独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

気分のいい朝

2007-06-04 | きもの

白にブルーを一滴ほど落としたようなわずかに青みがかった空をベランダから眺めるのは、なんとも気持ちがいいもので、気分のいい一日を約束してくれるようです。家から会社まで行くコースは、7通りあり、以前はその日の気分、空模様と時間でコースを使い分けていましたが、ここ1ヶ月は浜町から10分ほど呉服問屋街を歩きながら行くコースに。この辺り、浜町、堀留町、富沢町、人形町、小舟町、小伝馬町、横山町など、古着からはじまり、太物といわれる木綿、更に地の江戸友禅、江戸小紋などの絹物から着物全般へと扱うものは増えてきたが、江戸時代から続く繊維問屋街。20年ほど前は、朝晩は荷物を出し入れするトラック、宅急便で混雑し、それこそ縫って歩くありさまで、活気にあふれてました。しかしいまは問屋さんも減り、朝夕のトラックのラッシュもすっかり見なくなりました。

この繊維問屋街は戦後の古いビルが多いので、問屋の撤退に伴い、ここ数年はマンション・ラッシュで、繊維問屋が一変し、ベットタウン化してきました。そのせいかどうか、いつもの通りにある会社、先週まではなかったのに、今朝は入り口の一角がショーウィンドウになっていてた。ご主人が書いたのか色紙に「夏の大人の粋―ゆかた」と洒落た筆文字のPOPと男物のゆかたが3点がコーディネートして飾ってあった。素人っぽく、帯もセロハンの袋のままなのですが、とても目に鮮やか。「この夏はゆかたを着ようか!」なんて気分にしてくれる。この会社、「呉服卸」と看板にあるから呉服屋さん相手の商売で、個人売りをしない会社だと思うのでが、飾ってあるだけで「きもの気分」が伝わってきます。拍手です。「ナイスです!」という感謝の視線ビームを送って通りましたが、問屋さんが1軒1軒工夫してきものを飾ったら、すごいパワーになるだろうな。早速知り合いの問屋さんに話してみよう、なんて思いながら、楽しい気分が倍になった朝でした。