オランダで開かれた世界選手権は今日で5日間すべての日程を終了した。日本の成績は女子が金3、銅2、男子が銀1、銅1という結果であった。
大会全般を振り返ると女子の安定した力が目立った。メダルを逃した階級も金メダルに届かなかった階級も「歯が立たない」というのではなく、いくつかの課題がクリアできれば金の可能性も見えるほどの位置だった。
女子が活躍した一方で男子の不振が際立った。金メダル云々というよりもどの相手であっても「勝てる気がしない」というのがチームの現状のようにみえる。長いトンネルはまだまだ抜けられそうにない。負けた原因について‘ハングリーさ‘ということが言われるが、もっと単純な闘い抜く体力が劣っているようにみえた。北京五輪でも兆候はあった。金メダル2個を獲得したものの他の選手はメダルに絡めなかった。その後、新体制になって強化を行ってきたが何らかの改善や向上など明るい材料さえも見えなかった。
篠原ヘッドコーチは、大会前に全階級金メダルといった目標を掲げ強気の姿勢を崩さなかった。選手を鼓舞する意味もあったのだと思う。一方、選手の力をそのように評価したのであれば、その力を発揮させることができなかった原因はどこにあるのかを語らなければなるまい。自分たちの選んだ選手が負けて「若い選手を連れてくればよかった」ではコーチを信じて闘った選手はどうすればいいのか。選手を批判するよりも強化システムや方法といった根本的な改善を語って欲しい。
今大会から敗者復活戦に残れるのはベスト8以上に進出した選手のみとなり、ひとつ間違えればメダルを逃す確立が高くなった。こういった状況でも確実にメダルを獲得したのは男子では韓国とロシアであった。こういった国にあって日本にないものは何なのかを考えれば自ずと答えは出てくる。
世界選手権は今年から毎年開催される。毎回結果を出すには選手層の厚さも必要になってくる。ジュニア世代からの強化システムも見直す必要があるだろう。
強化とは別にIJFの様々な動きも見えた。ぼんやりしていれば、すぐにおいていかれてしまうほどのスピードで進んでいる。こういった現状で必要なことは早い段階での情報収集と理論武装であろう。何かを提示された時点で考えていたのでは到底太刀打ちできない。
IJFでの日本の求心力の低下が囁かれるなか、競技力でも力を示せなくなっている。日本柔道はどちらにしてもここが正念場だ。なんとなく口を濁して通り過ぎるのではなく徹底的な議論をし、腹を据えた考えを持って進んでいくしかない。
土曜、日曜の会場はほぼ満員で熱気に包まれた。昨日は自国オランダ選手の金メダルに湧いた。最終日の今日もオランダ選手が銀メダルを獲得して大会を締めくくった。印象に残ったのは自国への応援はしても勝った選手は同じように暖かい拍手を送ること。来年の世界選手権が日本で開催されるかどうかはわからないが、もし日本がホスト国になるとすれば、どこの国の選手であっても素晴らしい技や勝者には暖かい拍手を送ることを受け継ぎたい。
大会全般を振り返ると女子の安定した力が目立った。メダルを逃した階級も金メダルに届かなかった階級も「歯が立たない」というのではなく、いくつかの課題がクリアできれば金の可能性も見えるほどの位置だった。
女子が活躍した一方で男子の不振が際立った。金メダル云々というよりもどの相手であっても「勝てる気がしない」というのがチームの現状のようにみえる。長いトンネルはまだまだ抜けられそうにない。負けた原因について‘ハングリーさ‘ということが言われるが、もっと単純な闘い抜く体力が劣っているようにみえた。北京五輪でも兆候はあった。金メダル2個を獲得したものの他の選手はメダルに絡めなかった。その後、新体制になって強化を行ってきたが何らかの改善や向上など明るい材料さえも見えなかった。
篠原ヘッドコーチは、大会前に全階級金メダルといった目標を掲げ強気の姿勢を崩さなかった。選手を鼓舞する意味もあったのだと思う。一方、選手の力をそのように評価したのであれば、その力を発揮させることができなかった原因はどこにあるのかを語らなければなるまい。自分たちの選んだ選手が負けて「若い選手を連れてくればよかった」ではコーチを信じて闘った選手はどうすればいいのか。選手を批判するよりも強化システムや方法といった根本的な改善を語って欲しい。
今大会から敗者復活戦に残れるのはベスト8以上に進出した選手のみとなり、ひとつ間違えればメダルを逃す確立が高くなった。こういった状況でも確実にメダルを獲得したのは男子では韓国とロシアであった。こういった国にあって日本にないものは何なのかを考えれば自ずと答えは出てくる。
世界選手権は今年から毎年開催される。毎回結果を出すには選手層の厚さも必要になってくる。ジュニア世代からの強化システムも見直す必要があるだろう。
強化とは別にIJFの様々な動きも見えた。ぼんやりしていれば、すぐにおいていかれてしまうほどのスピードで進んでいる。こういった現状で必要なことは早い段階での情報収集と理論武装であろう。何かを提示された時点で考えていたのでは到底太刀打ちできない。
IJFでの日本の求心力の低下が囁かれるなか、競技力でも力を示せなくなっている。日本柔道はどちらにしてもここが正念場だ。なんとなく口を濁して通り過ぎるのではなく徹底的な議論をし、腹を据えた考えを持って進んでいくしかない。
土曜、日曜の会場はほぼ満員で熱気に包まれた。昨日は自国オランダ選手の金メダルに湧いた。最終日の今日もオランダ選手が銀メダルを獲得して大会を締めくくった。印象に残ったのは自国への応援はしても勝った選手は同じように暖かい拍手を送ること。来年の世界選手権が日本で開催されるかどうかはわからないが、もし日本がホスト国になるとすれば、どこの国の選手であっても素晴らしい技や勝者には暖かい拍手を送ることを受け継ぎたい。