金沢大学がんセンターブログ

金沢大学がん高度先進治療センター医局における
日々の出来事を適宜更新していきます。

AACR-NCI-EORTC International Conference, Molecular Targets and Cancer Therapeutics (ボストン)

2013-11-20 19:19:11 | 日記

少し前の話になりますが10月に行われた、アメリカ癌学会、アメリカがん研究所、ヨーロッパがん研究機構の分子標的薬に関する合同カンファレンスに参加してきました。

会場は私の前任地でもあるアメリカマサチューセッツ州ボストンでちょうどワールドシリーズと重なり盛り上がっていました(写真は州議事堂に掲げられたレッドソックスの旗)。

この会議は新薬開発に関する会議で、分子標的薬ががん治療の主流となる中、このカンファレンスも規模を拡大してきています。会議はヨーロッパとアメリカの持ち回りで、製薬企業の研究所が集中していることもありアメリカではボストンで行われることが多いようです。著名な演者により分子標的治療、免疫療法、薬物耐性などの最新情報が示され、800以上のポスター発表がなされていました。私もポスター発表を行い、幸運にもScholar in Training Award (ポスター賞のようなもの)を受賞しました。

 

当初は学会に合わせて夏休みを取りバケーションの予定だったのですが、(幸か不幸か)現在投稿中の日米共同研究のまとめと時期が重なってしまい、マサチューセッツ総合病院がんセンターを訪れ、何日かディスカッションと実験をしてきました。

私が以前勤務していたJeff Engelman研究室は、私が参加したころは総勢6人しかいなかったのですが、今はポスドク9人、テクニシャン15人以上の大きなラボになって、テクニシャンに至っては誰が誰だかよくわからなくなっていました。そんな中で私がいた痕跡を探すとこんなものが見つかりました。(写真はダイソーで買った御手洗の表札をなぜか飾っているポスドクの机)。

 

Jeffは相変わらず多忙でしたが、幸いディスカッションする機会がありました。このときは、この仕事はもう終ったと思っていたのですが、帰国してからメール攻撃を受け、夜中の4時にニュージャージーの空港(Jeffは香港に向け出張途中)から電話がかかってくるとは思ってもいませんでした・・・(写真はディスカッションするJeffと私)。幸い論文については日本に帰国後もディスカッションを継続し、再投稿することができました。

 

今回は実験することになったり、同行した娘が熱を出して救急外来を受診するなど、想定外なことも多かったのですが、友人や共同研究者に会うことができ有意義な時間を過ごすことができました(写真はラボの仲間とレストランにて)。

最後に、留守中患者さんをお願いした小谷先生をはじめ諸先生に感謝いたします。

衣斐


18th Asian Pacific Society of Respirology

2013-11-14 14:57:01 | 日記

横浜で開催された18th Asian Pacific Society of Respirology学会に参加しました。

肺癌以外の呼吸器に関する研究成果が多く発表されており、非常に勉強になりました。

矢野教授がシンポジウムで「Molecular Mechanisms of Resistance to EGFR TKIs in lung cancer」をご発表され、Dana-Farber Cancer InstituteのBruce Johnson教授からも我々が開始する医師主導治験に対しての質問があり、この試験は世界から注目されていることを実感しました。

私は「Ability of the Met kinase inhibitor crizotinib and new generation EGFR inhibitors to overcome resistance to EGFR inhibitors」の演題で発表し、3人の方からご質問をいただき、活発な議論ができました。

また、いろいろな発表ができるようがんばっていきたいと思います。

文責:南條

 


世界肺癌学会(シドニー)

2013-11-06 16:44:34 | 日記

10月27~30日までシドニーで開催された世界肺癌学会に参加しました。

学会会場のSydney Convention and Exhibition Centreはダーリングハーバーにあり、海に面したテラスからの眺めは最高でした。

 

矢野教授がミニシンポジウムで「Resistance to EGFR TKIs」を発表され、

私はポスターセッションで「EGFR-TKI resistance due to BIM polymorphism can be circumvented in combination with HDAC inhibition」の演題で発表しました。

海外での学会参加は初めてで、質問にうまく答えられるか不安もありましたが、ポスター発表だったこともあり、なんとか乗り切ることができました。

アメリカの研究者やアジア、中東の方まで多国籍の人が質問をしてくれて、興味を持って頂けたことはいい刺激になりました。

また、学会では肺癌に関する最新の研究成果が多く発表されており、どのセッションを聞いても非常に勉強になりました。

今回の発表内容は現在医師主導治験に結びついており、並行して進めている臨床研究や基礎的な検討とともに、今後、世界に発信していける成果をだせるよう頑張っていきたいと思います。

竹内