家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
現在は、ダニエル元町本店にてワークショップ体験をご案内

ブログその9 (7期生)

2011年06月18日 | Weblog
6月5日  ベン・ケーシーでも手が震える
 ダニエル工房の近くの浅間神社大例祭の日。午前の授業中、こども神輿の太鼓や声が遠くから聞こえてくると、ついつい窓の外に目と耳が行ってしまう。
さて、午前は、中級になってから使う電動工具の説明だ。先週、ボール盤を初めて使って、電動工具の威力と鋭さを体感したばかりだから、注意深く扱わないと指の欠損などに繋がることが実感に近い感覚だ。
電動工具を扱う「安全心得」をまず教えていただく。①体調管理、②手元だけではなく、大元のスイッチを切る、③工具に巻き込まれないような服装や髪形、④手袋、手ぬぐいを使わない、⑤刃物は柄を自分のほうに向ける、⑥ごみを払う時は手を使わず、エアなどを使う。
午後は、道具箱の最後の日。先週到達できなかった工程をすっかり忘れてしまっている。実は、出来なかった部分のやり方を忘れないようにと必死で記憶に刻み込んだ。おかげで夢にまで出てきたのに、今日は、すっかり無くなっている、アー。
今日は道具箱の中の仕切り板を仕上げて、天野先生の厳しい目でぐるりと全体をチェックしていただき、OKなら、ダニエルの焼印を押してもらえるはずだ。続々と焼印が押されていく。やっと私も先生の元へ。仕上げの紙やすりをもっと丁寧に掛けること、と念押しされてから念願のダニエル焼印だ。「やった!」
先生はもちろんのこと、教室の皆さんにたくさん教えていただき、手を貸していただきながら、道具箱が今、私の目の前にある。「おかげさまでできました、ありがとうございました」と、私の周辺の作業台の皆さんにお礼を言うと、涙があふれてきた。止まらない。生涯初めての作品だ。
細かい目で見れば、目違いやねじれや、釘跡や仕上げ不足の代物だが、とにもかくにも遠目で見れば、みんなと同じものができたというのが、本当に嬉しい。奇跡だ。
今日のタイトルの「ベン・ケーシーでも手が震えた」のは、焼印を押す時のこと。私の焼印を押すと、天野ドクター「いや、これはキレイにできた。うまくなったなぁ」と、相好を崩す。言いながらの視線の先には、道具箱ならぬ、その上部にある焼印。「最初の頃は手が震えてなかなかうまくできなかったんだよ。や、今日はうまくなった」。
そうか、ベン・ケーシーでも手が震えるのなら、学校始まって以来の超劣等生の心が喜びで震えても、ま、いいかっ。




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