鏡海亭 Kagami-Tei  ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。

第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第59)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

ずっと主人公が耐えるターン?

作者自重!と言われそうですが、連載小説『アルフェリオン』(ブログ再掲版)の最近の内容について、いくつかコメントしたいと思います。

昨晩深夜、第25話がようやく終わりました。この回は、息苦しい空気の中、動きのない会話シーンや自問自答シーンだけが延々と続くという極端な地味展開でした……。それでも今後のルキアンの成長にとっては重要な話です。あれだけのことがあったのだから仕方がないかもしれませんが、ルキアンはちょっと不安定になり、何でそこで微笑むんだという箇所で不自然にニコニコしていたのが、痛々しかったですね。

クレヴィスの言った、「正しい答えが出せないということは、答えを出さなくて良いことの理由にはならない」という台詞は、ルキアンにとって非常に重みのあるものでした。たしかに18歳の少年に対しては、急かしすぎな台詞かもしれません。もう少し「人間、思いっきり迷っていいんだよ」的なセリフを言ってあげていた方が、ルキアンの成長にとっても良かったのではないか、という感もなくはないです。

ルキアンという子には、何か吹き込まれると思い込みが強すぎて極端に突っ走る傾向があります。例の「優しい人が優しいままで笑っていられる世界」という言葉についても、最近の彼には、やや狂信的に思い入れをもちすぎてしまっていたきらいがありました。第24話、いくらシャノンの件があったとはいえ、「優しい人が優しいままでいられる世界のため」ならば悪人は皆殺しにしても当然という極論にまで走り、憎しみの命ずるままに敵を殺戮してしまったことはその典型です。

なお、あの「暴走」の時点でルキアンは怒りに我を忘れていただけであり、彼の意識そのものは明確に存在していました。ですから実際のところ、アルフェリオン自体は別に暴走などしていません(!)。パイロットが意識を失っている間に機体が勝手に覚醒し、等々というパターンなら、まだルキアンに逃げ道はあるのですが…。結局、彼自身が自分の意思でステリアの力を発現させ、自分の手で野獣のような戦い方をしてしまったわけです。これは、ルキアンにとっては厳しい展開です。信じられる理想を手にしたと思った矢先、その理想を狂信しすぎてあの結果ですから。

それにしても第20話~25話は、かなり辛く歯がゆい展開でした:

ルキアン、仲間の苦戦を傍観→やっと出撃したら瞬殺されて墜落→せっかく助けてくれた人たちにも悲劇が→でも何もできず助けられない→怒りに我を忘れて虐殺→気づいて愕然

…というどうしようもない流れでした。いろんな意味で、こんな主人公ありか?というところです。

クレヴィスに続いて、じきにシャリオもルキアンを丁寧にフォローし、揺れる少年をほどよいところに落ち着かせるのだと思います。彼女が神官でもあるという設定は、こういうところで生きてきます。少なくとも自分の考えをきちんと持っており、それをはっきりと言えるクレヴィスやシャリオのような大人がルキアンの周りにいるということは、物語的に重要です(彼らが「真っ当」な大人かどうかは、また別問題ですが)。性格的に不安定でなおかつ暗い少年(汗)を主人公にする場合、脇のキャラがちゃんと役割を果たさないと……。でも書き手としては難しいですね。

 ◇

ちなみに、本日より再掲開始の第26話から、また話の雰囲気が変わります。「孤軍」というサブタイトルを見て、ルキアンのことか?と思った方もおられるかもしれません。いや、さすがにルキアンばかり延々と孤独に鬱々させておくのは、悪い意味でお腹一杯というところでしょう。孤軍奮闘するのは、あのカリオスです。実はカリオスもルキアンと同じく…。

カリオスは設定上はギルド最強であるにせよ、今までのところ登場シーンが比較的少なく、出ても地味でした。何のことはない、最強という名を持ったモブキャラか?という感じもありました(苦笑)。しかし26話はカリオスが事実上の主人公!(^^;)。実は、この物語というのは――カリオスに限らず、一見地味なキャラや三枚目みたいに見えるキャラが次々と超覚醒して、主役・準主役キャラがしばしば涙目(笑)になるという困ったお話でもあります。まぁ、そういう部分も、悪ノリ精神でもって楽しんでいただければ幸いです。

でもルキアン君、本家の方ではそれなりに成長して、主人公らしくなってきました(と言っても、もう第40話…)。しかし、せっかくルキアンが良い感じに伸びてきたと思ったら、別のパラディーヴァ・マスターの方が目立ってしまったりだとか、その他にも次々と濃いキャラが出てくるので、ルキアン相変わらず涙目です。
頑張れ、主人公!(^^;)

色々とクセのある物語『アルフェリオン』ですが、どうか今後もよろしくお願いします。「そんなのありか?」という、アマチュアのオンライン小説ならではの掟破りな展開(!)を、変な勢いで次々と繰り出したいと思います。型破りではあっても、破綻しているというのとは違いますので、ご安心を(笑)。

以上
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