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お稲荷さんとキツネの闊歩

2018年12月27日 | 村の歴史

稲荷神社の稲荷は「稲成り」の意味だったものが、稲を荷なう神像の姿から後に「稲荷」の字が当てられたとされる。稲荷神を祀る神社を稲荷神社と呼ばれている。稲荷神社は穀物・農業の神だが、現在は商工業を含め産業全体の神として商売繁昌・産業興隆・家内安全・交通安全・芸能上達の守護神として信仰されている。

京都市伏見にある伏見稲荷大社が日本各所にある稲荷神社の総本宮。伏見稲荷大社では、キツネは稲荷神の神使とされる。朱の鳥居と神使の白いキツネがシンボルとなっている。

伏見稲荷神社の白いキツネ像 2018.10.17

平成2年秋田県が悠紀の国に選ばれた。秋田県神社庁は大嘗祭と同趣旨の新嘗祭に新穀を伊勢神宮、県内神社に奉納するために「新嘗祭献穀田」を設け、平成3年より県内13支部持ちまわりで実施している。平成最後の献穀田は湯沢市川連町が選定された。その主要な作業を川連集落と稲川有機米研究会・JAこまちが担当した。5月17日に田植祭、9月22日に抜穂祭。40名が収穫した新米をもって10月15日伊勢神宮で、全国から奉納された初穂を載せたお木曳車を神宮外宮へと曳き入れに参加した。午後から神宮内宮への正式参拝で献穀田事業で収穫したお米を奉納した。

伊勢神宮初穂曳終了後、稲の神様と慕われる京都伏見稲荷神社を正式参拝、神楽殿で御神楽を奉納してきた。稲荷神社は全国に32000社、日本全国の神社の総数は8万社と云われていることから日本の神社の3分の1が稲荷神社という説がある。

旧稲川町には15社の稲荷神社がある。他に内神様として屋敷内に祀われているお堂は多数ある。麓集落の稲荷神社は古舘山の旧川連城本丸と集落中心の通称森コに建つ稲荷神社がある。 二つの稲荷明神様は姉妹と言われている。ある記録に天正二年五月一三日造立の黒森神社稲荷大明神がある。現在「柴田〇」宅が管理している黒森の御堂と関係していると思われるが確認できていない。

歴史散歩 城下町・川連(6) 稲荷神社部分 稲川町広報 昭和54年3月10日 

稲川広報によれば、森コの稲荷神社は京都伏見稲荷神社から寛政九年(1797)に正式に分社として認められたとされている。管理している「長里〇〇」宅に「授与之状」が保存されている。その状には「正四位摂津守荷川宿弥信邦と署名の下に正官之印が押されている。稲荷明神ご本尊は明治26年旧9月1日祠堂権人講義、稲場高車の司祭により川連の四十二名が願主となって奉納された高さ1尺6寸の極彩色の女神像。稲荷神社の祭神は「宇賀之御魂命」五穀を司る農業生産の神様」とある。

「古事記」では宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、「日本書紀」では倉稲魂命(うかのみたまのみこと)と表記されている。名前の「ウカ」は穀物・食物の意味で、穀物の神である。両書とも性別が明確にわかるような記述はないとされ、古くから女神とされてきた。 (引用)

キツネの闊歩

2014年3月15日ブログに「村の獣たち」を書いた。この記事は大雪の年、集落のある家の玄関にカモシカが現れたこと、アナグマが自宅の棲みついて日中堂々と集落の道路を闊歩する姿を中心に書いた。

今回は京都伏見稲荷神社参拝後、自宅を中心に出歩くキツネを題材とした。冬にスノーシュー散策でも毎年のようにキツネの足跡を確認していた。乳牛を飼っていた当時、草地の草刈乾燥作業をした後に数匹の子キツネが駆け回る姿は時々目にしていた。今回のように自宅周辺では初めてのことだ。この夏カモシカも日中自宅前を横切って隣地の屋敷に消えた。このカモシカも今回のキツネもどうしたことか痩せている。野生のキツネは肉食に近い雑食性と言われている。爬虫類や昆虫類が居なくなった冬には、ネズミが主な食べ物らしい。闊歩するキツネをなかなかカメラで撮る事が出来ないでいた。闊歩するキツネを見つけてから一週間もしてやっと撮えることができた。

約13ⅿ離れたカメラに反応した 平成30年12月4日

11月の始め野良猫が子ネコをつれて車庫の二階に棲みついた。子猫3匹は日中走りまわっていた。キツネが家の周りや、溜池の周りを出歩いていたのは11月の末頃からだった。キツネが出歩くようになったら車庫の二階の子ネコがいなくなった。今のところ危険を感じて親ネコと一緒に移動したのか、それともキツネにやられたのかはわからない。シャッターの隙間からキツネが出入りしていることは目撃している。驚いたことにキツネは木に登ると言われるから車庫の二階へアルミ梯子を上ることはことは簡単なことかもしれない。雪が降って毎朝除雪時にキツネの足跡は見れれる。

ただ、この痩せたように見えるキツネは痛々しい。一節には夏毛と冬毛との毛変わりの時期でやせて見えるらしい。健康状態は殆ど変らないとされる。11月から12月のキツネなら冬毛に変わっているとの思いがあるがどうだろうか。それとも今年の晩秋のように比較的暑い日が続いたので冬毛に変わるのが遅れていたのだろうか。

食べ物を見つけたらしい 平成30年12月4日

家の周りを歩くキツネは伏見稲荷神社参拝後だった。何か不思議なつながりにも思えた。果物をキツネは食べないとされるが今回車庫の二階に乾していた「干し柿」が無くなり食べかすが散らばっていた。空腹に耐えかねて食したとしか思えない。野良猫も姿を消してから一ヶ月近くになる。除雪前の猫の足跡もいつもの年より極端に少ない。時々キツネは道路から自宅に入り床下へ向う足跡がみえる。何時もの年より今年は野生動物が頻繁に集落の住宅地内を歩きまわっている。人の住む地内がより食べ物を得やすいに違いない。内沢の山神社の側には熊の出没の監視カメラが7月から11月末まで設置されたが何事もなかったらしい。PB030978.JPG


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