はやしんばんぱくの、めげてめけめけ、言論の不自由ブログ

全国各地へ飛び回り、めげてめけめけめげまくり、色々書いていましたが、ブログ終わりました。過去を読めばいい!サラバじゃ~!

商業無常の響きあり。

2011年10月17日 19時10分46秒 | 出張中の日常シリーズ
今、僕が来ている北海道
当社の場合
昔は雑貨屋さんを回っての1週間出張だったが
今ではすっかり変わり
ペットショップさんメインの1週間となっている。
ペット用品を作りはじめてしばらくの6、7年前の頃でも
北海道のお取引先さんはペットショップさんがまったく無く
雑貨屋さんオンリーだった。

釧路から函館まで
昔も今も、回るルートは変わっていない。
北見や網走などへ足を伸ばした事もあったが
基本はこの路線である。
雑貨のお取引先さんへは今もちゃんとお伺いしている。
当社が雑貨の生産をやめてしまった訳でもない。
ペット用品と雑貨とをバランス良く作りつづけている。
なのに、何故1メーカーの売り込み先がまるで変わったのか。
時が流れ、時代が変わったのだ。

当時の雑貨屋さんの形態はまさに流行り廃りに飲み込まれてしまった。
そう感じてしまう。
十数年前のカントリーブーム。
カリスマブランドやカリスマメーカー
先生と呼ばれるカリスマカントリー主婦等
とにかくカントリー雑貨が大盛り上がりをみせていた頃
北海道でも、この北海道という広大な大自然の土地柄から
他県にも勝りカントリーという分野のブームが過熱していた。

アメリカンカントリー、フレンチカントリー、ブリティッシュカントリー等々
北海道には、それはそれはあらゆるお店があった。
同時にアンティークも流行り
カントリーくくり以外のPOPやファンシーな雑貨も
一緒に勢いを持っていた。
雑貨全般がブームになっていた訳だ。

流れを掴めた商品は一人歩きし飛ぶように売れた。
カリスマメーカーの作るカリスマ商品はメディアや口コミで瞬く間に広がった。
それはもう異常なくらいの騒ぎだった。

当社の商品は決してカントリーを意識して作られたものではなかったが
分野的にとても上手くハマった。
取り扱い店も増え、商品は非常に良く売れていった。

カントリーもカタチを変えて
ナチュラルカントリーがブームとなった頃から
不景気のあおりも、モロに受け
雑貨ブームに陰りがみえはじめた。
素朴趣向なナチュラルは、極力飾らないシンプルライフへとかわり
カントリーは、消えていった。

日本最大の見本市東京ギフトショーで見ても良く分かる。
以前はカントリーブースだらけだったのが
今じゃ本当、カントリーはゼロに近い。
ブースはまるで見当たらないのだ。

北海道でも、今当社がお取引している雑貨屋さんで
カントリーをメインにされているお店は少ない。
しかしカントリーファンは消えたわけではないから
その少ないお店にファンは集中している様である。

一昨日の夜
昔お取引していただいていた雑貨ショップのオーナーさんに会った。
フレンチカントリーとアンティーク物をメインに扱われていたお店だ。
ブームが去り、経営難となり
もうかれこれ8年か9年前あたりに店を閉めた方だ。
雑貨ショップを辞め、夫婦共働きでお勤めに出ながら
ネットでアンティーク物を売っていた。

疎遠となっていたのだが
つい先日
突然会社にメールをいただく。
お店を、小さいながらも復活させたとの事。
アンティークがメインなので取引は出来ないが
近くへ来る事があれば、良かったら寄ってくださいとの事だった。

昔は商談後、よく一緒に飲みに行ったっけ。
懐かしいなぁ。
久々にお話もしたいなと
そのお店が入っている商業施設ビルに行く。

エスカレーター最上階へ。
小さな店舗がひしめきあうフロアーの中から
その方のお店を見つけた。
挨拶をするとオーナーさん、目をまんまるにして驚いておられた。
「ふけましたね~」
「太ったね~」
など言いあって、当社の代表の経緯などを話し
先方さんの今日までを聞いたりした。

「勤めた会社の経営者ともめてさ、辞めちゃったんだけど
今更また職を探すのもなんだしとね
店を再開したんだよ。
もう当時売れていたものはダメだね。
あの頃あんなに価値があったのに
今じゃ誰も見向きもしないただのガラクタになっちゃってる。
今はほら、そこにズラリ並んでいるボタンが
うちの主流になってるよ。
細かいけど、バカにならない。
店は暇だからさ、ネット売りやヤフオクで
アンティークのボタン売りまくってる日々さ」

こちらも雑貨から服飾雑貨へ
そして主力はペットへと
売り物を変えてきている。

あの頃は、カントリー雑貨をめぐり
仕入れる仕入れないなんて商談をかわした2人
今は互いに、それなりに老けて
ボタンだペットだと語り合う。

前向きなようで
この空間が
何となく、何故だろう、ちょびっと切なくなり
「飲みにでもどうですか」
って言い出せず
「ではまた今度」
とお店を後にした。

流行りあれば廃りあり
諸行無常の響きあり。

今を生きる!
これでもかと
突っ走る!

うだうだと、昔を否定し、今を情けむ
最近のそんな風潮が
分からんではないが
何か嫌だ。

札幌の夜は更ける。
昨日の前の夜の事。

めけめけ~。

写真。札幌テレビ棟。
テレビ棟が「なにさ!(723)」て言ってるよ。