家具の学校

『家具の学校』から始まったモノづくり
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ブログ20 7期生初級平成22年度

2011年09月15日 | Weblog
平成22年9月11日
 今日は午前、午後とも座学。先ずは、椅子の話から産業構造の変遷や見通しにまで想像力を書き立ててくださる島崎校長の授業。椅子は元々手近にある材から生活の必要に応じて作っていたので、傷むと修理よりや廃棄の道が選択され、現存している椅子は生活感の無い格式の高いものが多いそうだ。
 古代の椅子の例としてツタンカーメンの椅子を例に挙げた。アームが獅子を、背中には大空を舞う鷲の羽、脚部には獅子のツメを模してあり、座った王に大きな畏敬が自然と寄せられるようになっているようだ。ただ腰を落とす場ではなく、地位を保つための一つの仕掛けとしての椅子ということだろうか。
 さて、今日の主役ウインザーチェアの出番だ。デザインの起源は14世紀頃でイギリスのウインザー地方で多くが作られたことから、その名が付いたという。この椅子は近代デザインのルーツとも言え、日本人にはお馴染みの姿だ。興味深かったのは椅子各部のパーツをそれぞれの用途に適した性質を持つ木のある地方で作り、それを一か所に集積して組み立てるという近代産業のモデルでもあるということだ。
 ウインザーの独特の色合いの秘密も分かった。各部の木はその用途に合わせているので、4~6種類ほどになり、空気に触れているうちに焼けの進度が違ってきてしまうので塗装をしっかり施してあるそうだ。あの色が日本家屋の中で妙にしっくりくるのは、自然素材の漆喰や畳、障子などと呼応したからだろうか。風土に合った産業と暮らし方について考えさせられた。
 ところで、校長先生はミニチュアのウインザチェアをぜひ作ってごらんなさい、とおっしゃった。ちょうど来週は休校日。だれか作ってくる、もしくは製作に取りかかりそうな予感。楽しみだ。
 さて、午後は「瀬田さんは、お腹が痛くなって早退したそうです」と誰かに言ってもらいたくなる「線の区分、角度の分割等」だ。内藤先生の指示通りに定規やコンパスを動かすと、確かに結果は皆と同じく出せるのだが、理屈が分からない。この理屈を考えようとすると、すかさず「小学校の時に習ったでしょ」てな声が教室内に聞こえる。そっか、昔、昔、やったのかぁなどと惑っていると、次の説明を聞き逃してしまう。樋口さんがやさしく説明を加えてくださり、何とか前へ進む。
後半は、2点透視法を使って道具箱を描く復習と、椅子のデッサンだ。絵を描くのが上手な人が子どもの頃から不思議でならなかったが、もしかしたら、頭の中に2点透視の五目図があるのかもしれない。そういえば、この春から始めた書も全体のフォルムを見ることが必要で、実はお手本の細部ばかりに注意が向いてしまい、お手本の全体像や、筆と自分の鼓動の関係を忘れてしまいがちだ。何か共通点がありそうだ。
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