jump in the box

この小さな箱の中で飛んだり跳ねたりしてみます(笑)

あぁ…それでもやはりモナコ

2004年05月24日 | F1
「どんなにしても抜けない、ここはモナコ、モンテカルロ絶対に抜けない!」
1992年、フジTV三宅アナの名実況とともにセナとマンセルの壮絶なバトルが脳裏によぎる。

我らが佐藤琢磨のスタートは絶妙。
7番手から1コーナーで一気に4番手へ!
スタートダッシュでズバッと中央に切れ込むと
シューマッハをも置き去りにして1コーナーに飛び込み
チームメイトのバトンには大外からかぶせてスキを伺うあたりは
琢磨の非凡さを感じた。
思わずテレビの前でガッツポーズ!

琢磨はわずか3周でリタイアだったが
あのスタート見られただけで今夜は満足と思っていたのだが
レースは更に面白い展開だった。

アロンソがシューマッハが
次々とトンネルの餌食となる。

1位トゥルーリ2位バトン
速さ、実力は折り紙付ながら不運とめぐり合わせの悪さに
足踏みを続けていた中堅どころ2人が初優勝を争う!
残り数週、見る見る間に差が縮まる。

2秒、1.7秒、1.6秒…周回ごとに2人の間の空間が削られて行く

残り3周、とうとう1秒を切る。
コーナーごとにバトンが背後に迫る
立ち上がりのストレートで離しにかかるトゥルーリ

トゥルーリはルノーに鞭をくれ
ホンダパワーをねじ伏せてバトンが追う
微妙なタイミングで周回遅れが行く手を遮る

抜けない!やはりここはモナコ、モンテカルロ

結局0.4秒差のままトゥルーリ歓喜のチェッカーフラッグ。
亜久里が右京が涙で声を詰まらせる。
一人の才能あるドライバーにようやく成績が追いついた瞬間。

今年のF1は例年になく面白い。
それはレギュレーションのせいでもなく
メディアが作り上げたジャパンパワーでもなく
レースそのものがエキサイティングだからに他ならない。

伝統に彩られた甘美な勝利の美酒
これぞモナコグランプリ。
見ごたえ十分なレースだった。

ま、小豆は飛び散らなかったけれど(笑)