かめのまちづくり

焼津でまちづくりについて勉強しています。私がまちづくりについて調べたこと、考えたこと、みんな読んでね(^^♪

三右衛門芋のこと

2014年02月11日 | 日記

三右衛門 新田の小野田さんが作る三右衛門芋。大井川によってもたらされた砂地は、里芋が育つのに大変適していました。里芋は乾燥を嫌うので、適度に水分があり、尚且つ水はけがよい環境を必要とします。その点、三右衛門新田の田んぼはうってつけの環境だとのこと。畑で作られる里芋と違い、ゴジゴジとせず、柔らかでなめらかな食感になるそうです。昔は三右衛門新田から大住にかけて、多くの農家がこの里芋を作っていました。今ではこの地域の農家はほとんどなくなってしまいました。

三右衛門新田には、今でも芋まつりというお祭りが残っています。その昔、この地が飢饉に合い、他の作物が全てだめになった時も、里芋だけは生き残りみんなを助けてくれたという言い伝えが残っています。みんなを助けた里芋に感謝するお祭りが9月15日の八幡様の芋まつり。今でも細々と残っているこのお祭り、以前は三右衛門新田秋の一代イベントだったとか。串に刺して醤油で煮て、鰹節をまぶした里芋。「一人2本までだよ」と配られるこの里芋が子供たちの楽しみだったとか。大量に作られるこの芋煮のために、普通の家庭の庭でも里芋を作らなければならないほどだったそうです。

この三右衛門芋、かつては焼津の漁業と深い関係にありました。

焼津神社の荒祭は、焼津のお祭りの中でも大きなお祭りです。昔は、漁に出ていたカツオ船がみなこの荒祭のために帰ってきました。その船が、8月13日のお祭りが終わると、一斉に海へと出ていきます。まだ漁船に冷蔵庫が付いていない時代。野菜も持っていけるものが限られています。

そのため、重宝されたのがこの三右衛門芋。お盆が終わったころから収穫が始まりますが、夏の里芋の根は元気がよく収穫時の作業も一苦労。この頃は皮を剥いてすぐに調理できる状態で出荷するのが一般的で、収穫の後も黒石川で里芋を洗い、木べらで皮を剥き、焼きミョウバンで色止めという作業が残っています。この時期が一番のかきいれ時、一斉に船出するカツオ船に対応するため、市場は大量の皮むき里芋で真っ白になったのだとか。もしかすると、夜なべ仕事という日もあったかもしれませんね。

里芋は、カツオ船だけでなく、島田などにも売りにいきました。その頃は重さで売るのではなく、一升ますでいくらという売り方をしていたんだそうですよ。

今では、焼津の漁業も当時より勢いをなくしていますし、三右衛門芋を作る農家もほぼなくなり、この芋煮も手間がかかるという理由で作られなくなってしまったとのこと。時代の流れということなのでしょうが、ちょっと残念な話です。

 

お料理教室参加者の、三右エ門芋の感想

・とてもおいしくてびっくりしました。なくなっちゃダメですね。作り方が田んぼを利用して作るのを知りました。味もヌメッとした感じがなくて感動です。ご  ちそう様でした。

・ゴジゴジしたところがなくて、ねっとりとした食感がとてもおいしかったです。皮を剥くときに、上の部分を捨ててしまうことを、初めて知りました。

・煮たり焼いたりと食べ方も色々あるんだと知り、良かったです。

・ 在来作物について知れてよかったです。

・ほくほくしていて、しっとりしていておいしかった。

・ほくほくでおいしかった。

・自分でも里芋は作っていますが、また違った里芋の味をありがとうございました。おいしかったです。

・本当においしい里芋に出会い、嬉しいです。買いたいと思いました。

・里芋にも色んな料理があるんですね。里芋はとても好きです。蒸かして焼いたり、煮たり、これからも楽しみです。

・すごくおいしかったです。貴重な里芋を食べれて大満足。これからも在来作物がなくなっていかないよう、みんなで協力していきたいです。

・三右衛門芋という名前を初めて知り、とても貴重なものをいただくことに感謝しました。今までに味わったことのない味と出会えて、嬉しかったです。とても素朴な味の芋ですね。

・ただぬるっとした里芋でなく、しっかりとした食感もあり、歯触りのよいお芋でした。里芋がおいしいと思ったのは初めてです。

・さくっとほっくり食べやすい、おいしい里芋でした。ぜひまた食べたいです。

・上品な里芋でびっくりしました。グラタンやパスタでもいけるかなあと思いました。


「地元の農産物発見  在来作物を食べよう!」を開きました!

2014年02月11日 | 日記

2月9日(日)、豊田公民館にて「地元の農作物発見 在来作物をたべよう!」と銘打って、お料理教室を開きました!焼津の在来作物を扱った、お料理教室の第2弾です。14名の方が遊びにきてくれました。いやあ、毎回びっくりするほど贅沢ですね。だって、もしかしたら明日にはこの世からなくなってしまうかもしれない野菜を使ってのお料理教室ですよ。野菜の勉強をしていてよかったと本当に思います。

暮れに静大の稲垣先生から「焼津で在来作物が2種類見つかったので、つる屋でイベントしませんか」とのご連絡を受けて、まずは農家さんのお宅へうかがいました。提供していただけて本当にラッキーでした。素材そのものも魅力的ですが、お話がまた面白い。どちらのお宅へも何回か通わせていただいて、お話、たっぷり聞かせてもらいました。そちらの報告は、また明日。

今回使ったのは中新田の地ねぎと、三右衛門新田芋。地味だよねえって思ったあなた!!損しますよ、本当においしいんだから。

とはいうものの、焼津の在来作物はそもそも数量が少なく、皆さんに広く食べてもらうことができないという難点があります。なにせ、おいしいからといって無理やりに数量をあげて生産すると、味や形など、その野菜の特徴自体の性質が失われてしまう可能性もあるんですって。失われないよう残していくために皆さんに広く知ってもらいたいけど、わーっと買いに行かれても困る。そこが難しいところですね。

 中新田の地ねぎ。

 そしてこれが三右衛門芋です。

難しかったのがこのお芋で、本当に収穫期の最後の最後、売り切れ寸前でだったので、手に入れるのが大変で。確保してもらうのに農家さんにご苦労かけてしまいました。

当日は稲垣先生のミニ講座付き、ミニとはいえ、たっぷりお話いただいて、参加者も、私も大満足!稲垣先生には、他にも用事があるとのことで、お料理を食べていただくことができませんでした。また、味わっていただく機会を作らなければ!!

そして、お料理実習です。

当日のお品書きは

 鶏の味噌焼き

 里芋のおかかまぶし

 ねぎ味噌

 ねこまんま

 即席沖あがり

 里芋のつぶし焼き

 トマトのコンポート

どんな味だか、気になるでしょ?実は本当に簡単な料理ばかりで、「金返せ!」と怒られるんじゃないかと冷や冷やしました。でも、なんども試作して、自分のレシピを漁ってみましたが、素材自体が魅力的で、あんまりがっつり料理してしまうと素材の良さが死んでしまうということに気が付きました。前の日まで試作して、やっと腹をくくった次第。おねぎなんて、ねこまんまですよ。ねぎとおかかを醤油で和えたものをごはんにかけただけ。でも、ねぎが甘くて香りがいいから、これがまた美味いんだ。

当日はSBS様と静岡新聞社様に取材に来ていただいて、上がってしまって、まあ、手順も何もぐったぐた。参加者もハラハラです。当日、母がアシスタントに入ってくれたのですが、「わー、忘れた!!お母さん、あれ、どこだっけ?」と騒ぐたび(笑)、母の心臓が痛んだそうで。でも、逆に料理の美味い人がサポートしてくれたりして、みんな楽しそう。ちょっとお料理の先生みたいにうまく教えられないのがコンプレックスだったんだけど、逆にこの雰囲気っていいのかもなどと甘いことを考えてしまいました。なんとか無事料理も完成!よかった。

みんな口々に「おいしい!」「おいしい!」って言ってくれて、本当に嬉しかったです。

さて、今回返す返すも残念だったのが里芋。手に入れられた里芋が少なかったので、試作もほんの一口しか作れず…。「お、結構クリーミー!!」と思っていたお芋。報道の方々にもそうご紹介し、新聞に書いていただきました。

お教室では食べる時間がなく、とにかく一口ゲットして家に持ち帰ったのですが、家で食べてみたら驚愕!!なんとほっこりしてるじゃないですか!!めちゃくちゃおいしいことに変わりはないのですが、料理の仕方が違ったのか、それともお芋の状態が違ったのか。今となっては食べつくしてしまったので、確かめようもありませんが、これじゃあお芋の魅力が伝わらないじゃない!!とがっくりと肩を落としてしまいました。愚痴った仕事場の先輩からは、「まあ、里芋も状態によって味が違うからね」と慰めてもらいましたが、まだまだ野菜ソムリエ半人前の私です(笑)。

でも、おいしかったなあ、里芋の煮物。改めて昔からの里芋の力に魅了されました。

おねぎも本当に力強くてすばらしい。できればいつまでも残っていってほしいなあ。すごく嬉しかったのが、参加者の中に「畑をやってます」という方がいらっしゃって、ねぎの根っこを「植えてみる」と持って帰ってくれました。在来作物は、土地によってまた味や形や香りが変わっていく可能性があります。その方の畑で、また新たな在来作物が生まれるかもしれません。そう考えるとワクワクしますね。

そんなわけで、お料理居室無事終了いたしました。また、楽しい企画を練りますので、遊びに来てくださいね。