに切られている。つまり、通常の感覚からすると一切れあたりの幅が狭い。それにより、口に入れやすいプラス面に加え、肉片の細さからくる噛み切りやすさがさらなるやわらか感に繋がっている。
結論。
やわらかいポークカツを実現する最も簡単な方法は、やや細く切ることである。これならばよく切れる包丁が一本あれば誰にでも実現可能だ。ポークカツにおけるコペルニクス的発想の転換がここにある。
それを体現しているフルールのトルコライスに、当ブログから三ツ星を進呈したい。
全然喜ばれないのは承知の上で。
トルコライス1030円
京都府長岡京市天神1丁目8-2
075-951-6759
営業:10:00~22:00
月曜休