時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

水鏡推理Ⅵ クロノスタシス

2019-12-12 | 読書
水鏡推理シリーズは
前作
水鏡推理5 ニュークリアフュージョン(2017_01_12)読んで以来です
官僚と言えば
その後彼とは
どうなったんだろう
ん?
ちゃう!
あれはQシリーズ
特等添乗員αだった
水鏡瑞希
どんなキャラだったっけ?


国家公務員一般職事務官
文科省に実在する
‘研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース’から
研究公正推進室への異動になり
どれほどの月日が
経過しているのでしょう
水鏡瑞希さん
出世してたりして?
と思ったら
一般職の末席係員でした

今回は
「過労死・過労自殺」がテーマらしい

水鏡瑞希は
国立医学研究所の菅野祐哉が考案した
過労死のリスクを数値化し
予防できる画期的新技術
「過労死バイオマーカー」の
信頼性を検証する
最終評価段階を迎えていました
そんなある日
突然
文部科学省文化戝部美術学芸課の
菊池裕美の訪問を受けます
裕美曰く
先頃亡くなった
同僚秋山恵子の
「過労死バイオマーカー」数値が
異常値を示していた
これは
恵子の死因が
上司である尾崎寛樹による
パワハラを含めた過労死が
原因だという証明になるのでは?
それを証明するためにも
「過労死バイオマーカー」の研究が
正しいと証明して欲しい
と言うモノだった
調査の一環として
周囲の反対を押し切り
ここ九ヵ月間の間になくなった
省庁勤務職員のうち
財務省主計局主査
吉岡健弥にまつわる実例を
探り始めます

流れ的に
菅野祐哉の推奨する
「過労死バイオマーカー」の研究の
不正を暴くんだろうと
思っていたら
今回は違ってました
研究自体は優良であるが
実用化にあたっては
基準となる危険度を表す数値の
修正が必要であり
引き続き
統計の検証する必要がある
と言う落ちでした

自殺と思われたいた
吉岡健弥は
実は生きていて
文部科学省の
秋山恵子も
京都に出張してただけでした
では何故
吉岡健弥は自殺扱いに
なっていたのか
菊池裕美は
秋山恵子が
死んだと思い込んでいたのか
この謎解きが
メインでした

吉岡健弥の事件に関しては
共に
過労死が原因で
同僚を亡くしたと思われる
矢田洸介警部補と
国立八幡病院外科医にして
警察庁の嘱託検視員
永井泰己による偽装で
過労死問題を
世に訴え
認識させようとして
企てた事件で

秋山恵子の件に関しては
菊池裕美の
思い込みで作り上げた
架空の話でした

実は
彼女自身が
総合失調症を患っていることすら
認識できないほど
心身共に追い詰められた
状況だったことが判明します

吉岡健弥
矢田洸介
永井泰己
に関しては
それなりの処罰が
与えられる(と思われます)
菅野祐哉は
研究の責任者を退き
閉塞性血栓血管炎を患う
妻涼子さんと過ごすことに…
パワハラ上司
財務省の宮沢和之と
文部科学省の尾崎寛樹は
相次いで異動
菊池裕美は
公災が認められ
病気療養&治療中
で決着

と思いきや
ヒロイン
水鏡瑞希自身も
気付かぬうちに
オーバーワーク
人事評価調査官
江島雄介と
上司である石橋から
きみは安みを取るんだ
しばらくのあいだ

とのお達しを受けてしまいます
瑞希 涙 涙 涙
そうなです!
彼女自身が
オーバーワーク
過労だと言うことに
気付いていなかった
しかも
今回
瑞希と行動を共した
相棒役・須藤誠は
調査と言うより
瑞希の事を心配して
フォローしていたことが判明
まさかの展開でした

エピローグ的な感じて
最後は
職場復帰した
瑞希が
株式会社通信総合研究所の
取締役・樫原庸路の不正を
一刀両断する場面が
描かれております

現代社会が抱える
リアルな
過労死や過労自殺問題にたいして
どんなスカッとする一撃を
食らわしてくれるのか
と期待していましたが
それはなかったかな?
ただ
一般職の
末席係員である
水鏡瑞希の才覚を
上司を筆頭に
職場のメンバー
のみならず
上のお偉いさんも
認めてくれている
と言うのが
前身と申しますか
良かったなぁ~
と思った次第です

この作品は
2017年2月15日に
初版されて以降
7作目が出版されておりません
これで完結なんでしょうか?

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