「ワイルドサイドをほっつき歩け」(ブレイディみかこ著)から
だいたい「楽しんだあいつらは許せない」とか「わがまま」とか、モラル的なことを理由に人々が特定のグループをバッシングしだすときは、社会全体に余裕がないときだ。そんなときはだいたい、お金がないから楽しいことは我慢しなさい、なんにつけても節約・倹約し、自分の身の丈に合わないことは諦めて生きていくことが一番の美徳です、と言い聞かされている陰気な時代だ。これを一言でいうと、「緊縮の時代」という。
人種差別や排外主義だって緊縮財政と大きくリンクしているということが、近年、欧州ではさかんに指摘されている。「自分より得をしている気がする者」を全力でぶっ叩きたくなるのが緊縮時代の人々のマインドセットだとすれば、そのターゲットは外国人にも生活保護受給者にもシングルマザーにもなり得るのであって、「いい時代を生きたベビー・ブーマー時代」もその一つの形態に過ぎない。
ほんと、何度言っても言い過ぎることはないほど、緊縮財政というやつは罪つくりなのだ。
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