去る3月22日、金沢大学の卒業式・学位授与式が行われ、当科の学生である小泉も晴れ姿で参加して参りました。
(矢野教授、山田助教と共に)
私が腫瘍内科の門を叩いたのは学部3年の冬のことです。
免疫学の特別講義で矢野教授の特別講義を受け、免疫学の奥深さに加え、腫瘍の分野で行われるトランスレーショナル・リサーチに興味を持ったのがきっかけとなりました。
さっそく4年の春より腫瘍内科での研究に参加し、Heat Shock Protein90を題材とした研究をさせていただき、腫瘍の研究における主要な実験手技を学ぶこととなりました。
また、研究カンファレンスや抄読会に参加し、研究室で日々生み出される研究結果やテーマについて学ばせていただく機会を得ました。学部生として臨床講義を受けた後に夕方からの研究カンファレンスに出ることで、臨床から基礎に遡ること、基礎から臨床への展望を明確にすることを習慣づけて考えることが肝心であると気付かされました。加えて自身が教授をはじめとする臨床の先生方にプレゼンをする機会も与えられ、うまく出来ずに四苦八苦した思い出もあります。持っている知識や能力に匹敵するくらい、プレゼンテーション能力が大事であることも痛感し、得難い経験をさせていただくことができました。
学部6年生のときにはクリニカル・クラークシップで当科を選択し、実際の臨床において化学療法、分子標的治療の実際を学ぶとともに、実際に患者さんと接し、臨床上どのようなことが問題となるのか、今までの知識をもとに考える臨床力を養いました(臨床応用能力がおおいに問われた106回医師国家試験でも、培った臨床力を活かすことが出来ました)。
研究面においては、同6月に日本がん分子標的治療学会にて、ポスター発表をさせていただく機会に恵まれました。
そして先日、当科の山田助教との共著による論文がJournal of Thoracic Oncologyにacceptされました。
矢野教授、山田助教に多大なご指導をいただき、自分のテーマが論文という形になったことは、ただひたすらに感無量です。以後の医師人生において臨床だけでなく、研究からももっともっと医療に貢献してゆきたい、という気持ちを新たにしました。
腫瘍内科のもっとも素晴らしいところは、研究レベルの高さ、そして医療に全力で還元しようと研究室全体に溢れているモチベーションの高さです。
医療に対する先生方の姿勢を、今はまだはるか後方から憧れとともに追いかけることしかできませんが、いつか腫瘍内科の先生方のような大きな背中を持って前に進める医師でありたいと思います。
向こう二年、自分は研修を関西の市中病院で行うこととなります。
腫瘍内科で学んだことを胸に、研修医の間にも研究マインドを忘れずに思考・実践できる医師として日々邁進してゆきたいと思っております。ありがとうございました。
文責:小泉 瞳
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