今週末は中国・青島にてグランプリ大会が開催されている。日本からも重量級に鈴木選手などいくつかの階級にエントリーしている。先週末はアラブ首長国連邦・アブダビにて同じくグランプリ大会が開催された。この大会にも日本からは選手を派遣している。
今年から国際大会をグランドスラム、グランプリ、ワールドカップを格付けし、それぞれの成績を得点化して選手のランキングを作った。これらの大会に加えて大陸選手権や世界選手権も当然ポイントとなる。 12月のグランドスラム東京大会が今年最後の大会となる。大会後には、1年間このシステムを行ってみてどのような成果があがったのか、選手にとってはどうであったのかなどといった総括が行われていくだろう。というよりは行われてほしい。
このシステムになってとにかく大会の数が増えた。世界選手権、世界ジュニア、世界カデも毎年行われるようになった。ランキング制を用いたことでポイントをエサにして多くの大会に出場するように促した形である。確かに日本チームは以前よりも多くの大会に派遣しており、ポイントを獲得している選手も多い。
しかしながら、それぞれの大会をみていくと参加者の数が国際大会とは呼べないような大会もでている。ちなみに最近の2大会をみると、アブダビ大会の出場選手は、男子でもっとも人数が多かった階級が90kg級で14人、最も少なかった階級は100kg超級で6人であった。女子は最も多かった階級が70kg級と78kg級で7人、最も少なかったのは78kg級で3人であった。イスラム圏での大会であったことから女子の参加が少なかったことを差し引いても選手数の少なさが明らかである。どの階級も参加国を含めて同じ国から複数国が参加していることを考えれば各階級の出場国は非常に少ない。
現在行われている青島大会もアブダビよりは出場選手が多いものの男子は平均12~13名、女子は10名といったところである。いずれの階級も中国選手が4人参加しているのでそれを差し引くと・・。
他の大会もみていくと、チュニジア大会やブラジル大会、カザフスタン大会などは出場選手が少ない。アジア地域の大会にはアジア諸国、中央アジアにはロシア周辺諸国などといったような出場国が限定されている傾向が見られる。ヨーロッパでの各大会はヨーロッパ諸国が集まっただけでも多くの出場国となる。こうしてみてみると、大会として規模やレベルを維持できるのはやはりヨーロッパでの大会に限られてきそうである。
もちろん、今年の出場人数やレベルをみてポイントを獲得できそうな大会に来年以降、選手が流れる可能性は考えられるが、来年以降も今年のような傾向が続けば各大会のスポンサー獲得も難しくななり大会の存続自体も難しくなる可能性がある。
敗者復活戦の変更も大きい。大会に行っても1回戦で敗れればそれで終わりでは・・レベルの低い国は、なかなか遠隔地への大会へ派遣しにくくなる。
日本はおそらく世界の中で最も選手を多くの大会に派遣したくにではないだろうか。今年は各大会の規模、レベルなど未知数であったから仕方がなかったかもしれないが、来年以降は今年のように平均的に選手を派遣するようなやり方は見直されるだろう。
大会が多くなっているために選手の派遣も全階級ではなくピンポイントで派遣しているのはよいと思うが、選手数に対してコーチの数が多いのは気にかかる。アブダビ大会では選手8名に対してコーチを含む役員が6名であった。青島大会は選手7名に対して5名である。世界選手権やオリンピックならともかく、この割合は多すぎるのではないか。スポーツの予算が問題とされる中で、こういった派遣の仕方は指摘されても仕方がない。また、日本のコーチたちはその多くが選任ではないので大会数が増えて派遣が多くなれば勤務先への影響も大きい。海外のコーチは一人で男女10名以上を連れて遠征なども珍しくないし、日本のコーチたちも能力的には問題なくできるはずである。
ただし、コーチたちの名誉のためにいっておけば、コーチたちも飛行機はエコノミークラスで移動、日当は3千円であり決して贅沢をしている訳ではない。個人的な意見だが、大人を拘束して、さらに専門的な仕事をさせるのであれば日当はもっと払ってもよいと思っている。
グランドスラム東京大会は多くの選手が出場を予定している。この大会は他の大会とは違い、招待国に関しては大会中の宿泊費を日本側が負担する。世界選手権のメダリストについては旅費も負担での招待となっている。こういった条件を出さなければ出場人数が増えないのも悲しい。招待されたからくるのではなく「柔道と言えば日本、だから日本で闘いたい。」と言ってもらいたいものだ。百歩譲って日本はスポンサーやテレビの関係でそういった招待ができるが他の国はそうはいかない。IJFが今年一年このシステムをやってみてどう総括するのかが興味深い。
今年から国際大会をグランドスラム、グランプリ、ワールドカップを格付けし、それぞれの成績を得点化して選手のランキングを作った。これらの大会に加えて大陸選手権や世界選手権も当然ポイントとなる。 12月のグランドスラム東京大会が今年最後の大会となる。大会後には、1年間このシステムを行ってみてどのような成果があがったのか、選手にとってはどうであったのかなどといった総括が行われていくだろう。というよりは行われてほしい。
このシステムになってとにかく大会の数が増えた。世界選手権、世界ジュニア、世界カデも毎年行われるようになった。ランキング制を用いたことでポイントをエサにして多くの大会に出場するように促した形である。確かに日本チームは以前よりも多くの大会に派遣しており、ポイントを獲得している選手も多い。
しかしながら、それぞれの大会をみていくと参加者の数が国際大会とは呼べないような大会もでている。ちなみに最近の2大会をみると、アブダビ大会の出場選手は、男子でもっとも人数が多かった階級が90kg級で14人、最も少なかった階級は100kg超級で6人であった。女子は最も多かった階級が70kg級と78kg級で7人、最も少なかったのは78kg級で3人であった。イスラム圏での大会であったことから女子の参加が少なかったことを差し引いても選手数の少なさが明らかである。どの階級も参加国を含めて同じ国から複数国が参加していることを考えれば各階級の出場国は非常に少ない。
現在行われている青島大会もアブダビよりは出場選手が多いものの男子は平均12~13名、女子は10名といったところである。いずれの階級も中国選手が4人参加しているのでそれを差し引くと・・。
他の大会もみていくと、チュニジア大会やブラジル大会、カザフスタン大会などは出場選手が少ない。アジア地域の大会にはアジア諸国、中央アジアにはロシア周辺諸国などといったような出場国が限定されている傾向が見られる。ヨーロッパでの各大会はヨーロッパ諸国が集まっただけでも多くの出場国となる。こうしてみてみると、大会として規模やレベルを維持できるのはやはりヨーロッパでの大会に限られてきそうである。
もちろん、今年の出場人数やレベルをみてポイントを獲得できそうな大会に来年以降、選手が流れる可能性は考えられるが、来年以降も今年のような傾向が続けば各大会のスポンサー獲得も難しくななり大会の存続自体も難しくなる可能性がある。
敗者復活戦の変更も大きい。大会に行っても1回戦で敗れればそれで終わりでは・・レベルの低い国は、なかなか遠隔地への大会へ派遣しにくくなる。
日本はおそらく世界の中で最も選手を多くの大会に派遣したくにではないだろうか。今年は各大会の規模、レベルなど未知数であったから仕方がなかったかもしれないが、来年以降は今年のように平均的に選手を派遣するようなやり方は見直されるだろう。
大会が多くなっているために選手の派遣も全階級ではなくピンポイントで派遣しているのはよいと思うが、選手数に対してコーチの数が多いのは気にかかる。アブダビ大会では選手8名に対してコーチを含む役員が6名であった。青島大会は選手7名に対して5名である。世界選手権やオリンピックならともかく、この割合は多すぎるのではないか。スポーツの予算が問題とされる中で、こういった派遣の仕方は指摘されても仕方がない。また、日本のコーチたちはその多くが選任ではないので大会数が増えて派遣が多くなれば勤務先への影響も大きい。海外のコーチは一人で男女10名以上を連れて遠征なども珍しくないし、日本のコーチたちも能力的には問題なくできるはずである。
ただし、コーチたちの名誉のためにいっておけば、コーチたちも飛行機はエコノミークラスで移動、日当は3千円であり決して贅沢をしている訳ではない。個人的な意見だが、大人を拘束して、さらに専門的な仕事をさせるのであれば日当はもっと払ってもよいと思っている。
グランドスラム東京大会は多くの選手が出場を予定している。この大会は他の大会とは違い、招待国に関しては大会中の宿泊費を日本側が負担する。世界選手権のメダリストについては旅費も負担での招待となっている。こういった条件を出さなければ出場人数が増えないのも悲しい。招待されたからくるのではなく「柔道と言えば日本、だから日本で闘いたい。」と言ってもらいたいものだ。百歩譲って日本はスポンサーやテレビの関係でそういった招待ができるが他の国はそうはいかない。IJFが今年一年このシステムをやってみてどう総括するのかが興味深い。