少し前の話になりますが10月に行われた、アメリカ癌学会、アメリカがん研究所、ヨーロッパがん研究機構の分子標的薬に関する合同カンファレンスに参加してきました。
会場は私の前任地でもあるアメリカマサチューセッツ州ボストンでちょうどワールドシリーズと重なり盛り上がっていました(写真は州議事堂に掲げられたレッドソックスの旗)。
この会議は新薬開発に関する会議で、分子標的薬ががん治療の主流となる中、このカンファレンスも規模を拡大してきています。会議はヨーロッパとアメリカの持ち回りで、製薬企業の研究所が集中していることもありアメリカではボストンで行われることが多いようです。著名な演者により分子標的治療、免疫療法、薬物耐性などの最新情報が示され、800以上のポスター発表がなされていました。私もポスター発表を行い、幸運にもScholar in Training Award (ポスター賞のようなもの)を受賞しました。
当初は学会に合わせて夏休みを取りバケーションの予定だったのですが、(幸か不幸か)現在投稿中の日米共同研究のまとめと時期が重なってしまい、マサチューセッツ総合病院がんセンターを訪れ、何日かディスカッションと実験をしてきました。
私が以前勤務していたJeff Engelman研究室は、私が参加したころは総勢6人しかいなかったのですが、今はポスドク9人、テクニシャン15人以上の大きなラボになって、テクニシャンに至っては誰が誰だかよくわからなくなっていました。そんな中で私がいた痕跡を探すとこんなものが見つかりました。(写真はダイソーで買った御手洗の表札をなぜか飾っているポスドクの机)。
Jeffは相変わらず多忙でしたが、幸いディスカッションする機会がありました。このときは、この仕事はもう終ったと思っていたのですが、帰国してからメール攻撃を受け、夜中の4時にニュージャージーの空港(Jeffは香港に向け出張途中)から電話がかかってくるとは思ってもいませんでした・・・(写真はディスカッションするJeffと私)。幸い論文については日本に帰国後もディスカッションを継続し、再投稿することができました。
今回は実験することになったり、同行した娘が熱を出して救急外来を受診するなど、想定外なことも多かったのですが、友人や共同研究者に会うことができ有意義な時間を過ごすことができました(写真はラボの仲間とレストランにて)。
最後に、留守中患者さんをお願いした小谷先生をはじめ諸先生に感謝いたします。
衣斐